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心療整形外科

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カテゴリ:痛みの生理学( 333 )


2020年 07月 27日

変形性膝関節症の痛みは「筋筋膜性疼痛」(筋痛症)

昨日ドライブでラジオを聞いていたら「変形性膝関節症」について整形外科医が解説していた。

「軟骨がすり減っていて骨と骨とがぶつかって痛いのではない。骨や軟骨には痛覚神経はない。」

「軟骨の小片が関節粘膜を刺激して炎症が起きているから痛いのだ。」

だいたいこのような内容だった。

前半は正しいと思うが、後半はどうかな。私はそうは思わない。

すり減った軟骨の小片といえども、「わが身」なのだ。「わが身」がわが身に炎症を起こすことは通常では考えられない。

「わが身」を「異物」と認識して炎症を起こす病気は自己免疫疾患「リウマチ」なのだ。

数年にわたって痛みが続いている人がいるが、それは炎症性疾患ではない。

だから消炎鎮痛剤はあまり効果がない。

草むしりをしてから痛い、階段の昇降をしてから痛い、旅行から帰ってより痛い、などエピソードがある。遅発性筋痛のことが多い。

大腿広筋、大腿直筋、ハムストリング、腓腹筋などの筋筋膜性疼痛が痛みの本態だと思う。

同じことが肩でおこれば肩関節周囲炎(五十肩)、肘でおこれば上腕骨外側上顆炎(テニス肘)と言っている。

炎症でないのに「炎」がついている。

いずれも慢性化しやすいから、早期に局所麻酔の注射や鍼などマッサージ、指圧など、薬はアセトアミノフェンなどを使って除痛して動かすことだ。



by junk_2004jp | 2020-07-27 19:10 | 痛みの生理学
2020年 07月 20日

遅発性筋痛と伸張性収縮

筋痛はわかっているようでその本質的なことはわからない。それは動物実験ができないから。

伸張性収縮とは力を入れて筋肉を伸ばす、伸び切った状態で力を入れる。

このような痛みには消炎鎮痛剤は効果はあまり期待できない。

痛みのメカニズムについてはいくつかの仮説があるが、統一された学説となるには至っていない。

骨格筋は数千本の筋線維が束になり、この束を筋膜が包むように形成されるが、痛覚を伝える神経終末は筋膜には接合しているものの筋線維には接合していない。このため、伸張性収縮などによって筋肉が過負荷を受けた瞬間(筋線維がミクロレベルで損傷した瞬間)に痛みを感じることはない。よって筋肉痛の原因は、筋肉自体の損傷ではない。ただし、筋膜までも損傷するような疾患(一般的に「肉離れ」と称するもの)の場合は即痛みを伴う。

一般的な説明として多いのは、「運動で生じる『乳酸』の一部が筋肉中の毛細血管に長時間残存し、これが筋肉への酸素供給を阻害して鈍痛を引き起こす(肩こり等と同様の現象)」という仮説である。しかし、伸張性運動の場合に筋肉痛が発生しやすいこと、血液中の乳酸値が運動後比較的速やかに下がってしまうことなどとの矛盾が指摘されている[1]。

加齢による遅発性筋肉痛
金哲彦監修の著書「ランニング・スタート・ブック」では、上記回復過程において、血液が集まることによりうっ血が生じることが原因であるとして、加齢により筋肉痛の発生が遅くなることは、細胞分裂が衰えることにより回復に時間がかかるためとしている[2]。一方、加齢による筋肉痛のピークの遅れはないとする研究[3]も多く、タイミングの差により「歳を取った」と卑屈になる必要はない。つまり、この手の話題は、気象に関する話題と同様、比較的毒の無い挨拶のようなものとも考えられる。

