心療整形外科

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カテゴリ:慢性痛( 525 )


2018年 04月 20日

急性期慢性痛 慢性期慢性痛

「急性期慢性痛、慢性期慢性痛」これは元関西医大・心療内科教授・中井吉英先生の説です。

先生から直にお聞きしたのですが、「急性期慢性痛とは最初から慢性痛のようなパターンをとる痛みのこと。」

つまり、もともと不安障害や抑うつ状態があったのか、その素質があってある出来事が引き金になって顕在化したのか。

「病的不安も抑うつ状態も同じ根っこで咲く花が違う」という説を読んだことがあります。

私の臨床経験では不安傾向の人のほうが抑うつよりも多いように思う。

初診で判断できることもあります。

発達障害は他人とちょっと違うことを意識しておこる不安。

アダルトチルドレンは酒乱の親、厳しい怖い親に育てられると、体にアンテナをいっぱい立てることになり、不安の人となる。

完璧主義=神経質=不安だから

仕事に対してならとてもいい影響、自分の体に向かうと辛い。

慢性痛は不安や抑うつと多いに関係がある。

不安や抑うつは痛みのブレーキ(疼痛抑制系)の故障、痛みの閾値の低下が起こる。

眠れない、トイレに何回も起きる、目や口が乾く、しびれ、耳鳴り、めまい感などを合併していることも少なくない。

慢性痛の治療は「傾聴・共感・受容・支持・保証」が基本です。

急性痛の治療はこれに組織損傷の治療が付いているだけです。

ところが現在の整形外科的診療はMRIなどで痛みの原因ではない構造的変化(軟骨や椎間板の変性、ヘルニアや脊柱管狭窄)をあたかも痛みの原因のように説明して不安を煽っていることになっています。

組織損傷の治療と痛みの治療は分けて考えるべきなのです。

中高年になれば多くの健常人にさえ肩板断裂(半月板、椎間板などの損傷)があるそうです。

動かさないことによって一層悪化します。

150km/hの速球を投げる必要はないのですから、肩板断裂は放置して痛みの治療に専念すればいいのです。

構造の治療=整形外科医
痛みの治療=ペインクリニック医
不安・抑うつの治療=心療内科医・精神科医
リハビリ治療=リハビリテーション医

ざっとこんなふうになりますが、家庭医は一人で全部こなせばいいのです。昔はそうしてたんですよ。

だんだん検査機器が発達してきて専門医が細分化されてくるとかえってややこしくなってきました。



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by junk_2004jp | 2018-04-20 00:29 | 慢性痛 | Comments(0)
2018年 04月 09日

「慢性疼痛治療ガイドライン」

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痛み治療のエビデンスというのは結局は聞き取り調査なので支持政党調査みたいなものだ。

痛みの説明にもよるだろうし、聞方にもよるだろう。

そういうもので「推奨度、エビデンス総体の総括」を行っている。

「痛み疾患」のガイドラインの性質上仕方ないかもしれないが・・・

第Ⅰ章 総論
第Ⅱ章 薬物療法
第Ⅲ章 インターベンショナル治療  (画像診断下という意味;加茂)
第Ⅳ章 心理的アプローチ
第Ⅴ章 リハビリテーション
第Ⅵ章 集学的治療

なぜ「手術的治療」に対する評価、推奨度、エビデンスの章がないのか?

抜け落ちているのはどうして?

「関節由来の痛み」「神経根症」いわゆる構造の損傷モデルの時に使われる言葉が依然として使われている。

「序文」や「第Ⅰ章 総論」は慢性痛について述べていていいと思うが、他は期待はずれ。

いろんな治療法をあげてそれに対して聞き取り調査をして推奨度を論じたところで・・。

牽引療法は

鍼療法は

マッサージは?

カイロは?

それらの組み合わせは?

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by junk_2004jp | 2018-04-09 19:09 | 慢性痛 | Comments(0)
2018年 03月 27日

ドクターガラパゴス

戸田克広氏のツイートより
学術集会で何度か線維筋痛症を発表したが、「そんなインチキな疾患は存在しない」といいう趣旨の質問(非難)を面と向かって私に行ったのは全員整形外科医であった。それも全員大学病院勤務の医師であった。他の診療科の医師は、少なくともそのようなことはしなかった。
痛みはexperience(体験、経験)と定義されている。形を修復する外科、整形外科からは痛みは最も縁遠い問題。痛みを整形外科医が診るということに問題がある。

