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心療整形外科

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2019年 05月 04日

整形外科開業医が生き残るためには

医師しかできないこと(保険診療で)
  • 診断
  • 注射

整形外科医は本来、骨折や靭帯・腱などの断裂の修復が本業です。それだけでは生活できないので本業でない「筋骨格系の痛み」に手を出しているのです。

私の行っている痛みの治療法が一般的になることが整形外科開業医の生き残る道だと思います。それは多くの人が幸せな人生を送ることにつながると確信します。

安価、手技は簡単、副作用極めて少ない、治療に対する恐怖少ない。

レントゲンやMRIは骨折を疑うとき、結晶沈着性疼痛(偽痛風)を疑うとき以外は不必要です。

圧痛点への局所麻酔の注射、慢性痛には薬の選択も、代替治療の選択も。

次のようなメールをいただきました。治療するものは勇気付けられます。

① 以前、合気道の指導者である方に加茂整形外科を紹介し、ご夫婦で小松まで飛行機ですぐ行かれたのですが、あれからずいぷんたちますが、その方は元気で76歳ですが海外へも教えに行かれてます。昨日その先生の奥さまから、小松の治療が元気になるきっかけになったと聞きました。歩くのも大変だったその先生は、注射のあと、すたすた歩けるようになったそうです。またやはり合気道の若い知り合いも加茂先生の一回の治療で治って合気道ができるようになり、活躍してます。家族の方に、いまだに感謝されます。

② 私は平成29年にB市に居住しておりました。加茂整形外科病院が比較的近い小松市に所在していたことから、自身の腰痛と膝痛の治療でお世話になりました。この治療により痛みが沈静化したことで、93歳の実母の足の痺れの治療を行おうと平成29年10月にA県の実家から呼び4日間の治療を行いました。治療後は痛みが減少しましたが、現在では痛みが戻り手押車で歩行しております。現在、私はAの実家に戻り実母と同居しており、何とか加茂先生と同様な治療を受けさせたく、誠に勝手ではありますが、A県近郊で同様な治療を実施している先生がおりましたらご紹介していただけないでしょうか。

③ 2007年に左下肢痛治療でお世話になったB市Cのです。現在は全く痛みを感じず健康に過ごしており、先生のおかげと感謝しております。さて、本日メールさせていただいたのは今年87歳になった私の父の件です。・・・・・・・



by junk_2004jp | 2019-05-04 10:17 | Comments(0)
2019年 04月 30日

外傷などの早期に局所麻酔注射を!

「痛み止めの注射」と表現されることが多いが、「注射しなくても我慢できる。」「注射するほど痛くない。」「治療ではなく、一時しのぎ。」などと誤解されるかもしれない。

しかし、外傷などに対して局所麻酔を注射することはとても重要な治療だ

私は30Gの細い針で0.5%メピバカインを使っている。3〜5mlでいい。

安全、手技は簡単、治療の恐怖とか痛みは強くはない、痛みはすぐになくなり、組織損傷の治療にも効果がある。治療時間短い。安い。

私は中学生の孫にもしている。

プロやオリンピックレベルの選手もケガに際してすればいい。

足関節の捻挫3例

  • Aさんは当院で治療した経験あり。昨日、足首を捻挫、腫張あり、跛行。強い圧痛の3箇所に注射。弾力包帯で軽く固定。すぐに楽になり、跛行も治る。その後来院なし。
  • Bさんは2週間前に足首を捻挫、腫れと痛みが続いている。注射でよくなる。その後来院なし。
  • Cさんは2ヶ月前に足首を捻挫、スクワットが痛くてしにくい。注射ですぐにできるようになる。1週間後に再診。9割がた治ったとのこと。

追突されて腰痛

  • Aさんは午前中、追突され、午後から、腰が張った感じがして痛くなってきた。「注射をしますよ」というとAさんは展開が想像してたことと違ったのか「?」という感じだった。強い圧痛の部位2箇所に1〜2ml注射した。すごく楽になったと喜んで帰られた。その後、来院なし。
  • Bさんは追突されて腰痛、頚痛。注射を進めたがどうしても「いや」ということで、電気を当てたり、マッサージをしたり、薬を飲んだりしている。2ヶ月ほど経つが一進一退。条件が同じでないので比較できないが・・・