私は日曜日は妻とゴルフをすることが多い。妻は私と同年齢。私は痛くならないが妻は翌日ごろから膝が痛いということがある。

伸張性収縮(下り坂の歩行など)による遅発性筋痛だ。加齢による筋質の劣化(サルコペニア)も関係している。

内側広筋、外側広筋、大腿二頭筋、腓腹筋、膝窩筋などにできた圧痛にTPBをする。

このような処置を1~2回すると治る。そしてまたゴルフにいけるわけだ。

鍼、マッサージ、指圧などいろんな方法がある。

薬(アセトアミノフェン)が効くかもしれない。

筋痛は慢性化しやすい。早く対処して動かすことだ。

病院にいくとレントゲンを撮り、軟骨の状態の話になる。72歳だからある程度の変化はあるだろう。

ヒアルロン酸注射が行われる。

安静にするように言われるかもしれない。

それでよくならなければMRIが行われ、半月板が傷んでいるということになる。

筋痛が続くと内反変形、屈曲変形になり、アライメントが悪くなり、軟骨変性が進むと考えられる。

医師は筋痛という観点をもち、早く除痛するように。ほとんどの筋骨格系の痛みは筋痛なのだ。



by junk_2004jp | 2020-07-20 07:48 | 痛みの生理学
2020年 05月 28日

神経障害性疼痛に適応「リリカ」



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この図は脊髄後角で、上が末梢神経、下が中枢(脊髄)。
隙間があり神経伝達物質(グルタミン酸)が放出されることにより
痛みの電気信号が中枢側に伝わる。リリカはCaの流入チャネルを防いでその結果グルタミン酸の放出を少なくする。

私はMR(医薬情報担当者)に尋ねた。「その電気信号はどこで作られたの?」

へたに答えるといろんなことに矛盾が生じるのだ。

もちろんポリモーダル侵害受容器で作られたのだ。

ポリモーダル侵害受容器以外で作られることを「異所性発火」という。

幻肢痛が代表的。ポリモーダルに似た神経鞘腫が新たに作られるのか、発芽により混線が起きるのか。

異所性発火は神経が切られるとか挫滅を受けたときに起きる。めったにみることはない。手術(除圧)をしてどうにかなるものではない。

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多くの医師はこの図のように考えている。

神経障害性疼痛とは物理的に神経が障害されていて、その部分から痛みの電気現象が起きているのだと錯覚しているのだろう。

高齢者の6~7割の人に脊柱管狭窄やヘルニアがみられるといわれている。もちろん健常者もたくさんいる。

痛みの生理学を無視した議論は全くいただけない。

適切な除痛のチャンスを失う。不必要な検査をする。間違った情報は悪影響を与える。



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下の図のごとくどのような痛みもいろいろな要素を含んでいるのだ。特に慢性化した痛みは。
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by junk_2004jp | 2020-05-28 02:26 | 痛みの生理学
2020年 05月 15日

痛み医療の失敗


専門家が必ずしも理解していないことがビデオでよくわかる。

日本の痛みの医療は20年遅れているといわれている。

痛みの専門家といえば、ペインクリニック医、準専門家は脊椎脊髄医、整形外科医というところだ。

皆保険、アクセス自由、MRI,CT、レントゲンたくさん。

なぜ20年も遅れたのか?2300万人の慢性痛の人がいるそうだ。

×神経が圧迫されていて痛みやしびれが起きている。次のような病名。

      椎間板ヘルニア
      脊柱管狭窄症
      頚椎症性神経根症
      後縦靭帯骨化症
      黄色靭帯骨化症

×関節軟骨がすり減っている、半月板が傷んでいる。;変形性関節症、関節内障

×椎間板がつぶれている(椎間板症)、すべり症、分離症

痛みという変数が構造(常数)で表せるはずがない。

痛みは電気現象なのでエネルギーなのだ。構造がエネルギーを持っているはずがない。

ポリモーダル侵害受容器が構造に反応しているはずがない。




by junk_2004jp | 2020-05-15 18:54 | 痛みの生理学
2020年 04月 26日

「痛み」の勉強、お医者さん任せにはできない


[痛 みの定義] 国際疼痛学会   1986年

An unpleasant sensory and emotional experience associated with actual or potential tissue damage, or described in terms of such damage.

