2006年 03月 22日
Aさん(60歳代、男性)は若い頃、しばしばぎっくり腰をおこしました。3~4年前より、左下肢痛のため歩行が困難になりました。100mも歩くと一服しなくてはならなくなったので、大学病院で検査をうけ「腰部脊柱管狭窄症」との診断でした。半年前に手術をしましたが症状は改善しませんでした。 再手術も考えて再検査もしましたが、異常なしとのことで、なぜ痛むのかは説明されませんでした。靴下やズボンの着脱は困難、車のシートから立ち上がるのが困難です。 図のように圧痛点があります。筋筋膜性疼痛症候群が慢性化した状態と診断し、圧痛点ブロックをしました。すぐに立った状態でズボンがはける、靴下が簡単にはける状態になりました。 認知行動療法、抗うつ薬(トレドミン)の投与を併せ行い治療します。今後、経過報告の予定。 脊柱管狭窄症で3回手術した方を現在診ています。これまでも脊柱管狭窄症の術後経過がよくない方をしばしば診てきました。 脊柱管狭窄症の画像:画像所見は症状とほとんど関連性がない 脊柱管狭窄症の回復は面像診断上の変化と相関するか? つい最近、北米筋骨格系疼痛学会という興味深い学会の会議に招かれ「痛みの意味」という基本講演をしてきた。そこで、わたしのつぎの講演者が、腰痛の主観的な痛みとX線やMRIのような客観的な検査手段ととの間の断絶について、すばらしい講演をした。腰部X線やMRI検査では「これは歩くことも困難だろう」とおもわれるほどの変形がみられるが、痛みもなく、正常な運動ができる人のケース、また、痛みで動けないが検査では正常な人のケースなどを、彼はスライドを使って説明した。 専門医が治療方法を大きく変えるよう勧めている。
by junk_2004jp
| 2006-03-22 17:17
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