心療整形外科

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2018年 07月 12日

高齢者の腰椎圧迫骨折と慢性の腰痛

3人の腰椎圧迫骨折後の慢性の腰痛の患者さんがいます。70歳後半〜80歳代、女性。

① 5年前転倒受傷、骨セメント注入手術を受けるも痛みが続く。靭帯の骨化が原因ではないかと手術を受けたが痛みは改善せず。現在は両方の下肢まで痛みが広がっていて歩行など、日常生活困難。

② 3ヶ月前の転倒。痛みが続いている。片側の下肢に痛みが広がっていて、歩行困難。

③ 半年前の転倒。腰に広く痛みがあり、寝起きなどの動作が困難。

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高齢者の腰椎圧迫骨折の治療

❶ 痛みの治療
❷ 骨折の治療
❸ 骨粗鬆症の治療

この3つがありますが、それぞれ別の問題と思ったらいいです。重要さは❶痛みの治療です。❷骨折の治療は無理をしない程度の安静でいいです。1ヶ月ぐらいコルセット。

骨折が治ったら痛みも治るという問題ではありません。

長期臥床はよくない。

❸骨粗鬆症の治療はできればすればいいでしょう。薬。

痛みの治療は当初より積極的に行うべきだと思います。痛みは慢性化するととても厄介です。痛みが下肢に広がることはよくあることです。トリガーポイント注射、アセトアミノフェンなど

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# by junk_2004jp | 2018-07-12 16:27 | 慢性痛 | Comments(3)
2018年 06月 25日

医師が痛みについてどの程度の知識があるかを知る

運動器の痛みの原因

長時間の固まった労働(草むしり、パソコン、理容師・美容師、運転手、調理師など)

繰り返される緊張した労働(包丁、ハサミ、マウス、レジ、流れ作業など)

高齢者の不慣れな労働、運動(雪かき、タイヤ交換など)

高齢者の過剰な運動(歩きすぎなど)

下り坂の歩行やランニング(伸張性収縮)

不意に起こる(立ち上がる時、ゴルフなど伸張性収縮)

不意の外力(むち打ち、転倒、打撲、捻挫など)

ストレスによる夜間の食いしばりや握りしめ、歯ぎしり

引っ越しや職場が変わるなどの環境変化、身近な人の死など(軽うつ)

旅行(長時間の座位、階段)

手術、無理な整体

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このようなことを聞き、どの部位に痛みがあるか触診して筋肉の緊張や圧痛を調べる。そのような医師は信頼できる。

レントゲン、MRIを見て診断する医師は信頼できない。だって、そのような変化は健常者にも同じ割合で存在することがわかっているし、生理学的にも痛みの原因にはならない。

画像は骨折やリウマチ、仮性痛風など特異的疾患を疑うときは有用。

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高齢者(70歳以上)の60〜70%に脊柱管狭窄が見られるというデータがある。脊柱管狭窄があっても痛いとは限らないわけだ。

脊柱管狭窄があっても痛みのなかった人が、半日がかりで草むしりをした。次の日より腰、太もものあたりに攣ったような痛みを感じた。湿布で様子をみていたがよくならない。

病院受診でレントゲンやMRIで「脊柱管狭窄症」と診断されるわけだ。これは日本全国、大学病院から中核病院、専門病院同じだと思う。

ここに問題がある。

私に言わせりゃ「誤診」だ。

脊柱管狭窄があるという事実がなぜそこの痛みを生じたのか、どうすれば解決するのか、説明できるのか。

「赤信号、みんなで渡れば怖くない」のような感じだ。

では、脊柱管狭窄症のない人は、半日がかりで草むしりをした。次の日より腰、太もものあたりに攣ったような痛みを感じた。

この場合は異常なしと診断されるわけだ。

どういうメカニズムで痛みが起きているのか全く知らないわけだ。

この場合は、長時間のしゃがみこんだ姿勢による腸腰筋の筋痛のことが多い。

患者は脊柱管狭窄症というレッテル張りをされ、いっそう治りにくくなる。おかねを使って悪くなる。

一般に「見立て」の正確は次のように思っているだろうが

MRIなど高度医療機器のそろった病院の専門医>>町の診療所の医師>>鍼灸師、カイロプラクター、整体師など

この分野だけはそうとは限らない。逆の場合が多い。

それはエピソードを聞いて触診をすることに時間をかけているかの違いだ。また筋痛の知識の有無にもよる。

構造異常が痛みの原因ではありえない。

痛みは電気現象なので構造異常が電気現象を起すことはない。

痛みの悪循環を説明できない。

慢性痛を説明できない。




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# by junk_2004jp | 2018-06-25 14:01 | Comments(7)
2018年 06月 23日

