心療整形外科

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2008年 01月 20日

PT(理学療法士)さんからのメール

加茂先生

はじめまして。去年の暮れ頃から先生のHPを拝見する機会があり、毎日のように勉強させて頂いてます。

私は、現在***県にある***病院という現場にて、理学療法士をしながら、夜間で鍼灸専門学校に通っています。

現在の病院は7割以上が整形外科疾患であり、主に地域高齢者の手の痺れ、肩痛、腰痛、膝痛が多い状態です。

HPを拝見するまでは、変形によってとか加齢によってとか、手術しかない等自分自身で思いながら、施術を行っていました。要するに痛みに対して疑問はあるものの逃げており、理由も無くマッサージや関節モビライゼーション等を実施し、筋力増強訓練を必死になって実施していました。

先生のHPを拝見してから、今までの自分が考えてきたことがパズルのように組み合わさっており、尚且つ臨床の現場においても以前とは比べ物にならないほど完治の方向へ進んできています。

正直、変形等には手術又は筋力でカバーするしかないため、理学療法士にはできることがないと勘違いしていた自分が救われたようにあります。又自信になりました。これからも先生のHPにて更に勉強したいと思っています。

さて、今回先生にお伺いしたのは、理学療法士が徒手的にTPにアプローチする際には加圧法等が有りますが、実際には徒手的な加圧刺激により筋硬結はどのような作用が起こるのでしょうか。

又強刺激によって痛みを増悪又はスパズムさせる要因にはならないでしょうか。徒手的なアプローチを行う場合の注意点等をご指導していただけたら幸いです。今後ともご指導のほど宜しくお願いします。


筋骨格系の痛みに対して、手技療法はなくてはならない重要なものだと思います。鍼灸有効な手段になることでしょう。将来は開業されるのでしょうか。がんばってください。

加圧療法については経験がないのでわかりませんがそれで筋硬結がとれればいいですね。筋肉や皮膚を揉んだり押したりすることによって血流の改善につながるのだろうと思います。

Taut Band と化した筋肉をいかにしなやかな伸びる筋肉に作り替えることができるかです。いろいろな手技療法家の意見を取り入れていかれたらいいでしょう。

無駄な手術は避けるべきです。レントゲンではすごく悪くても元気なご老人はいるものです。人間にとって将来の不安がとても大きな要素です。

予防はとても大切だと思います。作り替えるのは大変ですが、日々の予防を患者さんに教えてください。

丸まった肩、前へ出た頚、O脚、前屈みの腰などいつのまにか老人のスタイルになるのは筋肉に大きな責任があると思います。
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by junk_2004jp | 2008-01-20 09:55 | Comments(8)
2008年 01月 19日

1回の治療でうんと改善しました

はじめまして。**県在住のAと申します。4*歳男です。

早速ですが、20年ほど前より腰痛に苦しみ、様々な療法を試してきました。10年ほど前にMRIを撮り、腰椎椎間板ヘルニアと診断されました。なんとか鍼やマッサージで過ごしてきましたが、4年ほど前、右足の激痛で動くことも寝ることも出来なくなり救急搬送。搬送先の先生が切るの大好きで、早々に手術のお話をされましたが、どうしても切りたくないという思いで、PLDD(レーザー手術)をやっている病院を見つけ、その時は完治しました(L4-L5)。

そして今年に入ってから、今度は左足に痺れと痛みがあり、9月ぐらいにペインクリニックに赴き、再びMRI撮影。今度は(L5-S1)のヘルニアといわれましたが、私の記憶している4年前の画像と、全く変わらなかったのです。

この頃からヘルニア>痛みという図式に疑問を感じました。思い起こすと、最初の先生も「おかしいな、この痛みだとL3-L4なのにヘルニアはL4-L5なんだよね」と首をかしげていました。

