心療整形外科

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カテゴリ:MPS( 203 )


2019年 03月 19日

筋筋膜性疼痛症候群の治療


悪性腫瘍、感染症、リウマチ系、痛風系を除いて、筋骨格系の痛み、しびれは筋筋膜性疼痛症候群(myofascial pain syndrome,MPS)だ。

変形性関節症、椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、腰椎すべり症、坐骨神経痛、寝違い、ぎっくり腰、肩関節周囲炎(五十肩)、テニス肘、胸郭出口症候群、頚椎症、手根管症候群など部位によりいろんな病名があるが、メカニズムは同じ。

原因は外力(重力)。転倒(打撲、捻挫、骨折)と繰り返される動作、固まった姿勢。

ビデオのように筋短縮が起きると必ずしも痛みを感じるものではない。

前へ突き出た首や肩、伸びない腰、挙がらない腕、伸びない膝、O脚。

体重増加、サルコペニア(筋質、量の低下)→膝周囲の筋に負担→筋短縮→O脚変形→軟骨磨耗

膝周囲の筋肉に負担がかかると痛みを伴う(MPS)。

軟骨が減っているから痛いのではない。

「椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄が神経を圧迫して痛い、しびれる」このような生理学はない。

構造の治療と痛みの治療は別問題だ。

痛みの治療は早いほどいい。

痛みは広がる可能性がある。

痛みの悪循環が始まり繰り返し脳に痛みが入力されると感作が生じる(慢性痛)。

火事と似ていて、風向き、湿度、建物の乾燥度、など、環境、ストレス、不安傾向などが痛みの強さ、広がりに影響。

痛みの治療は急性痛と慢性痛は異なる。

急性痛は組織損傷を伴っている場合があるが、痛みの治療が優先されるべき。

私は局所麻酔を好んで使っているが、いろんな方法がある。安くて、安全な方法がよい。

「痛み止め」ではなく「痛みを治す」

慢性痛の治療のポイントは動くことだと思う。いろんな方法で除痛をして動くこと。

私は局所麻酔を圧痛点に注射をしているが、鍼、指圧、マッサージ、薬などいろんな方法がある。

安くて、安全で簡単なこと。

触診をしない医師に診てもらうな。

画像を見せて脅かす医師に診てもらうな。

法外な治療費にきをつけて。MPSはcommon disease(ありふれた病気、病気とも言えない)、だれでも治せるもの。

慢性痛の人は痛みが広範囲のことが多いものだ。

たとえば、両膝、腰、肩とか。

膝、肩、腰とも裏表(腰は腸腰筋)を触診しなくてはいけない。

かなり手間がかかるものだ。私は触診で十分だと思う。エコーを使うメリットはないと思っている。一人の患者に30分以上時間をかけられるのなら、そういう技もありかと思うが、しまいにはやらなくなってしまうのでは。また料金もそれなりに高く設定されるだろう。

たくさんの患者さんを診る臨床医にはできないことだ。

レントゲンやMRIは骨折や石灰沈着を疑ったとき以外は意味がないことが多い。




by junk_2004jp | 2019-03-19 04:34 | MPS | Comments(0)
2019年 03月 17日

ほとんどの医者は筋筋膜性疼痛症候群を知らない

先日このことについてお話しました。

だから触診をしないのです。MRIやレントゲンの画像ばかりを見ているのです。

これは教育の問題だと思います。全国に蔓延する悪しき伝統なんです。

筋筋膜性疼痛症候群(myofascial pain syndrome=MPS)簡単に言えば筋痛症です。

最もありふれた運動器系の痛みの病名です。痛みを伴う疾患でリウマチ系、痛風系、感染症、悪性腫瘍を除いたもの。これらに合併していることもある。

「筋肉の痛みなんか放っておけば治る、医者の出番ではない。」と思っているのかもしれません。

MPSを知らない弊害

  • 線維筋痛症が理解できない。筋筋膜性疼痛症候群の延長線上に線維筋痛症があります。
  • 「軟骨が減っているから痛い」「脊柱管狭窄、椎間板ヘルニアが神経を圧迫しているから痛い」では「痛みの悪循環」は説明できません。
  • 「生物・心理・社会的疼痛症候群」の説明困難。
  • 「慢性痛」を説明できない。「治癒に要すると期待される時間の枠組みを超えて持続する痛み」(約3ヶ月)軟骨や脊柱管狭窄が治ることはないですね。
  • 「痛みが広がる事がある」MPS以外では説明できない。
  • 「中枢性感作」「神経障害性疼痛」の説明困難。
  • 発達障害、アダルトチルドレンなどの二次的不安障害、抑うつ状態が影響していることが説明しにくい。
  • 早く痛みを止めることが重要なのだが、機を逸する。