つまり門外漢なのだが、専門医のようにしているところに問題がある。痛みと構造は分けて考える習慣を身につけるべきだ。

大学病院では、脊椎、肩、膝、股関節、手、足などそれぞれの専門医がいる場合があり全体的に診る習慣がない。

開業医のように自分で看板を背負っていない。

大学病院こそ新しい医学を勉強して我々を啓発すべきだ。

なぜ痛みが起きるのか、なぜ痛みが慢性化するのか、たずねてみたところで答えは間違っていることだろう。

そしてMRIで痛みやしびれを診断して無駄な手術をしている。

痛みは広がっていくことがあるので線維筋痛症は最も広がった状態なのだ。

その手術が広がっていくきっかけを作るかもしれない。

慢性痛=中枢性感作=可塑的変容=神経障害性疼痛

なぜ日本では「心因性疼痛」という概念が根強いのか考えてみよう。

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by junk_2004jp | 2018-03-27 13:15 | 慢性痛 | Comments(0)
2018年 03月 12日

全国各地から

雪がなくなり全国(北海道〜九州)から患者さんがいらっしゃいます。

ホテルから通院される方、入院される方、それぞれです。

遠方から時間とお金をかけていらっしゃるのですから、なるべく無駄な医療費をかけないでいい結果がでますようにと治療する方にもプレッシャーがかかります。

症例1:膝痛

「半月板が傷んでいるので手術が必要です。」と言われています。

整体師が私の出演したTVのビデオを見せてくれたのが来院のきっかけです。

内側広筋などの圧痛点(数カ所)をトリガーポイントブロックをするとすぐに痛みがほぼ消失しました。

原因と思われるのはハシゴの登り降りだと思われます。

半月板損傷が痛みの原因ではありません。

中年以降は痛みのない人でも60%に半月板損傷がみられます。

症例2:腰痛〜大腿部痛(両側)

「椎間板ヘルニアが2ヶ所にある。手術が必要。」と言われています。

仙骨ブロックなどを受けたがよくならない。

当院通院したことがある人から聞いて飛行機で来院する。

腸腰筋、臀筋、太もも筋、腰筋の圧痛点数カ所にトリガーポイントブロックをする。

すぐに痛みがほぼ軽減しました。

ヘルニアが痛みの原因ではありません。健常者でもごく普通にみられます。



いずれの症例も筋筋膜性疼痛症候群です。

痛みは悪循環して慢性化してしまうことがあります。

慢性化とは中枢性の痛覚過敏のことです。

神経可塑性、簡単にいうと脳が痛みを学習して過敏になるということです。

圧痛点は過敏になった点でそこと過敏になった脳とつながっています。

ではこのような治療をどれぐらいの間隔で何回続ければいいのか。薬剤は必要なのか。

この問題は個人差が大きくてすぐには答えがでません。

それはいい悪いの問題ではなく脳の可塑性には個人差があるということです。

認知行動療法(大丈夫だ。動こう!)は不可欠です。

半月板損傷、腱板損傷、椎間板損傷、軟骨損傷、椎間板ヘルニアなどが慢性痛の原因になることは決してありません。

すべり症、分離症、脊柱管狭窄が痛みの原因になることは決してありません。

現在の医学教育に問題があるのだろうと思います。

検査をして壊れているものが痛みの原因だ(損傷モデル)という説は世界的はすたれつつあります。

昭和時代のフェイク診断です。

日本はまだそれから脱却していません。

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by junk_2004jp | 2018-03-12 21:09 | 慢性痛 | Comments(0)
2018年 03月 04日

二つの慢性痛(=筋筋膜性疼痛症候群)