そんな中、先生のHPにたどり着き、読めば読むほど今までの矛盾が解決するではありませんか。遠方なので躊躇していましたが、あまりにも痛みがひどく、1月18日(金)19日(土)に診ていただきたく飛行機のチケットを取りました(予めお電話したら診療しているとの事でしたので)どうぞよろしくお願いします。


b0052170_134498.jpgAさんはやや前屈みになり左側を伸ばすような姿勢(右に傾いて)で歩いていらっしゃいました。連続して30歩歩くのがやっととのことです。

腰腸肋筋、小臀筋、中臀筋、腸腰筋(大腰筋)、大腿二頭筋、腓腹筋、前脛骨筋などの筋筋膜性疼痛症候群(MPS)です。

とくに、腰腸肋筋と腸腰筋、前脛骨筋はかまぼこ状に硬く凝っていて外見でもわかりほどです。年季がはいっています。

このようなことはヘルニアによって起きるという証拠はありません。筋痛を避けるようなスタイルをとっているためにヘルニアが生じたのかもしれませんが。ヘルニアは筋痛の結果かもしれませんが、原因ではないのです。

トリガーポイントブロックをして、低出力レーザーをあてました。午前と午後の二回行いました。

次日

「昨日はホテルまで(2Kmぐらい)歩いて帰ることができました。今日も歩いてきました。だいぶよくなりました。」

体はかなりまっすぐになっていました。

平地でもよくつまずくことがあるとおっしゃっていましたが、これは腸腰筋がうまく使えないからです。

昨日は腹這いのスタイルは痛かったのですが今日は大丈夫です。

これで筋痛症であることが理解できたことと思います。長年の生活習慣やストレス(痛いことがストレスになる)で筋肉に異常事態がおきていたのです。

治療の標的は筋肉なのです。もう一つの標的は脳、つまり「腰が悪いのだ」という間違った考えを払拭するとともにストレスをうまく管理することです。

帰られてからも、ペインクリニックの医師と連携されたり、あるいは代替治療家とともに筋肉に対する治療を続けられたらいいでしょう。

ペインクリニックで硬膜外ブロックをされたことがあるそうですが、効果はイマイチだったそうです。

硬膜外ブロックは筋肉からの痛みのインパルスを神経根のところで待ち伏せをしてブロックするということ、運動神経や交感神経もある程度ブロックされます。私の経験はもうんと効率が悪いと思います。

医師は神経根のところに原因があるのだと思い込んでいるものです。この思い込みは強いですよ。だから発想の転換ができないのです。どちらの仮説がより正しいのかは治療の効果をみれば歴然です。

費用は健康保険3割負担で、二日間で2730円(モーラステープL14枚付きw)。
天文台長さんの「腰痛は脳の勘違いだった」をお買いあげいただき1500円。
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by junk_2004jp | 2008-01-19 13:48 | ヘルニア脊柱管狭窄症の矛盾 | Comments(0)
2008年 01月 16日

孫は来てよし、帰ってよし

Aさん(50歳代、女性)は10日前より、強い背部痛になりました。37度ちょっとの微熱がありましたが、今はもうありません。内科を受診し、レントゲンや血液検査をうけましたが、特に異常なしでした。
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「風邪からきているのではないか?」ということでお薬をもらいましたが、薬が強かったのか胃が悪くなりました。

私「たぶん筋痛だろうと思います。ストレスが原因のことが多いのですよ。微熱もストレスが原因のこともあります。」

私「私の妻もよく同じようなところが痛くなります。注射をしてやるとよくなるのですがね。娘が小さい子供を3人連れて里帰りをして数日間いるわけですが、妻は孫が帰った後に痛くなることが多いのです。」

Aさん「そういえば、今、娘が出産して家にいて、孫の世話に大変なんです。」

トリガーポイントブロックをして、スーパーライザーを照射して軽くマッサージをしたら楽になりました。このような治療を1~数回すればよくなると思います。Aさんは趣味のカラオケにも行かれずストレスがたまっているとのことでした。


b0052170_16393897.jpgBさん(60歳代、男性)は昨日、銭湯で脱衣のときにぎっくり腰をおこしました。

私「昨年も1月の今頃にぎっくり腰で来院されていますね。」

Bさん「そうです。年に1回はなるみたいです。以前は夏になったのですが・・・。」

私「こういうのは誰かが来るとか、どこかへ行かなければならないとかというストレスと関係があることも少なくないのですよ。私の妻は孫が帰った後によく背中が痛くなります。」