レントゲン、MRIがない、変形性関節症、脊柱管狭窄症という言葉がない時代のほうがよかったのではないだろうか。医療化してしまったわけだ。

しなくてもよい検査をして、間違った説明を聞いて、しなくてもよい手術をして、いつまでも痛い痛いじゃ、ナサケナイ話です。



by junk_2004jp | 2019-03-17 01:03 | MPS | Comments(0)
2019年 01月 18日

手根管症候群は手術をする必要はありません

手根管症候群は正中神経の圧迫ではなくて筋筋膜性疼痛症候群です。(斜角筋や前腕の筋肉のMPS)





4-1 http://www.round-earth.com/HeadPainIntro.html

肩甲筋の緊張は頭痛の原因になったり、手根管症候群や胸郭出口症候群といわれている痛みを呈することがある。いわゆる手根管症候群の場合は半ダースはあると思われる原因のなかで、手根管をどうこうするのは最後にしなさい。手術をする前にぜひチェックを!・・・・


by junk_2004jp | 2019-01-18 02:17 | MPS | Comments(3)
2018年 10月 21日

まだまだわからないことがある「筋肉の痛み」


「今年の冬、雪かきをしてからか、肘が痛い」といって10月に来院する人がいる。

追突や正面衝突で全身の痛みになった人、現在2人診ている。

一回の腰椎固定術を受けて線維筋痛症になった人、診ている。術者に対して、恨み骨髄。

大学の神経内科からの紹介で診ているのだが、むち打ち後、辛い頚痛になった人。

頚や腰に複数回手術を受けて線維筋痛症になった人何人も診てきた。

寝ぼけて椅子から転げ落ち頚が曲がってしまった人。

治らない人、続出なのに、脊椎手術をし続ける病院。医師になんらかの・・

稀勢の里関、横綱でなければ・・・。

同じケガが自転車に乗っていて交通事故で起きたとしたら、納得できない対応を取られたらどうなるんだろう。

筋肉のケガに関して、まだわからないことがいっぱいある。

マヒと痛み・しびれは全く違う生理学なのに、痛みが続くとマヒになるような説明をしている専門医がいるには驚く。

ビデオのようなことが理解できるのは「痛みのベテラン」になってからかもしれない。


by junk_2004jp | 2018-10-21 10:42 | MPS | Comments(0)
2018年 08月 27日

予防医療臨床研究会



予防医療臨床研究会に招かれ2時間、筋筋膜性疼痛症候群(MPS)についてお話をしてきました。

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by junk_2004jp | 2018-08-27 04:18 | MPS | Comments(0)
2018年 08月 03日

遅発性筋痛

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筋痛の基礎医学の第一人者は水村和枝先生。今は名古屋大学を退官されている。

これは2009年の論文。数年前にMPS研究会で講義を受けたことがある。

その時も「その発生機序は今もって不明である。」ということだった。

「何らかの条件で慢性化し、より重篤で慢性の障害の元となる可能性もはらんでいる。」

ギックリ腰も一種の遅発性筋痛なんだろうと思う。遅発性が数分とかうんと短いと考えてみる。

痛みの定義

不快な感覚性・情動性の体験であり、それには組織損傷を伴うものと、そのような損傷があるように表現されるものがある。

では、この遅発性筋痛は「組織損傷を伴うもの」なのか「そのような損傷があるように表現されるもの(つまり組織損傷がない)」なのか。

発生機序が今もって不明なのだから、私たちが考えても無駄というものだ。多分組織損傷があったとしても電子顕微鏡レベルのもので安静にする必要がないのだろう。

ほとんどの慢性痛はこの遅発性筋痛によるものだと思う。

草むしりをした翌日から膝痛、雪かきをした翌日から膝痛、バス旅行で半日すわっていた後日から膝痛。

内側広筋や腓腹筋の遅発性筋痛なんだろう。

五十肩も坐骨神経痛も椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症も・・・

医師は伝統的にこの診断治療が下手だ。それはレントゲンやMRIをみて診断しようとするから。

症例1

60歳代、ゴルフをした翌日から、お尻から下肢にかけて痛い。歩行困難。2つの病院で検査を受けたがヘルニアや脊柱管狭窄ということで様子を見ましょうということだった。

当院、1W前受診、お尻や下肢にできた圧痛点に局所麻酔を注射した。今日、2回目の受診、とてもよくなったと喜んでいた。遅発性筋痛以外に考えられない。MRIなどの検査は不要。