不快な感覚性・情動性の体験であり、それには組織損傷を伴うものと、そのような損傷があるように表現されるものがある。

___________________________________

痛みの生理学が爆発的発展をしたのが約35年前です。私が研修医のころは痛みに関しては暗黒だったのです。

×「神経が圧迫されていて、痛い、しびれる。」
×「軟骨がすり減っているので痛む。」「老化したものは痛む」

などという思われていたのです。説得力のある科学的根拠があるわけではありません。

この伝統的な間違った考えが今も続いているのです。

マルチメディアキャンペーン

     「腰痛に屈するな」1997 オーストラリア、ビクトリア州
     「Working Backs Scotland」1999 スコットランド
     「Choosing Wisely」2012 アメリカ

__________________________

痛みは体験(experience)と定義されています。患者さんが「痛い」と体験されていることを治療するには、分類して理解しなければなりません。

① 組織損傷を伴う痛み
② 組織損傷を伴わない痛み

① 警告としての痛み
② 警告の意味がない痛み

① 炎症性痛み
② 非炎症性痛み

① 侵害受容性疼痛
② 神経障害性疼痛

① 急性痛
② 慢性痛

いろんな表現がありますが①同士、②同士は同じものととらえていいと思います。

そのほか
③ 混合性疼痛 (①と②の性質の混合したもの)
④ 癌性疼痛

___________________

筋骨格系の痛みの診断と治療

1.炎症性の痛み:リウマチ系、痛風系(偽痛風)、感染症
2.癌性疼痛

まず、これらを除外します。(除外診断:画像、血液検査)

これらがあったとしても、それに非炎症性の痛みが合併していることもある。

便宜上、「癌、感染症、リウマチ、痛風」を痛みの特異的疾患とします。

その意味は病理学上、特徴的な変化がみられるということです。

それ以外は非特異的疾患です。

長年リウマチであっても炎症性疼痛(急性痛)が続いているのだ。

そのほか、画像診断は修復すべき明らかな損傷(骨折など)の有無を調べることがあります。

「組織損傷の治療」と「痛みの治療」は別問題と考えるべきです。

組織損傷が治れば痛みも治るという保証はありません。

優先順は痛みの治療です。

組織損傷の治療は必要があればいつでもできますが、痛みの治療は脳に痛みが入力され続けるので時間の戦いです。

筋骨格系の非特異的疼痛

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筋性痛(myofascial pain)

    伸張性収縮:力を入れながら筋を伸ばす。
    遅発性筋痛:数日後に痛みが出現。

これらのことはよく見られるが、そのメカニズムはよくわかっていないということだ。

先日の症例:2年前、ジムでシャドウボクシングのような運動をしてから肘痛が続いている。いくつかの病院でテニス肘のようなものだということで、シップをもらうがよくならない。

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痛みは痛覚神経線維C線維の先端についている「ポリモーダル侵害受容器」で上記物質を電気信号に変えることによって生じる。
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脱分極を繰り返して脳に伝えられる。
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痛みは、その痛みが原因で次の痛みが生じます。
痛みの悪循環
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繰り返して脳に痛みの電気信号が入力されることによって、脳はますます痛みに過敏になります。:慢性痛

痛みの強さや個人差がありますが、概ね3か月ぐらいで慢性痛になります。

だから早く痛みを止めるべきなのです。

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先取鎮痛:全麻で手術するときでさえ切開部分に局所麻酔をして脳に痛みが伝達しないようにする。

慢性痛

   警告としての意味がない痛み
   痛みそのものが治療の対象
   *急性痛が悪循環をして慢性痛になったものと、
   *最初から慢性痛の様相を呈するものがある。
   痛みは悪循環して広がることがある。線維筋痛症。
   ミラーペイン(反対側に痛みが出現)
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機能MRIの発展により慢性痛の本態が明らかになってきました。