痛みは時間との競争という感じがあり、早い治療ほど効果があるように思う。

五十肩、膝痛、腰痛、肘痛など慢性痛を作らないのに局所麻酔は大いに貢献するだろう。医師、とくに新鮮な症例を診る開業医はそのテクニックを勉強すべきだ。

水泳の選手でターンの時、膝が痛い、ということで膝の治療を続けていたが改善しない。内側広筋の圧痛点数カ所に注射をしたら、すぐに屈伸で痛みがなくなった。

50代、女性、3ヶ月前、肩痛、レントゲン、CTで異常なし。医者は治療よりも検査で収益を確保しているのか。といっても、設備費に消えるのだが。3ヶ月前、当院にきておれば。




by junk_2004jp | 2019-04-30 04:05 | Comments(0)
2019年 04月 27日

日本はなぜ痛みの治療に遅れをとったのか

1980年代中頃に痛みの生理学のビッグバンがあった。痛みが定義され、慢性痛のしくみも分かってきた。

その10年後、1997年にオーストラリアでマルチメディア・キャンペーン「腰痛に屈するな」が行われ成功。

同じ頃、スコットランドでもキャンペーンが行なわれた。「腰痛の考え方を変えてその影響を軽減」

2012年、遅まきながら米国でもChoosing Wisely(賢い選択)というキャンペーンが始まった。


日本でも近年、立て続けに慢性痛の薬剤が保険適応となり、慢性痛に関する関心が高まってきた。慢性痛に関する立法が行なわれつつあると聞く。なにしろ2300万人の痛みの人がいるのだから。

なぜ日本は遅れをとったのか

医師側の問題

  • 科学ではなく、先輩医からの言い伝えを重視。1980年代中頃以前の医学。「御意」体質。
  • 私のようなものは異端児ということになる。
  • 痛みの教育はほとんどされない。
  • 臨床でも基礎でも「痛み」は研究しにくいテーマ。
  • 医師という職業は資格なので社会的に淘汰されにくい。
  • 「脊椎専門」「関節専門」と細分化され、関連性に気がつかない。

患者側の問題

  • 日本人は綺麗好き、時間厳守、ワザや道を極めるという傾向が強い。ということは神経質(不安傾向)→検査好き。こだわり。このことは医師にも言える。
  • 少々の痛みは我慢すべきと思う傾向(痛み止めを嫌う)

保険診療の問題

  • MRIは1日に10人使わないと採算が合わないと聞く。
  • 比較的安価で検査を受けられる。
  • 多くの患者を診て、カルテに記載して、診断書その他の書類を書くということは大変な労働。
  • 検査をして手術をしてリハビリをしないと病院経営ができない。

私はなぜ早くからこの痛みのカラクリに気づいたのか

  • 私の最初の指導医はヘルニアの手術をする人だった。次の指導医は全くしない人だった。手術をしても良くならない患者がいた。なぜだかわからなかったがいい加減なものだと思った。MRIのない時代だった。
  • 硬膜外注射をするより、圧痛点に局所麻酔を打つほうが確実に効くことを経験で知っていた。
  • 心療内科医・中井吉英先生の著書に出会い、よく勉強させてもらった。
  • 20世紀末、心療内科学会に入った。
  • そのころ新聞広告で「腰痛は怒りである」(長谷川淳史、著)を見てこれは正しいと思った。
  • 2000年にインターネットがきた。
  • 2001年から、HPを作りはじめた。インターネットのおかげで知識が膨らんでいった。
  • 2007年の全く知らない人(戸沢洋二氏)が私のHPを参考にして自分の腰痛を治した体験談を本にした。「腰痛は脳の勘違いだった」
  • それがきっかけとなって2009年に「トリガーポイントブロックで腰痛は治る!」を書くことになった。この題は出版社の社長が付けたもの。