反面教師

左足のかかとを階段で強打しました。医師の診断で2週間は安静にと湿布などで患部を冷やし、足を使わないようにと言われました。
炎症がある状態ではMRIが撮影できないからという事で怪我から2週間待ちました。
事情があり、別な病院で2週間後MRIを撮影しましたが、アキレス腱近くに血腫が有る事が解りました。その為、現在ギブス をはめて、安静にするように言われている状態です。
痛み止め、炎症止めは、MRIを撮影する為に毎日2週間飲んでいました。この数日、ギブスと松葉杖の状態で動いてしまったことも関係するのでしょうが、痛み止めを使用しない状態で痛みがどのくらいなのか試して見ました。
現在痛み止めなしでは、痛みが出てきている状態です。以前見ていただいた右足はかなり酷い打撲でした。結局後を引きずる形になってしまったので、今回の怪我は治療を誤りたくないと思っています。
何より後に残らない治療を今心が けたいのですが、トリガーポイント注射が血腫がある状態で望ましいですか?先生ならどんな治療をしますか?お忙しいところ申し訳ありません。先生の見解をお尋ねしたいと思います。

私は打撲や捻挫、骨折の時でも痛い部位(強い圧痛のある部位)数カ所に30ゲージ針(極細)で局所麻酔(0.5%メピバカイン)をワンポイント1〜2cc注射します。もちろん了解を得てですが。

組織損傷に伴う炎症が起きると神経成長因子(NGF)が産生され末梢のポリモーダル受容器や脊髄後角が過敏となり、ますます痛みが強くなります。

痛みが強くなると痛みの悪循環が成立します。(脊髄反射による筋緊張や交感神経の緊張)

痛みの悪循環が続くと慢性痛になります。(中枢性、末梢性の痛覚過敏)

下行性疼痛抑制系の機能低下
時間的加算(次第に強くなる、部位も増える)
長期増強(痛みの記憶)

これを防ぐには局所麻酔の注射がとてもよい。数日間続ける。

それは、組織損傷の治癒にもいい影響がある。

医師は局所麻酔を一時の痛み止めとしか思っていないのだろうか。

組織損傷の治療にはある程度の安静が必要だが、ギプス固定のような強固な固定はいただけない。

ゆるい固定のほうがいいようだ。包帯固定程度。そのほうが組織損傷の治癒にいい。

MRIによる組織損傷の程度を見ることはあまり有効ではないと思う。組織損傷に対する恐怖が生じる。

私は中学生の孫の捻挫などにもそのように対応している。

質問者も局所麻酔注射でとても改善した。

高校生サッカー選手、半月板手術をしたが改善せず。圧痛点注射(トリガーポイント注射)で改善して試合に出ることができた。

半月板損傷が痛みの原因ではないのです。

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長友選手は半月板損傷があるとのことですがなにも問題ないですね。

中高年の健常者、膝痛者、ともに60%に半月板損傷がみられます。


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# by junk_2004jp | 2018-06-23 21:44 | Comments(0)
2018年 06月 21日

痛みの専門家はだれ?

