2006年 02月 18日
腰椎椎間板ヘルニアの治療の最前線ー教育研修講座(第77回日本整形外科学会学術総会(神戸)において教育研修講演として発表した)・日整会誌Vol.79 No.11 November 2005 第31回日本臨床整形外科医会研修会(教育研修会1)ー日本臨床整形外科医会会誌Vol.30No.1 Jan.2005 これらが、日本の整形外科医が受けている椎間板ヘルニアの最新の教育研修なのです。 腰椎椎間板ヘルニアの治療の最前線 本稿では治療の最前線という観点から、病態や保存的治療の一般論、椎間板ヘルニアのLove法やMicro Love法とMEDをめぐる治療法、特殊な病態である椎間孔内ヘルニアや最外側型ヘルニア、臨床的に治療の困難な再発性椎間板ヘルニア、加えて固定術の必要性、といった点に関して論述する。 治療の最前線が手術であるような書き方です。 椎間板ヘルニア切除(Love法と略)が最も標準的な術式として数十年間にわたり、全国の大学病院だけでも年間1万人を超す患者に施行されている。 成人の人口を約1億人として、全国大学病院Love法だけで成人10万人に10人の割合で行われていることになる。 一方、海外では 疼痛学序説 痛みの意味を考える Patrick Wall著によると 椎間円板の役割について外科医の混乱は、突出した椎間円板を取り除く手術の割合が、国によって大きく異なることに反映されている。10年前に10万人あたり英国では100人、スウェーデンで200人、フィンランドで350人、米国で900人であった。 この割合は現在下がり続けていて、神話がばらまかれて、少数の人の利益になるが多くの人の不利益になるような不名誉な時代は終わった。不利益をうけたある人たちは、手術の結果、明らかにいっそう悪くなった。 椎間板ヘルニアガイドラインによると 椎間板ヘルニアに対して手術を受けた患者に関する各国の統計をみると、米国では10万人中45~90人、フィンランドでは35人、スウェーデンでは20人、英国では10人と報告されている。 第31回日本臨床整形外科医会研修会 坐骨神経痛に代表される神経根性疼痛は、椎間板ヘルニアなどにより神経根が刺激されることにより生じる。ただし、正常な神経根を圧迫しても疼痛は発生せず、炎症などによる障害神経根あるいは後根神経節(DRG)の圧迫により痛みを引き起こす。このような痛みの発生機序を異所性発火(ectopicfiring)と呼ぶ。異所性発火は、先に述べた椎間板由来の発痛物質により惹起される。 異所性発火で痛みのメカニズムを説明している。昨日も書いたのだが、異所性発火についてもう一度、考えてみよう。 痛覚受容器を介さず神経繊維からインパルスが発生することを異所性興奮という。異所性興奮を生じる可能性が高いのは、脱髄部および障害された末梢神経の側芽と神経腫である。 この図のようになるものと思う。つまり、神経はヘルニアの所で障害されていて、そこから刺激をうけて発火(電気的興奮)して脳に届けられる。脳はヘルニアのところから刺激が届いたとは判断できず、あたかもその神経の支配領域から痛みが起きているように判断する。 5/S1のヘルニアなら図のように、あるいはその一部から痛みがおきているように判断するということなのです。患者さんには必ず、筋硬結、圧痛点が見られるのにもかかわらず、これでは腰やお尻や下肢にできた圧痛点は説明できません。圧痛点は痛覚過敏になったスポットなのです。 異所性発火を信用するならば、次の矛盾を解決できません。 1:神経が損傷されている。つまりSRPS-typeⅡの痛み=カウザルギー。
by junk_2004jp
| 2006-02-18 23:36
| ヘルニア脊柱管狭窄症の矛盾
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