今後

  • 慢性化する前に局所麻酔を使用して治療することはとても大切なことだと思う。安全、手技は簡単、副作用極めて少ない、ほとんど恐怖を感じない。慢性化させないことだ。
  • 心身医学は医師の常識となるべき。
  • 慢性化した患者にも患者と二人三脚で努力すべきだ。代替医療も含めて。




by junk_2004jp | 2019-04-27 03:13 | Comments(2)
2019年 03月 23日

痛み難民(こういう患者さん多いですよ)

40歳女性

2年前に頸椎ヘルニアになり、リハビリと投薬と安静で一か月半をかけて左腕の激痛は無くなりましたが、仕事復帰直前に背部痛が発生しました。夜、背中の重みで眠れなくなり、睡眠導入剤を使用し、仕事復帰しました。

それでも背中の痛みは悪化し、現在は8種類(胃薬、便秘薬含む)の薬を、使用していますが、それでも辛い毎日です。ヘルニア復帰後には、腰椎椎間板症(2か所)が見つかりました。内科にて、他の検査も行いましたが、背部痛に対する異常は見つかりませんでした。大学病院でMRIで背部を検査しましたが異常無しでした。今通っている整形外科では背中を一度も触ってくれたことは無く、ただただ投薬のために通っている状態です。

痛みのためか、過呼吸になることがたまにあります。マッサージをしてもらうと腕や足がしびれることがあります。夜は疲労のため21時や22時には就寝してしまい、朝6時や7時に起床する際には起き上がるのに一苦労ですし、休日も疲労が取れません。背骨の右側が痛いだけだったのが、今は背骨自体も痛いし、腰も痛いし、右側の肩こりもひどいです。最近は左側も痛くなってきました。生きていることがもう疲れている状態です。ヘルニアで仕事を長期休んでしまったことのストレスは想像以上でした。

治したいけど、お金と時間をかけて検査をしても異常が見つからず病名をもらえない日々に傷心していましたが、やはり気になり、インターネットで調べていくと、筋膜性疼痛や繊維筋痛症にたどり着き、あと1回だけ、頑張ってみようかと思いメールをさせて頂きました。

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ヘルニアがあれば診断できる(椎間板ヘルニア)。椎間板が少し狭くなっていれば診断できる(椎間板症)。何もなければ診断できない。

ヘルニアや椎間板の変性はよく見られる変化でそれが痛みの原因ではありません。

結局のところ、日本の多くの医師は痛みの診断治療はできないのです。

こういう医師にかぎって筋筋膜性疼痛症候群や線維筋痛症を認めないものです。




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先日、当院でも頚椎ヘルニアと大学病院で診断を受けている若い女性を診ました。

触診と問診ですぐに診断できました。

右の斜角筋の筋筋膜性疼痛症候群です。


痛みの部位は特徴的ですのですぐに診断できます。実際に斜角筋には強い圧痛がありました。

圧痛点数カ所に30ゲージ針でトリガーポイント注射をしました。

2回目の受診のとき「楽になった!」と喜んでいました。

頚椎ヘルニアは無症候性でたまたま見つかったということで、今の症状の原因ではありません。放置でいいです。

頚椎ヘルニアが脊髄を圧迫すると脊髄麻痺が生じることがあります。「頚椎ヘルニアによる脊髄麻痺=頚部脊髄症」という診断です。痙性歩行、手指の巧緻運動障害、腱反射亢進、病的反射などで問診、視診でその疑いが推理できます。軽い脊髄麻痺があると二次的に筋肉に痛みを伴うことがあります。

「頚にヘルニアがあると脊髄麻痺になる可能性を心配しなければいけない」、このような心配はいりません。

相撲部屋に入門、ラグビー部に入部などの時、頚のMRIが必要という話はないですね。

日本脊椎脊髄病学会と整形外科学会のホームページより。新しい生理学に基づいて書かれていない。










by junk_2004jp | 2019-03-23 16:59 | Comments(2)
2019年 03月 17日

出演TV(3)及び関わった症例(2)