整形外科医は痛みの専門家ではありません。

最も痛みと遠い存在なのかもしれません。形の修復を専門としているわけですから。

痛みはExperience(体験、経験)と定義されています。

整形外科医が痛みと関係があるとすれば、ケガの初期だけです。

慢性痛はケガが治った後の痛みですから整形外科医の出番ではないのです。

運動器に強い痛みを訴えて病院に来た場合、整形外科医、ペインクリニック医、心療内科医が必要です。

整形外科医は修復すべき損傷(ケガ)の有無を検査。骨折や腱の断裂などあっても早急にしなくてよい。

ペインクリニック医は痛みの原因を検査して早急に痛みを止めること。ここが一番大切。

心療内科医は心理・社会的な面の検査。

急性痛で強い痛みを訴える場合は以外と「心理・社会的」要素が強いものです。そういう痛みは不合理な痛みなので抑制が効かない。

ところが、なぜか整形外科医が運動器系の痛みの専門家に祭り上げられたのです。

40年前は金沢大にはペインクリニックはありませんでした。全国的にもそろそろでき始めたころでしょうか。

そのような経緯があって整形外科医が痛みを診始めたわけです。

痛みは繊細な考察が必要ですが、整形外科医になる人は体育会系という感じでミスマッチだったのかもしれない。


痛み系は独立した存在。

急性痛はこれにケガがつきます。

急性痛でも心理・社会的な問題の場合、ケガの存在はない。この痛みの方が激しい。
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ケガ

慢性痛はケガの要素が無くなったもの、つまり痛み系の故障。



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# by junk_2004jp | 2018-06-21 04:54 | Comments(4)
2018年 06月 20日

慢性疼痛の機序(日本ペインクリニック学会・第34会大会 リフレッシャーコース)

横田敏勝(滋賀医大・生理学第一講座)

急性痛を遷延させて慢性痛への移行を促進する因子の一つとして神経成長因子(NGF)が考えられている。NGFは炎症部位で産生され、侵害受容線維を直接過敏化する。また後根神経節に運ばれて細胞体の遺伝子発現を変化させる。脳由来神経栄養因子(BDNF)、カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)、P物質などの遺伝子の発現が上昇・・・・脊髄後角侵害受容ニューロンを過敏化

国際疼痛学会:

「慢性痛は治癒に要すると期待される時間の枠組みを超えて持続する痛み、あるいは進行性の非癌性疾患に関する痛みである。」

  • 痛みの持続時間は特に指定されていない。
  • 急性痛から移行する慢性痛と、組織損傷の徴候がない自発性慢性痛とがある。
  • 慢性痛を早期に診断して対応すること。
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臨床家は細かいことまで覚えることは必要ないと思うが以下は知っておくべきこと。

急性痛を放置すると、ミクロの世界で様々な生理学的現象が起きて、痛みに対して過敏になってくる。

早期に痛みを遮断することはとても重要なのだ。

痛みを我慢させてはいけない。

痛みの治療と構造の治療は別問題。痛みは早急に、構造はじっくりと。

「痛み止め」を嫌う風潮が我が国にあるが・・・慢性化を防ぐには最初の一手が重要。

ぎっくり腰などは組織損傷の徴候があるのかどうか?。伸張性収縮による筋の攣縮なのだろう。ミクロの世界では損傷があるのだろうと思う。その損傷は全くきにしないで良い程度。

急性痛移行型の慢性痛自発性慢性痛

この二種類の慢性痛を区別することは困難、エピソードから想像するしかない。

自発性慢性痛とはもともと最初から慢性痛だったということだろう。つまり、痛覚が過敏な状態を最初から呈していたのだ。(不安障害、発達障害、抑うつ状態、アダルトチルドレン)そして、明らかな外傷のエピソードがない場合。



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# by junk_2004jp | 2018-06-20 21:57 | 慢性痛 | Comments(0)
2018年 06月 19日

