2007年 12月 04日
EUROPEAN GUIDELINES FOR THE MANAGEMENT OF ACUTE NONSPECIFIC LOW BACK PAIN IN PRIMARY CARE (プライマリケアにおける急性非特異的腰痛の治療に関するヨーロッパガイドライン) EUROPEAN GUIDELINES FOR THE MANAGEMENT OF CHRONIC NON-SPECIFIC LOW BACK PAIN (非特異的慢性腰痛) いずれも次のようなトリアージに基づいて作られている。 ●Serious spinal pathology(重大な脊椎病理) 日本の「腰椎椎間板ヘルニア診療ガイドライン」にしてもヨーロッパの急性、慢性の非特異的腰痛ガイドラインにしても、「神経根性疼痛」「nerve root pain」という概念が貫かれている。 この概念を崩さないかぎり、診断や治療がうまくいくはずがない。そうではないか。神経根部の圧迫(ヘルニアや脊柱管狭窄による)が、腰痛や下肢痛の原因だとするものだ。 痛みの生理学者はこの概念については無視しているようだ。日本の痛みの生理学の第一人者である愛知医科大痛み学講座の熊澤孝朗教授のホームページにはこの概念について記載はない。 イギリスの著名な痛みの生理学者Patrick Wallは、著書「疼痛学序説」で、「この割合(椎間板ヘルニアの手術)は現在下がり続けていて、神話がばらまかれて、少数の人の利益になるが多くの人の不利益になるような不名誉な時代は終わった。不利益をうけたある人たちは、手術の結果、明らかにいっそう悪くなった。 椎間板ヘルニアの手術は70年以上もの間行なわれてきた。もてはやされたこともあったが、疑問が増し続けている。ヘルニアの突出と痛みはそれぞれ独立していて、痛みの発現におけるヘルニアの突出の役割ははっきりしない。」と述べている。 神経根性疼痛とはどこで、どのようなメカニズムで、痛みの電気信号がおきているのか、はっきりさせるべきだ。それが第一歩だ。 痛みに関するEBMといっても、数値化や画像化はできないので、聞き取り調査、アンケート調査のようなものなのだ。根性疼痛という概念を信じている医師によって、説明をうけ、治療をうけ、聞き取り調査をされたアンケート調査なのだ。それがEBMといえるかどうか。私のように根性疼痛を信じない医師によって説明を受け、治療を受け、聞き取り調査が行われればまた違ったものになるであろう。
by junk_2004jp
| 2007-12-04 23:18
| ヘルニア脊柱管狭窄症の矛盾
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