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心療整形外科

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2008年 06月 09日

もっと単純に診れないものか(急性痛)

急性の筋骨格系の痛みに対して、これでは病人が増える一方だ。

プライマリーケア医は現状では極力、専門医に紹介すべきではない。専門医に紹介すれば、無駄な検査をされるだけで、よくなるどころか慢性化する。

70才を超えた女性、2人の例を紹介する。

もっと単純に診れないものか(急性痛)_b0052170_19385155.jpgAさんは本年3月*日、カーペットを拭いていてより、左の臀部~大腿にかけて痛みが出現する。

某病院を受診し、レントゲン、MRIを撮る。右L4/5にヘルニアがが見られるが、左には特に所見がない。かつて左の坐骨神経痛があったとのこと。股関節のレントゲンで、臼蓋の異常を疑われた。投薬の治療などいするもよくならず。

私が股関節のレントゲンを見たところでは、特に異常なし。中臀筋の筋筋膜性疼痛症候群(MPS)と判断してトリガーポイントブロックをする。

すぐにその場で困難だった寝返りが可能となった。

Aさんは膝も痛いとおっしゃるので、お聞きしたところ、数年前、半月板の手術をしたがよくならず、現在も治療を続けているとのこと。

内側広筋に強い圧痛があったので、ついでにブロックした。軽くなったとのこと。MPSなのだ。



もっと単純に診れないものか(急性痛)_b0052170_19492792.jpgBさんは昨年12月*日、エアロビクスをしていて急に右膝が痛くなった。近医から軟骨障害の可能性を言われて、大学病院を紹介される。MRIなどの検査をして投薬などを受けたが、現在では左側の膝も痛くなり、夜間ベッドではうずくような痛みが続いている。

なお、薬のせいか、胃の調子が悪くなった。

図のように内側広筋などのMPSだった。トリガーポイントブロックをしたらすぐに痛みが軽減した。

レントゲンの印象は年齢的にみてとてもよい感じがした。

Aさん、Bさんとも発症の日がはっきり分かっていて、その原因となった動作も分かっているのだ。

医師はそういうことを無視して、自分の描く間違った理屈の世界に入ってしまう。そのためにうまく説明できないし治せない。いつからこんな情けないことになってしまったのだろうか。

もう一度、基礎から勉強し直す必要があるかもしれない。

高齢者がどこかが痛いというと「軟骨が減っている」「変形している」「神経が圧迫されている」といった間違った理論の押し売りになるのだ。

なにが専門医だ!

AさんもBさんも前日までは異常がなかったんだよ。私の医院を受診していたら、レントゲンもMRIもいらない。その場で解決してあげる。

慢性痛を作ってはいけないのだ。特に高齢者は。

by junk_2004jp | 2008-06-09 20:05 | 急性痛


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