Bさん「そういえば、孫が帰ってやれやれと思って、風呂にいったんですw。」

ストレスが終わったとたんに痛みが出るということはしばしばあります。出張から帰ったとき、試験が終わったとき、記録を達成した次の日など痛みがでることがあります。

孫が遊びに来るのは待ち遠しいのですが、来ればまだ小さいのでストレスになるのです。
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by junk_2004jp | 2008-01-16 16:58 | 症例 | Comments(2)
2008年 01月 14日

本当に脊柱管狭窄症が原因だろうか?

高齢者が前屈位をとって歩くほうが楽なのは脊柱管狭窄症が原因だといわれる。

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これは、後屈位を取ると脊柱管狭窄があると馬尾や神経根が圧迫を受けるからだと説明される。

この説明はたぶん間違いでしょう。神経が圧迫を受けると痛みが生じるということがないからです。

このような高齢者は多いものです。もしそうならば、圧迫しているものが腫瘍かもしれないわけですね。では医師はこのような患者を診たときに腫瘍も念頭に置かなければいけないのでしょうか?

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その原因はこの図のように臀筋のトリガーポイント症状とみるべきだと思います。

Aさんは、約1ヶ月前より、腰痛~右下肢痛です。

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「後ろへ反るとどのようになるのですか?」
「お尻のあたりがつっぱって下肢へひびきます。」

お尻にトリガーポイントブロックをしてしばらくマッサージすると、体をまっすぐにすることができました。しかし、翌日にはまた曲がってきています。続けて治療すべきだと思います。

最近、血圧が高い(過去にそういうことがなかったので内科医は不思議に思っている)、朝早く目が覚めるなどの症状もあります。

ルボックス(SSRI、抗うつ薬)を処方して経過をみています。

Bさん(80歳代)も同じように前屈をしています。ふくらはぎが痛くて、膝が伸びないので腰をまげなければならないそうです。ふくらはぎのトリガーポイントブロックをすると体がまっすぐになりました。
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by junk_2004jp | 2008-01-14 01:30 | ヘルニア脊柱管狭窄症の矛盾 | Comments(6)
2008年 01月 11日

筋痛症と側弯

歪んでるの?

腰の筋肉やお尻の筋肉にトリガーポイントがあると・・・・
Cさんのブログから図をお借りして、図を変化させてみました。

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背骨は筋肉の短縮によって左凸の側弯を呈しています。その痛みを避けるかのように躯幹は右凸に傾いています。痛い部分を伸展しようとするのでしょう(短縮痛を避ける)。

A1の弯曲+A2の弯曲、と複雑です。A2の弯曲は痛みがとれれば速やかに改善します。

このようにして右側にヘルニアが生じるのではないでしょうか。
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by junk_2004jp | 2008-01-11 19:50 | 慢性痛 | Comments(0)
2008年 01月 10日

側面衝突3ヶ月目

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頭痛、頚部痛、右上肢のしびれ

右の胸鎖乳突筋に明らかな腫脹があり、強い圧痛があります。

上肢のしびれは斜角筋の関連痛か、前腕の筋筋膜性疼痛のためだと思います。


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by junk_2004jp | 2008-01-10 20:06 | 交通事故診療 | Comments(1)
2008年 01月 09日

長引くむち打ち

http://www.tvk.ne.jp/~junkamo/new_page_217.htm

疼痛と身体障害が重症のむち打ち症の人では、症状が軽症な人と異なる感覚障害の証拠が認められるという研究結果が『Spine』1月15日号に掲載されている。

「疼痛と身体障害が中等症および重症の人ではより大きい心理的苦痛が認められたが、症状が軽症な人との最も大きく異なる特徴は、様々な刺激に対する全身的過敏性の存在である」とクイーンズランド大学(オーストラリア、ブリスベーン)のMichele Sterling, PhDらは記述している。