慢性痛=筋筋膜性疼痛症候群=生物(身体的)・心理・社会的疼痛症候群=炎症性疾患ではない。

リウマチは炎症性疼痛(=急性痛)が続いている、止まらない、管理できない。だからここでは慢性痛にはいれない。

慢性痛は痛みそのものが治療の目的。中枢性、末梢性の痛覚過敏。過敏になった火災報知器。

慢性痛は3ヶ月以上続く痛み。

ということは、急性痛も筋筋膜性疼痛症候群。

急性痛は「組織損傷を伴っている」こともある。

「組織損傷の治療」と「痛みの治療」はそれぞれ別の問題として考えるべきこと。最初から痛みの治療はとても重要。

急性痛(炎症性疼痛)と慢性痛(非炎症性疼痛)は混合していることはよくあること。お互いの交通している。

つぎに2例を紹介するが、いずれも脊柱管狭窄症と診断されていて手術を勧められていた。

脊柱管狭窄症はとてもマズイ診断でよく専門医によって行われている。

「神経が圧迫を受けるとその末梢に痛みやしびれが生じる」という生理学は存在しない。

中高年の60〜70%に脊柱管狭窄がみられるといわれている。無害な老化現象というべきだ。

❶ 「身体的>>心理社会的」という印象が強い。

3年前より腰痛。半年前、ヒールを履いて歩き回ってより痛み強くなり歩行困難。仰向き、うつ向きに寝ることができない。

体は左右に曲がっている。右側が凸。

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右の腸腰筋の突っ張りがつよい。

右の股関節の五十肩といってもよい。この方は五十肩でも大変苦労されたそうな。

約一ヶ月の治療(トリガーポイント注射+マッサージ+運動+薬)で仰向き、うつ向きになることができるようになる。歩行もだいぶできるようになる。体の曲がりはまだ残っているが、よく動いているうちに次第によくなるだろう。

脊柱管狭窄と何の関係もない。手術なんて考えなくてもよい。

❷「心理・社会的>>身体的」という印象がつよい。

2年前右足裏のしびれ、1年前両下腿のしびれ、腰痛。最近両手のしびれ。夜間頻尿。

脊柱管狭窄症と診断されて、手術が必要になるかもしれないといわれている。

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1週間の集中治療で腕のしびれと右足拇指のしびれは改善した。

寝る前にトリプタノール1錠。

脊柱管狭窄症と何の関係もありません。







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by junk_2004jp | 2018-03-04 13:41 | 慢性痛 | Comments(0)
2018年 02月 04日

慢性痛を減らす!

医師の再教育、国民の啓発。

保険病名の見直し。保険診療の見直し。

慢性痛=痛覚過敏状態=脳脊髄の可塑的変化

痛みは生存を脅かすので、不安、恐怖を伴う。

脳脊髄で可塑的変化が生じやすい。

不安、恐怖を医師が煽ってきた。

日本はMRI、レントゲンの人口あたりの台数は並外れて多い。

皆保険で自由にだれでも安価で医療機関にアクセスできる。

痛みの原因をしっかり調べてもらおうと思っている。

専門医でさえ痛みに対してしっかりとした勉強をしていなく間違った知識を持っていることが多い。


専門医がMRI、レントゲンで得られた情報をあたかも痛みの原因だとして説明する。

「ヘルニア」「脊柱管狭窄」「すべり症」「分離症」「半月板」「腱板」「軟骨」

これらは決して痛みの原因ではない。

健常人でもよくみられる変化だ。

患者は痛みの原因がわかった気にはなるが、それではどうしたらいいのかの説明がない。

諦めろというのか?

手術をしろというのか?

恐怖、不安は解消されることはない。

このような変化がない場合は「特に異常はありません」で痛みの原因についてが説明しないし、積極的な手当もしないことが多いときく。


「痛みの損傷モデルは失敗だった」はもう常識です。それに代わり「生物・心理・社会的モデル」、簡単にいうと「筋痛症モデル」です。




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by junk_2004jp | 2018-02-04 13:08 | 慢性痛 | Comments(0)
2017年 12月 27日

変形性股関節症の痛みは運動療法で良くなる?



❌ 軟骨が傷んでいるから痛いのだ。
軟骨や半月板には痛覚神経はありません。ポリモーダル受容器はありません。

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ポリモーダル侵害受容器は軟骨が減っていることや変形していることに反応しているものではありません。
関節の痛みのほとんどは周辺の筋肉の痛みです。
荷重関節は股関節、ひざ関節、足関節です。
股関節や足関節の変形性関節症は少ないのは、股関節では臼蓋で、足関節では内顆外顆及び靭帯で固められていて比較的安定しているから、筋肉の負担は少ない。
ひざ関節は上下の骨が乗っているだけなので安定させるには筋肉の働きが大きい。だから、ちょっと筋肉を傷めても不安定になり変形へと進む。
股関節で生来の臼蓋形成不全があると関節の安定には筋肉が相当緊張を強いられる。それが痛みの原因なのだ。腸腰筋、内転筋、筋膜張筋、臀筋など。
結局は五十肩の治療と同じことになる。
動かすことが重要だ。プールで負荷を少なくして動かすのもよいが、
ものにつかまって、下肢を振り子のように動かす。
寝てひざ下を台に乗せて踵を前後左右に動かす。
軟骨は負荷をかけることによって栄養を得ている。