新しい痛みの医学

椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、すべり症、関節軟骨のすり減り、半月板や椎間板や肩板の損傷が慢性の痛みの原因になることはありません。これらの変化は健常人でもよく見られる変化です。レントゲンやMRIでこれらを指摘されることは百害あって一利なしです。慢性の痛みは「痛みの悪循環」が繰り返された結果で「中枢性感作」(脳が痛みに過敏になる)が起きた状態です。慢性の痛みの治療は除痛と運動、認知の変更です。治療は個人差が大きいです。心理・社会的なこと(環境や立場)が痛みに影響を及ぼし、また元来の性格的特徴(頑張り屋、完璧主義、不安傾向など)が痛みに関係しているからです。




歩けないほどの腰の痛みから解放してくれた整形外科医へ
感謝の手紙(テレビ東京、13年4月11日)


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膝痛
その原因Xにあり(フジTV、17年3月24日)


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膝痛
予約殺到!すご腕専門外来(TBS、16年11月15日)


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まゆみさんの腰痛の治療に関わりました
健康カプセル元気の時間(CBC、18年11月18日)

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太田七重さんの腰痛は当院でしました。
トリガーポイント注射+認知行動療法+薬(サインバルタ)
みんなの家庭の医学(ABC、16年8月16日)

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by junk_2004jp | 2019-03-17 18:51 | Comments(0)
2019年 03月 14日

脊柱管狭窄症、椎間板ヘルニア、すべり症、変形性関節症などが痛みの原因だと言って慢性痛の概念を説くことは矛盾している

慢性痛の定義:治癒に要すると期待される時間の枠組みを超えて持続する痛み、あるいは進行する非癌性疾患に関する痛みである。

慢性痛とは「痛覚認知システムが過敏になったもの」(感作)

火災報知器が故障して、お湯を沸かしただけなのに鳴るようなもの。

痛みそのものが治療の対象。

痛みの悪循環で3ヶ月以上持続すると慢性痛になるといわれる。

不安障害など、もともと脳に病的状態があればもっと短期間で慢性痛になる。

権威ある立場の医師は自説をなかなか変更できないだろう。今後の対応はいかに。

脊柱管狭窄症や椎間板ヘルニアの痛みは異所性発火(神経線維の途中から、ポリモーダル受容器以外から)だと言っている有名教授がいる。

痛みは時間との勝負なんだ。早く除痛すれば早く治る。

「脊柱管狭窄症で痛い」のをどうして早く治すことができるのか?

「軟骨が減っていて痛い」のをどうして早く治すことができるのか?

昨日のブログで書いたように医者は筋筋膜性疼痛症候群(もっともありふれた疼痛)を知らない。ということは慢性痛という概念もよく理解できてないと思われる。




by junk_2004jp | 2019-03-14 18:57 | Comments(0)
2019年 03月 13日

医師は筋痛症(MPS)を知らないため正しい診断に至らない

疼痛学序説ー痛みの意味を考えるー Patrick Wall 著 横田敏勝 訳

筋筋膜痛症候群

線維筋肉痛症候群と異なり、筋筋膜痛症候群(myofascial pain syndrome)の痛みは1つの領域に限局している。圧迫が痛みを生じる圧痛点(トリガー点)がある。このときの痛みは、遠隔部に拡がり、患者が訴えていた痛みに似ている。

トリガー点の下に、ピーンと張った筋肉の帯を触れる。この帯にある筋肉を伸展したり、この帯に局所麻酔を注入したり、針を刺したりすると、痛みは緩和する。1930年代、初期の痛みの専門家のある人たちが、筋肉や靱帯の中に少量の高濃度食塩水を注射して、自分たち自身にこの病態に似た状態を再現した。痛みが注射部位から遠隔部に拡がり、丸1日間持続するのを感じた。患者はトリガー点やピーンと張った帯のある筋肉を動かせないかもしれない。あるいは、その筋肉を動かせば痛みが誘発される。筋筋膜痛症候群のトリガー点は、鞭打ち症のような脊椎損傷部位に現れるかもしれない。多数の研究者がトリガー点の領域から採取した生体組織を調べたが、異常は発見されなかった。ピーンと張った帯は収縮している筋肉によって作られるが、この収縮は痙撃するほど強くない。一部の人たちの痛みは、2ヵ月間続き、後遺症を残さずに消失する。対照と比較した研究はなされていないが、回復は局所の圧痛点の治療と、運動によって加速される。痛みが6ヵ月間あるいはそれ以上続くと、予後がだんだん悪くなる。圧痛点の局所治療は一時的緩和を生じるが、圧痛は戻ってくる。