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慢性痛は偏桃体が作用しています。

痛みは神経質にします。神経質が痛みを強くします。

不安気質は痛みを長引かせる。

不安障害(アダルトチルドレン、発達障害、いじめ、ハラスメント、恐怖体験)
完全主義、こだわり。

医師の説明の仕方も影響が大きい。不安を煽るような説明、科学的でない説明はすべきではない。

慢性痛はストレスと大いに関係があります。

睡眠障害、夜間頻尿を合併していることが多い。

夜間のくいしばり、歯ぎしり、手のにぎりしめで頚やあごが痛い。顎関節症、寝違え、手指のしびれ。

しびれは筋緊張によるうっ血状態と思う。鉄棒ぶらさがり。

ストレスは筋緊張と痛覚過敏を招く。

慢性痛=筋痛と考えてよい。

中枢性にも末梢性にも痛覚過敏になった状態:末梢性、中枢性感作

痛みは外力によって生じる。

    大きな一過性の外力、いわゆるケガ

    小さな繰り返される外力、スポーツ、仕事、固まった姿勢

構造破綻も外力によって生じる

    いつのまにか骨折、いつのまにかヘルニア、いつの間にか軟骨障害
    いつのまにか椎間板障害、いつのまにか半月板障害、いつのまにか腱板障害

中高年になると痛みのない人でもこれらの変化が半数以上にみられる。重力のもとに50年以上生活するとしかたのないことだ。

ケガ(大きな外力)によっても構造破綻は生じるが必ずしも積極的な治療が必要ではない。痛みの治療と構造の治療は別問題で、痛くなければ放置でよいことが多い。肩鎖関節脱臼など

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          高校生のころバスケで靭帯損傷、うまく治らなかったが痛みはない。

慢性痛の治療

   認知行動療法、心理療法
   鍼、トリガーポイント注射
   マッサージ 
   薬(トラムセット、ワントラム、トラマール、アセトアミノフェン、リリカ、タリージェ、ノイロトロピン、ノルスパンテープ、サインバルタ、リボトリールなど)

   薬の種類、量、組み合わせは個人差があります。
    
   今のところ絶対的な治療法はありませんが、主治医と共に最善の方法を見つけ、根気よく治療をすればきっとよくなります。
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「心因性疼痛」死語になりつつあります。
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医師がよく使う間違った表現

×「神経が圧迫されていて、痛い、やしびれる。」

神経根症、椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、根性坐骨神経痛、

上殿皮神経障害(上殿皮神経が筋膜を貫くところで絞扼されて痛みが生じる)
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神経が絞扼(しめつけられる)されると痛覚が過敏になるのではなく、麻痺します。

図でわかるように、体中いたるところで神経は筋膜を貫いています。いたるところの痛みは**神経障害ということになりますね。

痛みは時により変化しますのでこの説は間違いです。

ギプスの圧迫で腓骨神経麻痺がこきますが、痛みはなく知覚鈍麻・脱失です。

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リリカのコマーシャルで使われるこの図は間違っています。神経が刀で切られて生じる痛みはCRPSタイプ2で幻肢痛など難治性疼痛です。
×「軟骨がすり減っているので痛む。」「老化したものは痛む」

ポリモーダル侵害受容器は軟骨の変化に反応していません。

歩容異常→筋痛→筋短縮→0脚変形→軟骨変性


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by junk_2004jp | 2020-04-26 12:21 | 痛みの生理学
2020年 04月 10日

