心療整形外科

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2018年 06月 03日 ( 1 )


2018年 06月 03日

いろいろな慢性痛

慢性痛:3ヶ月以上続く痛み。中枢性痛覚過敏(神経可塑性の狂乱)。痛みそのものが治療の対象。

昨日の診療より。

⑴ 腰の激痛「すべり症があり、それが神経に触っている。湿布とお薬でしばらく様子を見ましょう。」

このようなケースが2例あった。すべり症が痛みの原因になることは決してありません。様子を見ていてもすべり症が治るわけではないですね。

同様にヘルニアも脊柱管狭窄症も痛みやしびれの原因になることはないのです。

すべり症、ヘルニア、狭窄症などを信じて、慢性痛を語るのは矛盾しているのです。痛みそのものが治療の対象なんですから。

⑵ 5年前、シャツを脱ごうとした時、肩の電気が走った。以来痛みが取れない。最近はものを持つと上腕にまで痛みが走る。

多くの病院を受診したがいい結果が得られなかった。手術を進める医師もいた。

僧帽筋や肩周囲の圧痛のある部位(数カ所)に局所麻酔を数ミリccずつ局注した。物を持ってもらったが痛みが起きなかった。

「今まで物を持つと痛みが起きることを学習していたのです。これからは痛みが起きないことを学習すればいいのです。」

「間隔は?回数は?飲み薬は?」

「経過を見なければわかりませんが、一回で治っても不思議ではありません。とりあえず、経過を見て1週間後に。」

この治療がプラシーボなのか局所麻酔の薬理効果なのか、どちらでもいいです。保険治療として可能です。

私のHPを見て来院されたそうです。

安心感、期待感は治療に重要です。

⑶ 変形性股関節で人工関節にしたが、股関節痛と腰痛が続いていて難儀している。

「同窓会で先生のところで良くなったという人がいてきました。」

大腰筋の圧痛点に極々薄い局麻を1〜2cc注射しました。大腿神経が近くにあるので転倒に気をつけて。

「歩いてみてください」

「痛くありません」

「大腰筋は腰から股関節の真上を通っています。この筋肉が突っ張っていたのです。だから腰や股関節が痛かったのです。」

「麻酔が切れたらまた痛くなるのではないですか?」

「貴方の同窓生はよくなったといったのでしょ。部位は違うかもしれませんが同じ治療をしています。」

「遠方から来ていますので今後どうすればいいですか?」

「近くの方なら1週間後に診せてくださいですが・・・。とりあえず少しずつポールウォーキングをやってください。今後の治療戦略はお友達の意見も聞いて考えてみてください。」

プラシーボなのか鍼刺し効果なのかわかりません。

変形性関節症といっても変形しているから痛いのではないのです。手術する前にぜひ大腰筋など周囲の筋肉の治療をやるべきです。つまり五十肩と同じ理屈です。

不安定な股関節は筋緊張を招く可能性はあるので変形しているから痛いのだということもできますが。

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⑷ 腰から下肢にかけての痛み、中年女性

他院で硬膜外ブロックを何度か受けたが良くならない。当院でも何度か通院してトリガーポイント注射を受けたが改善しない。

眉間にシワを寄せて苦悶表情。

近々、同居の息子夫婦の子(孫)の世話をしなければならない。不安。

潜在的にしたくない、自信がない、不安、があるのでしょう。

「子供を持ち上げたりしてもいいですか?」

長年、痛みの治療をしていると表情をみればだいたい察しがつくものだ。

不安と抑うつは痛みと切り離せない。どちらも睡眠障害を伴うことが多い。夜間頻尿やドライマウス。

不安も抑うつも根っこは同じなんだろうが。

抑うつは萎れた花のような感じ。

不安は線香花火のような感じ。

完璧主義は不安だから。

治療は難しいことがあるが、話を聞く、安心させるぐらいか。手術病院へ流れるのを防いでやる(笑)。



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by junk_2004jp | 2018-06-03 03:13 | 慢性痛 | Comments(0)