肩関節は荷重がかかる関節ではない。
解剖学的にはほとんど脱臼したような状態で筋肉により吊るされている。
そのため筋は中年になると不具合がおきる。それが五十肩。
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中高年になると「いつのまにか肩板損傷」がみられることがあるが、特に治療の必要はないと思う。
肘関節は手指や手関節を動かす筋肉がついている。テニス肘は有名。もちろんこれはMPSだ。他の関節痛もこれと同じメカニズムなのだ。

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by junk_2004jp | 2017-12-27 13:29 | 慢性痛 | Comments(0)
2017年 12月 24日

腰痛への煽り:賢明な医療か、医療対象化か、あるいは病気の押し売りか?


特異的疾患としての腰痛悪性腫瘍(転移ガン)、感染症(脊椎カリエス)リウマチ・血清反応陰性脊椎関節症=①強直性脊椎炎②ライター症候群(反応性関節炎)③乾癬性関節炎④炎症性腸疾患に伴う関節炎・・・これらはリウマチ類似疾患として。HLA-B27陽性。日本人には極めて少ない。(脊椎関節炎、仙腸関節炎)。

これらを除外できれば、心配のいらない腰痛です。

すなわち、「筋筋膜性疼痛症候群(MPS)」=「生物・心理・社会的疼痛症候群」です。

圧迫骨折、横突起骨折は「骨折」+「筋筋膜性疼痛症候群」、それぞれに対して適切な治療を。

レントゲンやMRIによる画像検査は特異的疾患や骨折の検査には有意義ですが、それ以上のものではありません。

椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症が痛みやしびれの原因になることはありません。手術なんてもってのほかです。

腰痛のため、労働や日常生活に大きなハンデを持っている人、高齢者で痛みが続くと生命予後にも悪影響が考えられますから積極的に痛みの治療をしたらいいです。

MPSは基本的は安心な疾患ですから、自分で治療でもいいですし、理解している治療者にしてもらってもいいです。時間と費用、効果が問題ですね。

上記特異的疾患に合併しているMPSもあります。

慢性化は、中枢性(脳脊髄)の痛覚過敏症です。

========================

“腰痛を医療対象から外すべきだという、よくあるアドバイスには一理ある。これは医療に対する根本的な非難である”と、述べている。

言い換えれば、このアドバイスは、従来の医学的アプローチがしば腰痛を悪化させ医原性の問題を生み出したことを認めているのである。そして、一部の腰痛に対する医療を差し控えること、すなわち医療対象から外すことは、おそらく有益なやり方であると認めている。Hadler博士は2003年のJAMAの論説において、非特異的腰痛のある人々は、医師の忠告および治療による恩恵を受けなくとも、自力で対処することを考えるよう提言した(Hadler,2003を参照)。

博士の主張によれば、通常は、腰痛の評価と治療が患者の腰痛問題への対処を手助けする手掛りになることはない。それどころか、たいていは、病理学的異常を探すための見当違いの検査や、腰痛の因果関係に関するまだ証明されていない理論の押し付けに力が注がれる。患者は多くの場合、有効性の明らかでない治療を受けた挙句、自分には将来さらに問題を引き起こす可能性のある基礎疾患があるという感情を抱く結果になる。



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by junk_2004jp | 2017-12-24 14:07 | 慢性痛 | Comments(0)
2017年 12月 11日

医療者に慢性痛の概念がない


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この本は2006年初版だが未だに、というか前よりも増して、痛みの治療は混迷しているようだ。とくに脊柱管狭窄症という診断と治療は疑問だ。

首や腰の手術を繰り返して辛い状態の人はたくさんいる。慢性痛に対して手術をするのはいかがなものか。

以下にこの本より抜粋

===================

医師の処置が正しいのかどうかを論ずる前に、多くの医療者のなかに慢性痛や筋肉に関する概念がほとんどないというのは悲しい現実である。

痛みば急性痛と慢性痛とでは病変がまったく違うため、治療法もまったく別のものとなる。アセスメントやマネジメントのためには、急性痛と慢性痛の鑑別は絶対的に必要である。

これまでの痛み軽視の治療によって多くの慢性痛患者が生み出されてきたことは否定できない。

「痛み止めと湿布で様子をみましょう」、この不適切な処置を続けることは、ある意味、患者放置、医療放棄と言えよう。この放置期間中にも慢性痛は悪循環路線を進み、どんどんと悪化の一途をたどっていくこととなる。

