運動神経や動脈は出口なんだけど、知覚神経や静脈は入り口なんだよね!
だから胸郭入り口症候群というべきなのだ。
もし影響があるとすれば血管(動静脈)だろうが、本当にそういう病態はあるのだろうか?
この疾患をいわれている患者はたいてい痛みやしびれが主訴なんだけど、筋筋膜性疼痛症候群なんだ。筋肉が調子わるいのだけれども、医師は筋肉が悪いとは思わないのでそのような病名をつけるものなんだ。
MPSについて教育を受けていない医学部生は、卒業後もその存在を知ることなく診療を行うため、現実には多数存在しているMPSの患者たちを前にしながら、正しい診断、治療が行えないのである。臨床医がMPSに無関心であることによってもたらされる弊害として重要なことは、TPがもたらす疼痛に対して他の疾患の診断が下されることである。診断が異なると治療も変わってくる。膝の痛みが軟骨の磨耗であるとなれば、最終的には人工関節置換術のような手術療法が行われ、二度と正座ができなくなるし、耐用年数を超えれば再手術が必要になる。腰下肢痛が神経根の炎症であるとなれば、治療には神経根ブロックが繰り返し行われるか、手術療法が行われる。しかし、このような侵襲の大きい治療が行われる一方で、疼痛の改善という目的は達成されない。MPSを正しく診断することができれば、鍼療法(TPA)とストレッチという侵襲のほとんどない方法で的確に疼痛を改善できるのである。(FILE194)
・・・・・に交通事故に遭いずっと・・・・・MRIで異常所見がなかったために、原因箇所が見つからず、ドクターショッピングの末に辿り着いたペインの先生に、頚椎のヘルニアを見つけていただきました。
このような話よくありますね。最後の先生は×なんですね。それ以外の先生は間違ってはいないのだけれど、MPSという概念について学習したことがなかったのです。