いつの間にか骨折

TVコマーシャルで「いつの間にか骨折」があります。

外力の加わり方が、ガツンかジワジワの違いです。

骨(椎体)が弱ければ骨折

骨(椎体)が強ければ椎間板ヘルニア

「いつの間にか骨折」と同じように「いつの間にかヘルニア」があります。

同じように「いつの間にか半月板損傷」「いつの間にか肩板損傷」「いつの間にか軟骨障害」「いつの間にか脊柱管狭窄症」があります。

中高年の健常者でもこれらはおおよそ、いろんな統計を見ますと60%に見られるということです。

地球上で立って60年生活するとこのような変化が起きてくるということです。

「いつの間にか」ですから痛くはないので放置してよいわけです。生理的な変化なのです。

脊柱管狭窄は骨棘形成などによりますから、いつの場合もいつの間にかです。

「いつの間にか骨折」の場合は骨粗鬆症がありますからその治療が必要なことがあります。

ある人が草むしりをしてから、雪かきをしてから、旅行にいってから、などで痛みが出た場合、

「いつの間にか⚪️⚪️」がある場合、MRIなどの検査をして、「⚪️⚪️がある」を指摘されるわけです。

なにもない場合「異常なし」と言われるわけです。

結局どちらにしても、痛みの真の原因を教えられることがなく、正しい治療はされません。

そして、大切な初期治療の機会を逃し、慢性化することになる。

「⚪️⚪️がある」を画像で見せられると普通の素人さんは治りにくくなるのは当然ですね。

医療はおかねをかけて治りにくくしているといえます。

緊張した筋肉に焦点をあてて治療してください。

そして、画像診断をする医師を信用しないようにしてください。

画像診断は骨折の有無、悪性腫瘍、感染症、リウマチ系、痛風系の鑑別に有用なことがあります。

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# by junk_2004jp | 2018-06-19 13:52 | Comments(0)
2018年 06月 17日

神経障害性疼痛

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2011年と古いが「神経障害性疼痛」に関しての有名な先生方の座談会がありましたので要点をまとめてみます。

千葉氏

痛みは侵害受容性疼痛、神経障害性疼痛、非器質性疼痛に分類される。

侵害受容性疼痛は生態防御反応としての痛み。

神経障害性疼痛は現在では「体性感覚系に生じる損傷や疾患の直接的な結果として引き起こされる疼痛」に再定義された。

山下氏

神経障害性疼痛には末梢性のものと中枢性のものがある。整形外科医、特に脊椎専門医がかかわるのは末梢性では神経根性疼痛、中枢性では脊髄性疼痛が主になる。

末梢性の神経障害性疼痛のメカニズムは神経細胞の異所性発火。

中枢性の神経障害性疼痛のメカニズムとしては脊髄後角の過敏化。下行性疼痛抑制系の機能低下。

慢性化してくると脱髄が起きる。

川上氏

神経障害性疼痛の臨床的特徴の最たるものは、適切な治療に反応せず痛みが慢性化すること。

神経障害性疼痛の臨床的特徴あるいは定義に関して留意すべきは、ペインクリニックで扱っている神経障害性疼痛と整形外科領域で扱っているものとが少し違っていることで、国際疼痛学会やペインクリニック領域では、慢性で異常感覚を伴ったものと定義されている。整形外科領域では、ヘルニアや狭窄に起因する可逆的な下肢痛、極端な場合は正座で足がしびれる痛みなどもneurogenic painであるわけで、私見としましては、臨床的に一筋縄ではいかない難治性の痛み、あるいは刺激依存性の誘発痛や発作性の痛みなどが神経障害性痛みと考えている。

加藤氏

下肢痛を伴う腰痛の場合、それがdermatomeに一致しているか、疼痛に誘発性があるか、どのように反応するのか、さらには姿勢、筋力、筋緊張などを丁寧にみていく。

紺野氏

腰痛をきたす代表的疾患である非特異的腰痛、腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症などは、病態的には神経が障害されて痛みがでてくることから、ある程度神経障害性疼痛の要素を含んでいます。しかし、ほとんどの腰椎椎間板ヘルニアは自然に改善しますし、脊柱管狭窄の神経根型も90%が自然治癒します。

一方、非特異的腰痛のほとんどは腰部に原因がありますが、慢性化してくると神経障害性疼痛の要素や慢性炎症も惹き起こされ、そこに心理社会的要因も加わって非常に複雑な病態を呈してくることもあります。