これらの病態では、問題と原因が圧痛点になければならないと,患者たちが確信している。圧痛点にそれを納得させるような異常が見当たらないので、本書でもう馴染みになったサイクルが始まる。

多くの医師たちは、局所性の原因がない局所性の痛みはありえないと思い込んでいる。したがって、局所性の原因を証明できないので病気は存在しないと結論する。これは、赤ん坊から沐浴水を独断的に放ることと同じである。この病態については、検討に値する筋の通った仮説がある。たとえば、脊髄内の少数の運動ニューロンの興奮によって、興奮性が高まった領域にピーンと張った帯が生じる。そして、この領域が感覚を生じるというものである。註1)実際には、原因がないこの痛みは、医師たちがそれを観察したことを認めているのに、英国では正しい病名で診断されていない註2)。

1)訳者は、筋繊維の微小損傷と考えている。  2)わが国では数年前、トリガー点への局所麻酔薬注射の保険適用が認められた。

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症例 (このような症例はめずらしいことではなく、毎日たくさん診ています。)

60才代のAさんは東京在住、事務系のサラリーマン。電車で通勤。

4〜5年前より、両下肢痛で歩行困難。都内の有名大学や脊椎病院を数カ所受診。

椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、黄色靭帯骨化症などの診断を受けた。手術を勧められた。

私のHPなどを見て、今年の1月に2日間診察治療に来られた。

私はMRIもレントゲンも見る必要がなく、両下肢にできた、数カ所の圧痛点(痛覚が過敏になったポイント)に0.5%のメピバカイン(局所麻酔)を1mlぐらいずつ注射した。

トラムセットを朝夕1錠ずつ処方した。

本日、久しぶりに受診された。すっかりよくなったとのことで笑顔だった。

このような慢性痛は筋筋膜性疼痛症候群でしかありえないのです。

東京は電車通勤のことが多く、地方の人よりもよく歩かなければならない。

サルコペニア(老化による筋肉の量質の劣化)により筋肉の能力を超えた使用により痛みが生じたのだ。

黄色靭帯骨化や脊柱管狭窄、椎間板ヘルニアで痛みやしびれることは決してない。

ジャイアンツの越智投手が黄色靭帯骨化症で手術をしたのだろうか?いつのまにか名前を聞かなくなった。




by junk_2004jp | 2019-03-13 18:35 | Comments(0)
2019年 03月 12日

痛みの生理学の発展と臨床の変化

「痛み」が定義されたのが1986年です。

An unpleasant sensory and emotional experience associated with actual or potential tissue damage, or described in terms of such damage.

不快な感覚性・情動性の体験であり、それには組織損傷を伴うものと、そのような損傷があるように表現されるものがある。

それ以前は「痛み」の定義はなく、痛みの生理学も極めて貧しいものだったのです。

臨床医学では、古くからの言い伝えで次のように信じられていたのです。

「神経根が圧迫されるとその神経の支配領域に痛みや痺れが生じる」

「椎間板や関節軟骨、半月板などが老化変性すると痛みが生じる」

1980年代中頃(35年ほど前)痛みの生理学は爆発的な発展があり詳しく分かってきました。

その10年ほどあとに(25年ほど前)、マルチメディア・キャンペーンがオーストラリア・ビクトリア州とスコットランドで行われました。


私の家にインターネットが来たのは2000年です。2001年にホームページを作りました。

ポリモーダル侵害受容器、痛みの悪循環、中枢性感作、生物・心理・社会的症候群、筋筋膜性疼痛症候群などのキーワードは当時、ネットで検索したり、書物で調べたりできました。

