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心療整形外科

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2008年 02月 02日

ヘルニアがあるけれども取るほどではない

これが現実なのか?

メールでのご相談

何か、すっきり致しました。こう動くとあの嫌な痛みが再発するのでは、ヘルニアだからそれが神経に触っているので痛いんだな、とか手術以外では取れないヘルニアだから、どうしようも無いけど何とかしてほしい、というような葛藤から開放されたように思います。

整形外科医も根源的にはヘルニアを取るしかない、だけど貴方の場合は手術する必要も無い大きさだ、とか言われ、では何をすれば突然起きる激痛(ぎっくり腰のような)から逃げられるんだ、と思い続け逃げ道の無い状態でした。

これからは出来るだけ積極的に行動したい、と考えられるようになりました。しかし、残念ながら**にはトリガーポイントとか、筋筋膜性疼痛症候群を理解しているドクターはいらっしゃらないようで、ちょっとがっかりしています。


「ヘルニアがあるけど取るほどでもない」このように言われるパターンがかなりありますね。お金を払って検査を受けて、意味のない診断を受けて動作恐怖に陥り、メールでのご相談で開放される。

突然起きる激痛はヘルニアのせいでないのはあきらかです。筋肉のspasm(痙攣)です。パターン化してしまったのです。すぐに下痢が起きる、すぐに動悸がするなどと同じことです。

はっきりさせましょう!「神経が圧迫されても痛みやしびれは生じません。」

たとえば、こんな想像をしてみてください。

あなたの踵の神経は踵骨と、地球によって圧迫を受けているのです。地球という大きなヘルニア(笑)

像の足の裏の神経はどうなっているのかな(笑)

痛みの生理学者熊澤先生もおっしゃっています。「神経線維は通常、その末端にある受容器から信号を伝えるものであって、その途中が興奮を起こしたりするようなことはありません。」

末梢神経はそんなにヤワではありません。ただ圧迫されたからといって何もおきません。絞扼(しめつける)されたときには麻痺が生じます(entrapment neuropathy)。

腰椎椎間板ヘルニアでは馬尾症候群、脊柱管狭窄症では馬尾型で、いずれも麻痺です。

http://junk2004.exblog.jp/5807271/

馬尾型は、自覚的には下肢、臀部および会陰部の異常感覚、膀胱直腸障害、下肢脱カ感や性機能不全を訴え、疼痛はない。他覚的には多根性障害を特徴とする。たとえぱ、責任高位がL4/5椎間である場合には、第5腰神経根以下の多根性障害を呈する。


次のように考えてみてください。

一過性に大きな外力が加わった→髄核が飛び出た。一方、筋肉がspasmを起こした。→痛みやしびれが長く続いた。

繰り返される微小損傷、あるいは日常生活動作で、MPSが生じた。そのため、腰の運動不足が生じ、椎間板の栄養状態は劣化し、痛みをかばう姿勢をとり続けたので、ヘルニアが生じた。

いずれが正解かは分かりませんが、どちらにしても、ヘルニアを治したところで、痛みやしびれが止まるということではありません。痛みやしびれは筋肉のspasmのせいなのですから。

手術をしてよくなる人もいますが、手術をするという儀式的な要素と、全身麻酔による筋弛緩効果などがspasmを止めたのでしょう。

しかし、また痛みが出てくる人はとても多いものです。

このように考えないとスジが通らないでしょ。

日本脊椎脊髄病学会

どちらの説に納得しますか?

by junk_2004jp | 2008-02-02 00:36 | ヘルニア脊柱管狭窄症の矛盾


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