そして、「治らない」と訴える患者に、最後の砦とでも言うべき(何でもかんでも)「心因性疾痛」の診断を下し、「どこも悪くないのだから、大丈夫」と“痛みが実際に存在する”患者に言い放ち、診療は(一方的に)終了する。

この患者は二度とその病院には来ないだろう。そして、ドクターショッピングを繰り返していく。これでは、いつまでたっても慢性痛患者は救われず、その数は増えていく一方である。

慢性痛に運動は何よりの薬であることがわかってきている。正しい認識をもっているだけで、慢性痛治療は大きく変わり得るのである。




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by junk_2004jp | 2017-12-11 19:20 | 慢性痛 | Comments(0)
2017年 12月 01日

痛みの訴訟に関する弁護士さんへ

痛みは被害者・加害者関係があることがあり、創傷が治っても痛みが続いたりその範囲が広がったりする。また痛みは画像や数値で表せない。そのため保険会社や弁護士からの問い合わせが多い。


痛みの診断と治療の現状

カルテ記載の病名は、痛みが定義されて痛みの生理学の爆発的発展をみる1980年中頃より前から、経験的、伝統的につけられていたものを依然として踏襲しているにすぎない。

これは大学病院などの教育的立場にある医療機関でさえそうなのだ。

同一疾患でも医師によりいろいろな病名になる。またその病名が生理学的に正しいとは限らない。

だからカルテに記載された病名だけで実際の病態を判断することはできない。
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〜〜〜〜〜〜

痛みの定義(国際疼痛学会1986年)

An unpleasant sensory and emotional experience associated with actual or potential tissue damage, or described in terms of such damage.

不快な感覚性・情動性の体験であり、それには組織損傷を伴うものと、そのような損傷があるように表現されるものがある。(熊澤孝朗氏訳)


① 組織損傷を伴う痛み:急性痛=侵害受容性疼痛=炎症性疼痛


② 組織損傷を伴っていない痛み:慢性痛=神経障害性疼痛=非炎症性疼痛=中枢性痛覚過敏(中枢性感作)=CRPStype1=生物・心理・社会的疼痛症候群


医師はその痛みは①なのか②なのかを診断すればよい。図のようにオーバーラップしていることがある。

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戸田克広氏より

世界的理論と日本的理論の違いは「心因性疼痛」の有無だが、心因性疼痛という言葉は使わないほうがいい。

痛みを伴う疾患で特異的病理を示すものとして「悪性腫瘍、感染症、リウマチ・リウマチ類似疾患、痛風・偽痛風」がある。まず、これらでないことを診断する(除外診断)。

リウマチは急性痛(炎症性疼痛)が続いている、止まらない。

組織損傷は3ヶ月もあれば治癒するので(治癒とは元どおりになるという意味ではない。断端が閉鎖。)3ヶ月以上続く痛みを慢性痛=神経障害性疼痛といっている。

これは痛みそのものが治療の対象となる。

⑴ 痛みはどうして起きるのか
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痛みの治療と組織損傷の治療は別の問題でそれぞれに対して治療すべきだが組織損傷は放置しても問題がないことが少なくない

⑵ 痛みはどうして慢性化し、広がるのか

痛みの悪循環
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不安、恐怖、怒りは痛みを強くする。


中枢性痛覚過敏(中枢性感作)

時間的・空間的加算(temporal and spacial summation of postsynaptic potential)
長期増強(long-term potentiation)
下行性疼痛抑制系の機能低下

不安障害、抑うつ状態、発達障害(二次的不安抑うつ)、アダルトチルドレンなどがあると痛みの閾値が低く当初より慢性痛のような経過をとることがある。
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さらには全身にまでも広がるというのも、可能性としては十分ありえることになります。

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痛みは燃えさかる前に抑えるべき

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*線維筋痛症に至った誘引は交通事故が6例、なんらかのストレスが10例、手術後3例、腰痛からが2例であった。10例は局所の筋筋膜性疼痛から発展して生じていた。

*関連疾患、原因疾患は、手術、事故後のRSD(CRPStype1)が4例、メンタル面が3例、脊椎関節炎が2例、脳脊髄液減少症が1例、C型肝炎が1例であった。

*線維筋痛症の身体的背景には、手術の既往(46.0%)、整形外科的疾患(33.3%)、交通事故の既往(23.8%)などを認めた。心理・社会的背景には、うつ状態(50.8%)、家庭の悩み(41.3%)などを認めた。

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by junk_2004jp | 2017-12-01 13:49 | 慢性痛 | Comments(0)