「このような感受性の亢進は心理的苦痛とは無関係に起こり、負傷後まもなく明白にみられる中枢性痛覚処理メカニズムの変化の結果と思われる」とSterling博士らは付言している。


http://www.tvk.ne.jp/~junkamo/new_page_638.htm
Soroka医療センター(イスラエル)のDan Buskila博士が率いる研究チームは,頸部損傷を受けた患者は線維筋痛症候群(FMS)を発症するリスクが高くなる、と『Arthritis and Rheumatism』(40:446-452)で報告した。

患者の21.6%が発症

FMSは一般人口の約 2 %に起こり、全身に及ぶ硬直と疼痛がおもな症状として挙げられる。FMSの病因は分かっていないが、新しい知見は頸部損傷が原因の可能性があることを示唆している。
Buskila博士らは,頸部損傷患者102例と脚部骨折患者59例を対象に非関節部圧痛とFMSの有無について評価したところ、事故発生 3 か月後、頸部損傷患者では21.6%がFMSを発症していたのに対し、対照群では1.7%のみだった。

オレゴン保健科学大学(ポートランド)関節炎・リウマチ性疾患科のRobert Bennett部長は「これは非常に興味をそそる重要な報告だ。疼痛は10年、15年またはそれ以上続くことがあり、精神的ストレスの原因となる。しかし、この疾患に対する治療法は現在まだない」と述べた。

ケントフィールド・リハビリテーション病院(カリフォルニア州ケントフィールド)線維筋痛クリニックのPaul Davidson部長は「ストレスはFMS発症に大きな役割を果たしている。ほとんどの人は頸部と肩帯部にストレスを受けているので、もし何かがこの部分を刺激した場合、FMSを引き起こす可能性がある」と述べた。


むち打ちで症状の改善が長引いていて辛い思いをしているが、加害者との話し合いで困惑しているケースが少なくないと思うが、上のような文献を参考にされたらよいと思う。

損保は株式会社で、弁護士を雇う。患者は個人で株式会社の雇った弁護士を相手にしなければならない。体調が優れないのに、大変なことと思う。

医者はいつも患者の身方。
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by junk_2004jp | 2008-01-09 23:29 | 交通事故診療 | Comments(1)
2008年 01月 08日

7ヶ月前のむち打ち

Aさんは7ヶ月前に追突されてむち打ちになりました。他院に通院していましたが、症状の改善がみられず、また、今の症状はむち打ちが原因でないと言われ、納得がいかず、当院を受診しました。

頚を左右に動かすとき痛みがあり、困難。頭痛、めまい感、耳鳴り、睡眠障害などあり。

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左側の頭板状筋と胸鎖乳突筋に強い圧痛があり、写真でわかるように明らかに左右差がみられる。このような普通写真は記録として価値があると思われる。

事故がきっかけかどうか断定できないが、常識的に考えて、患者さんがそれ以来だとおっしゃっているのだから、「外傷が引き金となった左頭板状筋と胸鎖乳突筋の筋筋膜性疼痛症候群」というべきだろう。

トリガーポイントブロック、マッサージ、スーパーライザーをおこなった。症状の改善があったが、相当日数が必要のものと思われる。

頭板状筋と胸鎖乳突筋は乳突起で連結している。
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by junk_2004jp | 2008-01-08 18:19 | 交通事故診療 | Comments(0)
2008年 01月 06日

早く目から鱗になって

ある方からのメール

早速ですが、20年ほど前より腰痛に苦しみ、様々な療法を試してきました。10年ほど前にMRIを撮り、腰椎椎間板ヘルニアと診断されました。なんとか鍼やマッサージで過ごしてきましが、4年ほど前、右足の激痛で動くことも寝ることも出来なくなり救急搬送。搬送先の先生が切るの大好きで、早々に手術のお話をされましたが、どうしても切りたくないという思いで、PLDD(レーザー手術)をやっている病院を見つけ、その時は完治しました(L4-L5)。