今後、治療に直結する診断法の確立、そして、さまざまな患者さんへのニーズに対応できるような幅広い治療法の確立が望まれる。

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私の意見

私は神経障害性疼痛は神経線維の実質的障害ああるもの(たとえば幻肢痛)と機能的障害=中枢性の痛覚過敏状態、と思う。

急性痛が神経成長因子(NGF)などの影響で遷延化して慢性痛になる。

神経障害性疼痛=慢性痛

整形とペインクリニック、国際疼痛学会と神経障害性疼痛の定義が違う? 統一しなくてはいけない。

70歳以上の健常者でも60%以上に脊柱管狭窄がある。90%が自然治癒する。

これで、どうして「脊柱管狭窄症」という診断になるのだろうか。不思議でならない。

対談では「筋筋膜性疼痛症候群」が全くでてこなかった。

近日の外来症例

症例1

12月タイヤ交換のためか腰、下肢痛。某病院受診、同月、椎間板ヘルニアの手術を受ける。改善なし、3月、同病院で脊柱管狭窄の手術を受ける。6月、善なく当院受診。

症例2

60歳代、男性、自動車関係の仕事。2年前より、腰下肢痛、脊柱管狭窄症の診断を得ている。雑誌「わかさ」を見て遠方より来院。3日間治療し、とても改善した。

腰、下肢の圧痛点多数に局麻剤を少量ずつ細い注射針で注射(トリガーポイント注射)した。小松市内の日本自動車博物館へ行く。同伴の奥様がびっくりするほどの健脚だった。趣味を生かした認知行動療法になったわけだ。トリガーポイント注射+認知行動療法

つまり、どちらも腰や下肢の筋痛症と思う。五十肩と同じこと。そう考えれば、異所性発火や脱髄など考えなくてもすむ。C線維は無髄線維。

レントゲンやMRIなど不必要。圧痛点を探せばよいだけだ。

慢性化しないうちに治療するのがよい。



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# by junk_2004jp | 2018-06-17 02:09 | 痛みの生理学 | Comments(1)
2018年 06月 16日

心因性?

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戸田克広氏より

[痛 みの定義] 国際疼痛学会   1986年


An unpleasant sensory and emotional experience associated with actual or potential tissue damage, or described in terms of such damage.


不快な感覚性・情動性の体験であり、それには組織損傷を伴うものと、そのような損傷があるように表現されるものがある。


①組織損傷を伴うもの:炎症性疼痛、侵害受容性疼痛、急性痛


②組織損傷があるように表現されるもの:神経障害性疼痛、慢性痛(心因性疼痛)


1990年に神経障害性疼痛を神経系の一時的損傷または機能異常に起因する疼痛と定義される。


現在では「体性感覚系に生じる損傷や疾患の直接的な結果として引き起こされる疼痛」と再定義される。


慢性痛は中枢性の痛覚過敏で痛みそのものが治療の対象となる。


慢性疼痛とは「治療に要すると期待されている時間の枠組みを超えて持続する痛み」と定義されている。(国際疼痛学会)


3ヶ月が目安となっている。


痛みの定義において、2種類の痛みがあると定義されている。

①「組織損傷を伴うもの」は問題がない。

②「組織損傷があるように表現されるもの」をどう表現するかである。

②a ①が遷延して②になった。

②b 組織損傷の兆候がない自発性の慢性痛。


現実的にこの二つを区別することは困難である。このあたりが心因性の有無の議論になっているのか。

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神経根ブロックが効いたのはそこが痛みの現場だったのではなく、痛覚神経の先端からきた痛みの電気信号がそこを通ったということ。


神経根ブロックが効かなかったということはそこを通らなかったということで心因性と決めるのはいかがなものか。


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他人のexperience(経験、体験)と定義されていることを画像で説明することはできないと思う。

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# by junk_2004jp | 2018-06-16 02:37 | 痛みの生理学 | Comments(0)
2018年 06月 15日