症例2

5日前階段を踏み外して、腰痛で動けなくなる。腸腰筋や臀筋にできた圧痛点に注射した。改善した。
腸腰筋、臀筋の即発性筋痛(私の造語^^)。

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by junk_2004jp | 2018-08-03 19:25 | MPS | Comments(2)
2018年 08月 01日

ギックリ腰

今日は6人ぐらいのギックリ腰を診た。

多くは腸腰筋などの筋筋膜性疼痛だ。

腸腰筋は鼠蹊部の上の圧痛点でブロックしている。

そのほか、臀筋や脊柱起立筋に圧痛がある。

圧痛点に注射したあと、立ち座り、クビや肩を動かす、深呼吸を何度かする。

これでほとんどの場合、改善する。

もちろんレントゲンはとらない。

==========

① 春にタイヤ交換をして腰痛になり、以来続いている。両側の腸腰筋のスパズムだった。もちろんその場で解決した。腸腰筋はブロックによく反応してくれる筋肉だ。

② 脊柱管狭窄症で手術が必要か、と言われている人、腸腰筋の筋筋膜性疼痛だった。

③ 日系ブラジル人、ブラジルにはギックリ腰という言葉はないとのこと。(ポルトガル語)この人が知らないだけかも。

③ 慢性腰痛の75歳の男性、腹筋背筋を毎日50回ずつしているとのこと。

  慢性腰痛の人は「不安の人」と「頑張り屋」がいる。

  やりすぎなんだね。ペースがつかめないのだ。

  私なんか1回もしたことがないが腰痛に悩んだことがない。

  「腹筋背筋は10回ずつにしてみたら」とアドバイスした。





by junk_2004jp | 2018-08-01 19:41 | MPS | Comments(0)
2018年 07月 30日

HOW TO TEACH DOCTOR ABOUT MPS (医者にいかにしてMPSを教えるか)


HOW TO TEACH DOCTOR ABOUT MPS 

繊維筋痛症と同様、MPSもしばしば誤解されている。今日でさえ、MPSの徴候や治療を理解していないのみならず、その存在すら信じない医師が少なからずいるのは驚きである。MPSの治療は、正確な診断があってはじめて行うことができる。

本日の3症例

① 60歳代後半、女性

9ヶ月前、平泳ぎをして右膝の裏に痛みあり。鍼に数回通院。病院でヒアルロン酸注射を続けたがよくならず。病院を変えたが同じようなことだった。左膝も痛くなってきた。歩き方が変なせいか右の股関節や太ももにも痛みが出てきた。娘の勧めで当院受診。

腸腰筋、大腿直筋、内側広筋、腓腹筋などにできた圧痛点に局所麻酔を注射した。(0.5%メピバカイン、数ミリcc)
すぐに痛みが軽減した。

MPSです。痛みは慢性化とともに広がることがあります。

② 70歳代前半、女性

3年前、剪定をしてより、左肩痛。服の着脱時に痛む。MRIの結果、肩板断裂ありであまり動かさないようにいわれている。

棘下筋や大胸筋などにできた圧痛点に注射。よく動かしてもらう。すぐに痛みがなくなった。

MPSです。

③ 70歳代後半、女性

両側の頚痛、右下腿痛、2月ごろ、咳がとまらず、クビも痛くなった。いろいろ検査を受けたが咳の原因も分からなかった。
炎症の値が高いということで筋肉リウマチという診断でステロイドを飲んでいるのだが・・・。現在は咳は止まっている。

今日で3回目の診察だが、あまりよくならないと心配している。ステロイドは止めてアセトアミノフェンにした。

「雪かきをして、近所の人とトラブルになり、強く叱られた。」それから眠れなくなり、食欲もなくなった。そのころから咳や痛みが出てきた。

MPSです。発症のきっかけは強いストレスだと思われる。

いずれの症例も筋筋膜性疼痛症候群(MPS)なのだが、医師はこの病名を知らない。だからどれだけ検査をしてもこの病名にたどりつくことはない。

3症例とももし私が、痛みが生じてすぐにでも診察していれば、レントゲンやMRIも撮らずに1〜数回の簡単な治療でよくなっていた可能性がある。

医師が大学でMPSを習わないということが問題だと思う。ほとんどの痛みはMPSなのだが・・・。





by junk_2004jp | 2018-07-30 18:28 | MPS | Comments(0)
2018年 04月 24日

頚部脊髄症(クビでの脊髄圧迫による脊髄麻痺)