そして今年に入ってから、今度は左足に痺れと痛みがあり、9月ぐらいにペインクリニックに赴き、再びMRI撮影。今度は(L5-S1)のヘルニアといわれましたが、私の記憶している4年前の画像と、全く変わらなかったのです。

この頃からヘルニア>痛みという図式に疑問を感じました。思い起こすと、最初の先生も「おかしいな、この痛みだとL3-L4なのにヘルニアはL4-L5なんだよね」と首をかしげていました。

そんな中、先生のHPにたどり着き、読めば読むほど今までの矛盾が解決するではありませんか。


以前にも紹介した理学療法士の方のブログより

ちょうど2週間ほど前だったか、「Myofaszielle Schmerzsyndrome(筋筋膜性疼痛症候群)」と診断された女性が私のところにやって来た。話を聞けば、別の医師から椎間板ヘルニアと診断され、この痛みから逃れたいのなら手術も視野に入れるようにと告げられたらしい。ところが手術をすることなくどうにかならないものかと別の医師を訪ねたら、「Myofaszielle Schmerzsyndrome」という一般人には聞き慣れない難しい名前を耳にし、何がどうなっているのか分からなくなったそうだ。手術をしなくても大丈夫という希望が持てたことは安心にはつながったものの、MRI画像が見せた悲惨な状態が目に焼きつき、やっぱり椎間板ヘルニアで私には手術が必要なのでは…とあれこれ考えつつリハビリの予約を取ったとのこと。私は全ての話を聞き終えた上で、「ヘルニアだからと言って手術を試みる人の方が割合的にはかなり少ないんですよ。まずはリハビリを一緒に頑張りましょう。」と口にし、彼女の身体状況を把握すべく評価を始めた。

彼女と時間を過ごす中で疑問に思ったことは二つ。まずは画像診断と症状が一致しないということ。つまりは神経の支配領域と彼女の痛みを訴える箇所に違いがあるということだ。更には、右足だけではなく左足も強く痛むことがあり、ひどい時には歩くことさえままならないと言う。実は、こういった症状を示す患者さんに出会うことは今回が初めてというわけではなく、年明けに実習を始めてから何度も疑問に思ってきたことであった。わずか4ヶ月程度の間に、頚椎椎間板ヘルニアと合わせて少なくとも30人のヘルニア患者を担当させてもらっている。その一部の患者は、「L4-L5らしいのよ」、「L5-S1みたいでね」と言いつつ、本に見る痛みの発生箇所と一致しなかったのだ。中にはオペの経験もある患者もけっこういたが、「手術したのに良くならない」と訴える人が多い。一時的に良くなったかに思っても、数ヵ月後に再び激しい痛みに襲われたという人も…。そんな疑問を抱えつつ、リハビリに関しては腰が痛いからと言って、その部位だけに焦点を当てるわけではなく、身体全体をチェックした上で何が必要かを見極めるわけだが、これまで私はその痛みの根本的なところまで突っ込んではこなかった。アライメントであったり、筋肉の状態であったり、筋骨格系における大きな目線でのみ物事を考えてきた。しかし、今回の患者さんに告げた二人目の医師の見方は一体どういうものなのか…、それがやけに気にかかる。椎間板ヘルニアではなく筋筋膜性疼痛症候群と診断した彼の見方とは…。

これがきっかけとなり、考えをめぐらした結果、おかしな矛盾に遭遇した。そもそも、神経が圧迫されて早期に起こるのは麻痺のはずだと。これは細胞レベルの話になるので調べだしたら大変だと思いつつ、生理学の教科書を引っ張り出して確認する。痛みの発生には神経のDepolarizationとRepolarizationが関与してくるのに、ヘルニアによって圧迫された神経が膜電位の変化を引き起こす?それは人体生理学における矛盾ではないのか?神経細胞における活動電位の発生に関しては口答試験で当てられた分野だったからよく覚えていた。加えて、何人かの医師が何故自律神経を調節するためにとBGMを薦めてきたのかが見えた気がした(ブラジキニンの産生遊離には交感神経の緊張が関与すると言われているでしょう?)。更にはトリガーポイントに対するアプローチと、以前の実習先で習ったちょっとした徒手療法が比較的早い回復を見せたのかも…。