そのころはまだこのような情報は一般的ではなかったのです。ネットも今ほど発達していませんでした。

現在、整形外科の部長や教授になっている人の年齢を50才ぐらいとすると30才前後のことです。ヘルニアの手術など勉強されて今日の地位を築かれたのです。

それを根本から否定されるのは辛いことでしょう。不運だった。

私の世代は団塊(71才)はもはや第一線を退いた人が多いのではないでしょうか。逃げ切り世代。

次の世代に期待。

最近になって日本もようやく「慢性痛」という概念が語られるようになりました。

慢性痛とは中枢性感作が生じている痛みです。

日本の痛み医療は20年遅れていると言われるのはこのような歴史があるからです。

私は幸運にもかなり早くから、古い考えは矛盾が多いことに気づいていました。

手術をしてもよくならない人がいる。
手術をしなくてもよくなる人がいる。
硬膜外ブロックよりも圧痛点ブロックをしたほうが確実に効く。
痛みは心理的な要素がかなり強い
軟骨が減っていても痛くない人がいる。

現在の保険病名、診療報酬、労災や交通事故の補償など、まだ古い痛みの概念を引きずっています。



by junk_2004jp | 2019-03-12 01:51 | Comments(0)
2019年 03月 09日

医師の再教育、病名の統一

筋骨格系の痛みに関しての医療は、現状はとてもまずい。

医師数が増えて、MRIが増えると、当然医療費が増えて、それに伴い恩恵を受ける人が増えればいいのだが。

現状ではかえってマイナスに作用している。

医師の再教育は絶対必要だ。特に、整形外科専門医、脊椎外科専門医。

医学生には徹底的に教える。これにより、医療費の削減と慢性痛に悩む人は減るのではないか。

そんなに難しいことではないので、家庭医でも十分活躍できる。

柔道整復師、鍼灸師、理学療法士などとチームプレーが可能だ。

大学病院などに勤務していると慢性化したものばかりなのでかえって理解できないのではないか。おまけに、腰専門、膝専門など細分化されていることもあるので関連性まで思いつかない。

とにかく慢性化する前が勝負だ。

「脊柱管、ヘルニアが神経を押さえているので痛いのだ。」
「軟骨がすり減っているので痛いのだ。」
「すべり症がある。」
「椎間板、半月板が・・・」

このようなことがあたかも痛みの原因のように説明される。

これは生理学的に正しくない。また引導を渡すようなことになり悪影響となる。

とりあえず、下記の項目を1時間ずつぐらい勉強してみる。

痛みの生理学は1985年ごろ爆発的な発展があった。今から35年ほど前だ。オーストラリアやスコットランドで臨床に応用され始めたのはその10年ほど後になる。

日本では遅まきながらそろそろその波がきている。

① 痛みの生理学

痛みはどうして起きるのか

痛みがどうして慢性化したり広がったりするのか。

② 痛みの心理学(心身医学)

③ 筋筋膜性疼痛症候群

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病名

現状では病名はバラバラで情報の共有ができない。

椎間板症、椎間板ヘルニア、坐骨神経痛、梨状筋症候群、仙腸関節障害、変形性関節症、肩関節周囲炎、捻挫・・・

こんなの皆同じメカニズムで起きているのだから統一したほうがいい。

皮膚科の病名はどこにできたとしても、「湿疹、真菌症、ヘルペス」。これと同じでどこが痛くても同じメカニズムだ。

リウマチ系、痛風系、感染症、悪性腫瘍は除外する。

五十肩と坐骨神経痛、変形性関節症は同じメカニズムだということを知っている医師は少ないことと思う。

労災、交通事故、身体障害、など書類が多い診療科だが、病名がバラバラなので情報の共有が困難。

「腰部、臀部、左下肢の筋筋膜性疼痛症候群」「左肩関節周辺の筋筋膜性疼痛症候群」

注釈:慢性痛、不安障害、など

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⚫️ 2年前より左下肢痛で歩行困難。大学病院など多くの病院を受診。あらゆる検査を受けたが、わからない。クビからきているのではないかと言われている。