先日、同じ日に頚部脊髄症の診断で手術を受けた人を2人診た。

症例1(頚部脊髄症+MPS)

1ヶ月前に頚部脊髄症の手術(除圧)

右足が痺れていて、爪先立ちができない。

病的反射あり(腱反射亢進、バビンスキ反射、トレムナー反射、フスクローヌス)=脊髄が原因の痙性マヒ

右下腿外側に圧痛点があったので、その部位に局所麻酔を1mlほど注射した。すぐに上記訴えが改善した。

病的反射があることから脊髄症(軽度の脊髄マヒ)はあるが、それに足指の伸筋の筋筋膜性疼痛症候群が合併していた。



症例2(前腕の筋筋膜性疼痛症候群)

5年前、頚部脊髄症の診断でクビの手術を受けたが両手のしびれが改善することなくかえって強くなった。

病的反射なし。

前腕の伸筋群に圧痛点が多数あり。

圧痛点に局所麻酔を少量ずつ注射をした。

手を振ったり、指をうごかしたりすることを指示した。

次日、しびれは改善したとのこと。

しびれはジンジンした感覚のことで筋緊張によるうっ血が関係しているのではないかと思う。

5年も前のことで、断定はできないが、単にMPSだったのではないかと思う。

脊髄症は病的反射を確認すること。

しびれ(ジンジンした感覚)、は圧痛点を探すこと。

神経マヒは知覚脱失、知覚鈍磨で知覚がない、にぶいということ。

腕相撲、鉄棒ぶら下がり、重いものを持つ、綱引き、正座、血圧計などでジンジンしたシビレを感じたことがあるだろう。いずれも短時間で回復するが。

このとき知覚も少し鈍くなっているものだ。

「しびれ」という日本語はマヒを意味することもある。たとえば、「局所麻酔を打つとシビレて感覚がない」。

多くの場合、シビレはジンジンした感覚で四肢の末端に起こり、ストレス、筋緊張と関係がある。

手根管症候群も手術が必要ないことが多い。

肘部管症候群は尺骨神経マヒをきたし手術が必要なことが多い。






by junk_2004jp | 2018-04-24 03:18 | MPS | Comments(0)
2018年 04月 21日

筋膜はがしに対する質問(時々あります)

痛みの元である筋膜部分に食塩水を注射する方法をyoutubeで見ました。これは筋膜をいわばハガすと言うか溶かしてしまう方法で画期的だと思いましたが加茂先生はこの方法を如何評価しますか?
効果があると思います。いつもそうだとはいえませんが。

大きな運動神経が近くにあって局所麻酔だと運動神経が一時的に麻痺して転倒などの可能性がある部位に用いるのはありだと思います。

ただ、筋膜を剥がすという表現は誤解が生じます。キャッチコピーとしてはいいですが。

食塩水を入れなくても、針を刺すだけでも、また、心理療法や薬物、あるいはマッサージなどの理学療法でも効果があるのですから。

筋膜がどのような状態になっているのか、また、そのような状態がどうして痛みが生じるのか説明できない。

たとえば、「筋膜が癒着している状態」というなら、「キズが治る」は癒着したということです。癒着すると痛みが生じるということはありません。

「筋膜を剥がす」という説明では、「痛みの悪循環、慢性痛(中枢性の痛覚過敏状態)、心理・社会的疼痛症候群」などの用語をうまく説明できません。

たとえば、

「会議があると腰やクビが痛くなる。」

「施術後数日間は痛くなかったが、また痛くなった。」

「施術後痛みは変わらなかった、かえって痛くなった。」

大量の食塩水を注入されて大変辛いことになった2人から相談を受けたことがあります。

少量でいいのでしょう。剥がすというイメージではないです。

上記のような場合、どう説明して、次の手はどうするのか。

また、食塩水を用いる方法は保険診療にはありませんので、保険外(自費)とならざるを得ません。

「myofascial pain syndrome 筋・筋膜性疼痛症候群」という世界共通の言葉を使う方が無難です。

Muscular Fascia=筋膜

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by junk_2004jp | 2018-04-21 04:26 | MPS | Comments(0)