頭の中にたくさんの情報が混乱して、どこかでつながるような、つながらないような…。そんなもどかしい気持ちでとにかく本を開く毎日だったが、インターネットで検索したら素晴らしいサイトに出会うことができた。リンクフリーと書かれていたのでここにも紹介しておきたいと思う。

【加茂整形外科医院】

疑問が一気に解決されてとてもスッキリした気分。やはり、椎間板ヘルニアにおける神経への圧迫が痛みの直接の原因ではないということ。二番目の医師が診断した「Myofaszielle Schmerzsyndrome」の方が十分に納得がいくということ。ここにアクセスすれば臨床で感じた全ての矛盾が単なる勘違いではなかったことに気付く。と同時に、医療関係者たるもの、勉強すべきことは山ほどあると改めて実感。このサイトに出会えた先週末から、生理学の教科書とノートが大活躍です。もっともっと視野を広げていかなければ。決まりきった、不変のマニュアルなんてリハビリの世界にはないですからね。


生理学を学んだ人はヘルニアの矛盾に気づかなければならない。患者さんは残念ながらいろいろ経験したあとに気づく方もいる。これは残念だがしかたのないことだ。

検査をする前に医師に次ぎのように質問したらよい。「ヘルニアがなかったとき、またはヘルニアがあっても痛みの発生場所がデルマトーム(神経支配領域)に一致しないときは痛みの原因は何だとお考えですか?」この質問に答えられない医師はもう診断する能力がないと断定してもよい。

不幸にも一致しているように思われた人がヘルニアが原因と烙印を押されるわけだが、この理論構成はおかしいのだ。ヘルニアがなかったときに想定した原因は、ヘルニアがあったからといって否定できるものではないのだ。

だから、百歩譲っても「ヘルニアがなかったときに想定した原因」はいつも鑑別診断の候補にならなくてはいけないのだ。
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by junk_2004jp | 2008-01-06 20:35 | ヘルニア脊柱管狭窄症の矛盾 | Comments(2)
2008年 01月 05日

痛みにはたしかに時間軸がある

痛み学NOTE⑧ 慢性痛には2つのタイプがある

慢性痛と急性痛は治療の難易度がちがってくる。

普段は痛くないのだが年に数回ぎっくり腰を起こし、そのたびに1W程度で治癒する場合はどう言えばよいのだろうか。やはり急性痛なのだろう。

普段は生活に困るほどではないが、軽い腰痛が続いていて、年に1~2度強い痛みになるが、そのつど1W程度で普段の軽い腰痛のレベルにもどる。このときは慢性腰痛の急性発作期とでもいえばよいのかな。

一般に6ヶ月以上続く痛みを慢性痛というようだが、時間は絶対的なものではない。体内時計は人それぞれだ。

http://junk2004.exblog.jp/7813873/

臨床痛み学テキスト

急性痛が慢性痛に変わったときには、マネジメント法を変更する必要がある。

慢性痛とは

原則として、痛みに特効する療法に基づいた治療、あるいは非麻薬性鎮痛薬のような痛みのコントロールの決まりきった方法に反応しないしつこく続く痛み。


急性痛と慢性痛の区別は、痛みの期間ではなく、より重要なことは、身体が生理的機能を正常な恒常性のレベルへ回復させられるか、させられないかである。


このように時間軸はあるのだが、体内時計は人それぞれなので、治療に対する反応によって区別する傾向のようだ。

長期の痛みでも急性痛の治療法によく反応して治癒することもある。この場合はやはり急性痛と言うべきなのだろう。

その逆もある。当初より慢性痛のような印象をうけることもある。

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中井吉英教授(関西医科大)は急性期慢性痛という表現をしている。

痛みはやはり、治療をしてその反応を見て、評価をするしかないのではないか。

痛みは長くなるにつれて筋肉と神経系に足跡をのこす。
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by junk_2004jp | 2008-01-05 15:59 | 痛みの生理学 | Comments(8)