痛みは死そのものよりも恐ろしい暴君である



シュバイツァー博士の言葉:「痛みは死そのものよりも恐ろしい暴君である」

これまでの医学は痛みに対して、無知識、無頓着でした。

レントゲンやMRIで調べるとその原因がわかると思っていました。これは現在でも続いています。もはや医師も患者も洗脳されたかのようです。

そのため2300万の慢性痛をもった人がいるといわれています。

そろそろその流れも変化を見せています。次は日本医師会雑誌の4月号です。

特集:痛みの診断と治療最前線

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雑誌を詳しくは見ていませんが、筋筋膜性疼痛について触れていないようです。

痛みという測れないもの、写せないものを科学するのですから、難しいものです。

筋筋膜性疼痛が理解できないと、慢性痛(痛みそのものが治療の対象)が理解できません。

筋筋膜性疼痛が理解できないと、痛みが広がることや悪循環することや慢性化することが理解できません。

筋筋膜性疼痛が理解できないと、パンデミックに広がった線維筋痛症が理解できません。

筋筋膜性疼痛が理解できないと、心理・社会的影響のよる痛みを理解できません。

筋筋膜性疼痛が理解できないと、外傷と痛みについて理解できません。

筋筋膜性疼痛、筋痛症のことですが、分かっているようで分からないことも多いのです。

遅発性筋痛:運動会などの数日後に痛み

伸張性収縮:筋を伸ばしながら力を入れる筋に痛みがでる。下り坂のランニングなど。

この筋痛が慢性痛のほとんどを占めているのです。「不安」が大敵です。レントゲンやMRIは骨折や悪性腫瘍、リウマチ系、痛風系の除外の意味で痛みの積極的診断ではありません。

慢性痛を防ぐには早期に積極的に除痛し、不安を与えない、動かすことです。


2009年 私の著書
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by junk_2004jp | 2020-04-10 13:20 | 痛みの生理学
2020年 04月 01日

痛みの予防/防止のファクトシート





by junk_2004jp | 2020-04-01 17:38 | 痛みの生理学
2020年 01月 22日

2種類の痛み

痛みの定義

不快な感覚性・情動性の体験であり、それには組織損傷を伴うものと、そのような損傷があるように表現されるものがある。

A:組織損傷を伴うもの=侵害受容性疼痛=炎症性疼痛=急性痛

ステロイド、鎮痛消炎剤(NSAID)

B:損傷があるように表現されるもの=神経障害性疼痛=慢性痛=心理・社会的疼痛症候群

トラマール、サインバルタ、ノルスパンテープ、リリカ、ノイロトロピン
アセトアミノフェン等

=============

ぎっくり腰(腸腰筋の伸張性収縮のことが多い。外来ですぐに改善することが多い)、寝違い(ストレス?)は筋肉の攣縮と思われる。明らかな組織損傷はなく、炎症でもないのでBに属すると思われる。

伸張性収縮:力を入れながら筋肉を伸ばす動きで危険を伴う

遅発性筋痛:むち打ちなどで少し時間が経ってから痛みが出てくる。

筋肉のこのような性質の真の原因はよく分かっていないということだ。

筋痛は慢性化しやすい。

心理的社会的要素が強いほど痛みが強いように思われる(精神科的病名:身体表現性障害の中の疼痛性障害)。疼痛行動。

慢性痛の定義

治癒に要すると期待される時間の枠組みを超えて持続する痛み、あるいは進行性の非癌性疾患に関する痛みである。

神経障害性疼痛の定義

体性感覚神経系の病変や疾患によって引き起こされる疼痛

椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症などを神経障害性疼痛という人もいるが私はそう思わない。痛みの悪循環により痛覚が過敏になった状態。痛みの認知システムが過敏になった痛み。




by junk_2004jp | 2020-01-22 13:58 | 痛みの生理学
2019年 12月 22日

痛みの治療


痛みの定義

不快な感覚性・情動性の体験であり、それには組織損傷を伴うものと、そのような損傷があるように表現されるものがある

組織損傷を伴うもの:急性痛=炎症性疼痛

リウマチ系、痛風系
感染症
痛み+ケガ(ケガの治療と痛みの治療は別問題、痛みは時間の要素があるので早急、確実に)

