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心療整形外科

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2008年 10月 06日

心因性腰痛

特に重大な異常がないのに強い腰痛を訴えているのを心因性腰痛といっているようなきがする。

私はこの言葉は使わない。あえていうならば、身体(腰)と脳の情報のやりとりが途絶えている腰痛とでも言おうか。情報のやりとりが有るのか無いのか分からないのでこの言葉は使わない。

構造異常が腰痛の原因だと思っている人はその対極にあるものとして使っているようだ。

たとえば、手術をして構造を治したのにまだ痛がっている場合は心因性腰痛として心療内科に紹介される。

明らかに構造異常がある人でも「心因性腰痛」になることはあるので、その場合、心因性なのか構造異常のための腰痛なのかどうして見分けるのか。

私は構造異常が痛みを起こすとは思っていないので、その対極にある「心因性」は使う必要がない。

ほとんどの腰痛は急性、慢性の違いはあるが筋痛症だ。筋肉の痙攣痛といってもよいだろう。筋肉の緊張はストレスや環境によって当然変わってくる。それを心因性というのならそれでもよいのだが、たぶん誤解をうむ。

同じようなことばで「心身症」というのがある。この言葉の意味を性格に述べることのできる整形外科医はたぶん少ないと思う。
心身症の定義

心身症と診断するには2つの条件を満たす必要がある。第1は、身体疾患の診断が確定していることである。明らかな身体疾患がない場合は心身症と呼ばない。第2は、環境の変化に時間的に一致して、身体症状が変動することであり、たとえば仕事が忙しいときや緊張したとき、身体症状や検査所見が増悪することで判断される。


慢性の筋骨格系の痛みは精神疾患を除いてすべて心身症である。しかしこの言葉も心因性と同様、誤解して使われることがある。誤解を受ける言葉は使わないほうがよい。

by junk_2004jp | 2008-10-06 13:21 | 痛みの生理学


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