慢性痛の治療

慢性痛は中枢性の痛覚過敏です。痛みそのものが治療の対象です。

扁桃体優位から側坐核優位に。安心と期待。認知行動療法(可能な限り運動)、トリガーポイント注射、薬など。

「傾聴・共感・受容・支持・保証」

個人差があり、いつも短期間でうまくいくものではありませんが、今回は次のメールをいただきました。これを契機に改善の道をいかれますように。

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X月4日から7日、@に帰る当日の朝まで治療して頂いたAです。大変お世話になりました。治療を始めて3日目の朝より左腸骨の上の痛みが本当に楽になりました。ありがとうございました。
中学生の頃より腰痛と肩凝り首の痛みに悩まされ44年が経ってしまいました。腰痛にいたっては@地方で良いと言われる所は行き着くしたのではないかと思いますが痛みと決別することは出来ませんでした。
仙骨ブロック、硬膜外ブロック、神経根ブロックどのブロックも私には効きませんでした。そのうち、もともとの痛みと注射の苦痛から私は腰に触れられる事が恐怖にかわって行きました。
今から5年前痛みに耐えかね脊椎外科にて手術をしました。100%痛みは取れないかもしれないけど随分と楽になるはずだとの医師の言葉を信じての事でした。
しかし痛みから解放されることはなく手術前と何も変わらないのです。何度 検査をしても 手術をしたところは綺麗で異常はない! 
画像に異常が認められない患者には興味がないのだと思いました。何人ものドクターに診て頂きましたが全く痛みを理解してもらえない。
中には私の痛がるヵ所を笑いながら不思議だねぇと…病院に行けば行くほど絶望的になったのが忘れられません。
今回、思いきって加茂先生の治療を受けて本当に驚くと共に安心感を得る事が出来ました。
良くなるからねぇと言って下さったのは何人ものドクター、整体士、柔道整復師診てもらった中ただお一人、加茂先生だけです。
診察内容も心に触れて下さることに感激致しましたアダルトチルドレンなんてと診ることすらしないドクターも多いのに加茂先生の方から言って下さったことがなんとも言えない安心を感じることが出来ました。ありがとうございました。
帰宅後早々に「カウンターストレイン」をYouTubeで閲覧、同僚に電話をし加茂先生のご指導を興奮気味に話をしておりました。
私の住む地域にも加茂先生の様に心に寄り添って治療をして下さるドクターが誕生されることを又増えて行く事を切に願います。このたびは本当にありがとうございました。心より深く深く感謝致します。

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# by junk_2004jp | 2018-06-15 00:47 | 慢性痛 | Comments(0)
2018年 06月 14日

FaceBook に書いた最近の症例を転載。

症例1

定年退職後症候群:A氏は事務系の仕事を定年退職、警備の仕事についたが仕事をし始めると、右前胸部と背部に痛み、息苦しくなる。仕事を掃除に変わってみたが続いている。いろいろ薬をだしてもらっているがよくならない。胸や背部の圧痛点多数にチョンチョンとTPB。すぐに楽になり、呼吸が楽になった。

退職とは長年連れ添った仕事との離婚であり喪失感つよい。肋間筋などの攣縮で呼吸がしにくかった。とりあえずこれで様子をみることにした。

なぜ、そういう部位に痛みとして現れたのか?喉の場合は飲み込みにくいとか、エヘン虫とか。

同じようなことがお尻やふくらはぎに起こったら、脊柱管大魔王に捕まってはだめだよ。手術までいくんだから。手術後、「あーよかった」と退院して仕事につくと、あれっ?、またしくしく痛む。もう一つ上の神経根もと言われる。そしてせっかくの定年後人生がむちゃくちゃになってしまう。

症例2

整形お得意の「追い込み医猟」(笑)普段腰痛なし。数日前より出社するも腰痛のため帰宅が続く。某医ですべり症、様子をみてよくならないなら、ヘルニアの可能性ありでMRIといわれた。当院受診、圧痛点をチクチクと注射、深呼吸、クビ、肩を回す、2本杖を利用して立ち座りを数回。その場で治癒。心理・社会的問題を強く思わせる症例で、その説明をした。

症例3

手足のしびれ、MRIで頚ヘルニアあり。手術を勧められる。睡眠障害(早朝覚醒)で心療内科通院中。以前にも手のしびれで頚牽引で治癒の経験あり。


トレムナー、バビンスキ、クローヌス(病的反射なし)膝蓋腱反射正常。痙性歩行、巧緻運動障害なし。

「このような反射の検査を受けましたか」「いいえ、受けませんでした。」このような検査は脊髄マヒの有無を調べるため。それをしないで手術を進めるとは問題外。


この対応はまれなケースではありません。病歴などから、軽症うつ病に伴う手足のしびれだと思う。


頚のヘルニアは無症候性。(病的意味がない)手にしびれがあり足にしびれがない場合は「神経根症」なんちゃって。


MRIのない昔:牽引でお茶を濁していた整形外科医
MRIのある今:手術でお茶を濁す整形外科、脊椎外科医


いつの時代もお茶を濁す整形外科医。だからあんなにも手術件数が多いのだ。そしてそれに誇りをもっているのだから始末におえない。頚のヘルニアでもし症状が出るとすれば頚髄マヒ(頚部脊髄症)。気をつけて。


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# by junk_2004jp | 2018-06-14 02:07 | Comments(0)