そのような損傷があるように表現されるもの:慢性痛=神経障害性疼痛

中枢性感作=神経可塑(痛覚系がゆがむ)
3ヶ月以上続く痛み(3ヶ月もすればどのようなケガも断端が閉鎖する)

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このイメージは間違い


帯状疱疹、幻肢痛などを除いて

痛みを感じると脊髄反射で筋肉が攣る→痛い→攣る(悪循環)

「筋痛症だ」と説明するのは患者さんの理解を考えてのこと。

もっとも進んだ神経障害性疼痛は「線維筋痛症」。

「ヘルニアや脊柱管狭窄が神経を押さえて痛い。」「軟骨がすり減って痛い。」は間違いです。

多くの慢性痛(2300万人)はケガが原因です。

ケガといっても筋肉の能力を超えた運動や労働のことが多い。

ストレスによるくいしばりや握りしめなど固まった姿勢。ストレスがあると脳の可塑的変化が起きやすいのかも。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

⭕️先日、私の孫(中1)が部活で足を捻挫、かなり痛いといっている。レントゲンで骨折なし。圧痛点数カ所に0.5%メピバカインを合計4cc注射する。痛み軽減、組織損傷の治癒にも好影響あり。[ケガ]

⭕️今日、妻(私と同年齢)とゴルフにいく。夜、左膝が痛くなり、立ち座り困難となる。内側広筋、腓腹筋などの圧痛点に合計4ccの0.5%メピバカインを注射して動かす。すぐに改善した。運動会の次の日の筋痛、遅発性筋痛だ。筋肉の能力を超えたのだろう。高齢者は回復が遅くなるかもしれない。

病院へいくと、レントゲンを撮り「軟骨が少し傷んでいる。むりはできませんよ。」と言われるかもしれない。[むりな運動、過労]

いずれの症例も中枢性感作が起きる前の手当だ。

「湿布だけで治るか?」もちろん治るかもしれないが、改善しないかもしれない。予測困難。

家族ならこうするということ。(妻は保険診療はできない。外孫は保険診療可。)




by junk_2004jp | 2019-12-22 19:48 | 痛みの生理学
2019年 12月 10日

痛み治療は特殊

メールをいただきました。

こんにちは。お元気ですか?YouTubeでドラマを見てましら、こんなセリフが出てきました。偶然見つけちゃいましたw。
医者の重要な仕事の一つに痛みを取り除くこと。その為に医者は勉強しあらゆる手段を講じる。しかし患者の痛みを正確に理解できる医者は、この世に一人もいない。痛みはその人でなければ、決してわからないものだから。”


1・除外診断(悪性腫瘍、感染症、リウマチ系、痛風系)
2・積極的診断(痛みの強弱の現れ方)
3・治療的診断

「共感と保障」がキーワード


山田先生のドクターズルール10(40年以上前)

⑸ 他のことをしながら患者の話を聴いてはならない。患者が話している最中に病室から出てはならない。患者は常に自分のことに100%関心を持って欲しいと願っている。患者は病気の治療に来るとともに安心を求めに来る。病院は安心を売る商売である

⑷ 態度、言葉は医師の有する最も重要な手段である。その重要性を認識して賢明な使い方が出来るようになりなさい。医師は役者でなければならない。相手、場合によって態度、言葉を変更する必要がある。

⑺ 痛みはいかなる時も速かに止めること。医療では完壁よりも急を尊ぶ場合が多い。

つまり、共感して保障しなさいということ。痛みの生理学が発展して定義される約5年前のことだ。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

余談

ドクターヘリのような救急救命の仕事は、同じ医師でも全く違う。共感する必要はない。役者である必要もない。

どちらかというと体育会系の感じだ。50歳になるとできないだろう。




by junk_2004jp | 2019-12-10 03:50 | 痛みの生理学