外側広筋にできた数カ所の圧痛点に30G針で局麻を注射、総量5mlぐらい。

すぐに著名改善、付き添いの二人、患者、びっくり、笑顔。

レントゲンもMRIも何もいらない。知識だけでよい。

経過を聞いただけでMPS(筋筋膜性疼痛症候群)しか考えられない。

ただ、そこに至った、心理状態(不安障害とか、定年退職直後の喪失感とか)までは一回の診察ではわからない。

感作の程度、心身医学は今後の経過をみながら。

⚫️ ぎっくり腰で病院にいく。レントゲンを撮り「骨に異常ありません」湿布と薬をもらったが一向によくならない。こんなことだから、医者はバカにされている。

多くのぎっくり腰はその場で解決できる。腸腰筋、脊柱起立筋などの攣りだ。レントゲンは必要ない。

⚫️ 同じ病院で4回腰の手術をした女性、いまだに頑固な腰痛、下肢痛に苦しんでいる。クビや腰の頻回の手術で線維筋痛症(あるいは類似状態)の人を何人も診ている。

痛みのメカニズム、心身医学の知識が0だから手術をしている。かわいそうなことだ。

医師がアスペルガーかサイコパスの可能性がある。医師はこういうことで淘汰されない職業だ。共感欠如、強いこだわり。

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線維筋痛症は筋筋膜性疼痛症候群の延長線上の病態。ボヤ〜大火の関係。ボヤのうちに消火すること。

急性痛、慢性痛に対する治療法はいろいろある。得意な方法で。安全で安上がりで繰り返してできるほうがよい。

急性痛の場合は組織損傷が伴っていることがある。組織損傷の治療と痛みの治療は別々のことと考えたほうがよい。痛みの治療は時間的要素があるのでとても重要。



by junk_2004jp | 2019-03-09 04:53 | Comments(0)
2019年 03月 07日

Choosing Wisely(チュージング・ワイズリー、賢明な選択)


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以下、「おとなの週刊現代より
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医療経済ジャーナリスト 室井一辰氏

チュージング・ワイズリー

2012年から、米国内科専門医認定機構財団が米国の医学会を巻き込んで始めた全米キャンペーン

特徴は医師たちが自ら必要でない医療を特定している。

なかでも「やるべきでない手術」としてまず挙げられるのが腰痛だ。手術をした結果、むしろ症状が悪化することもままある。

「チュージング・ワイズリーでは、腰痛への医療行為は慎重にすべきだというのが共通認識になっています。実際に手術をしても痛みが治らず、結局、歩けない、座っていても辛いということになるケースもあります。脊柱管狭窄症と椎間板ヘルニアの手術がその代表です。」


そもそも腰痛は手術をしたところであまり効果が期待できないと語るのは加茂整形外科医院院長の加茂淳氏だ。

「神経が圧迫を受けているために痛みやしびれが生じる」という考え方自体が間違っています。現代医学では、そのような慢性の痛みは、中枢性の痛覚過敏だと言われています。

痛覚過敏はたとえるなら、火災報知器の故障のようなもの。火災報知器が過敏になってしまって、タバコに火を点けただけで火災報知器が鳴ってしまう。痛覚がそのような状態になったときに、慢性痛が起こる。

「痛いからと、整形外科にいくと、レントゲンやMRIを撮られてしまいます。60代、70代の高齢者がMRIを撮れば、健康な人でも、60〜70%は脊柱管が狭くなっていますし、同程度の人がヘルニアだと言われています。それで無駄な手術を受けさせられ、症状が悪化してしまうのです。」

さらに恐ろしいのは予後がよくないために手術を重ねることだ。「2回以上手術を受けた人は全身に激しい痛みが生じる繊維筋痛症の症状が出ることがあります。手術をすればするほど痛覚が過敏になり、痛みの範囲が広がっていくことがあるのです。」


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このことは患者さんにとっては、心身的、経済的、時間的に大きな負担になっています。

医師からすれば、プライドの問題があります。どちらの言っているのがより正しいのか。

限られた医療費のパイの分配に不公平を感じています。厚労省は生理学的に考えられない治療や検査は保険から外すこと。


by junk_2004jp | 2019-03-07 22:01 | Comments(0)