2009年 12月 25日
日本整形外科学会雑誌 Vol.83 No.11 November 2009 慶応大学整形外科学教室の研究論文より [結論] 「椎間板変性の進行と臨床症状との関連は明らかではなかった」 筋骨格系の痛みの多くは「筋性疼痛」なのです。 むち打ち損傷も「筋性疼痛」だと思われます。なかには線維筋痛症へと進化するケースもあります。 この論文のようにレントゲンやMRIの所見と臨床症状は関連性がありません。 椎間板症、すべり症、椎間関節症、分離症、ヘルニア、脊柱管狭窄症などと言われている「痛み」の本態は筋性疼痛だと思われます。 画像診断(レントゲン、MRI)は痛みを伴うことのある特異的疾患の除外にあります。 悪性腫瘍、感染症、骨折など明らかな外傷、リウマチ及びその周辺の炎症性疾患があるかないかということです。 ▲
by junk_2004jp
| 2009-12-25 22:25
| 交通事故診療
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2009年 12月 23日
先日、整形外科に勤務する若い鍼灸師よりメールをいただきました。このメールをブログに載せることは了解を得てあります。 経験を積んだ整形外科医の院長と、経験の浅い鍼灸師。しかし、感性は若い鍼灸師のほうがいい。 この差は一体なぜなんだろう? 私は医師を育てる教育に問題があると思っている。 院長はたぶん整形外科専門医だろうが、専門医維持の教育研修会で、筋筋膜性疼痛症候群を習っていないのです。私も専門医ですが、教育研修会で聞いたことがありません。 そして、意味の分からない「脊柱管狭窄症」などの講演を聞いているのです。まじめな医師ほど洗脳されるのかもしれません。私なんか、「なにいってるんだい」なんて思っているタイプです。(先日、タクちゃんが教えてくれたビデオ) 馬尾型が麻痺、根型は疼痛、混合型はその両方一つの病名カテゴリで麻痺と疼痛が混在するのはばかげています。(神経性)麻痺とは電気活動が起きていないこと、疼痛やしびれは電気活動がさかんなことです。圧迫する場所の違いで逆の現象が起こるなんてことは考えられません。 脊柱管狭窄症で起こるとすれば「馬尾型」です。これはペインクリニックや鍼灸の分野ではなく脊椎外科の問題です。 お忙しい中、突然のメール申し訳ございません。私は整形外科に勤めている**歳の鍼灸師です。 ▲
by junk_2004jp
| 2009-12-23 11:22
| MPS
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2009年 12月 21日
私は、**市で鍼灸師をしております****と申します。以前から先生のブログやホームページを拝見しておりました。特に「トリガーポイントで腰痛は治る!」の本はわかりやすくありがたかったです。 MPSを診断するには、まず、特異的な病理所見を有する疾患を除外します。それは、悪性腫瘍、感染症、骨折などの明らかな外傷、リウマチとその周辺の炎症性疾患(痛風、脊椎関節炎など)。これらの疾患にMPSが合併することはあります。特に骨折などの明らかな外傷にMPSが合併するのは普通のことです。このような場合は主疾患とMPSは並行して治療すればいいのです。 筋筋膜性疼痛症候群の診断基準 (Simons,1990) ●大基準 局所的な疼痛の訴え 筋筋膜の圧痛点から関連痛として予測しうる部位での疼痛あるいは違和感 触れやすい筋肉での索状硬結の触知 索状硬結に沿った一点での強烈な庄痛点(ジャンプサイン)の存在 測定可能な部位では、可動域のある程度の制限 ●小基準 圧痛点の圧迫で臨床的疼痛の訴えや違和感が再現する 圧痛点付近で索状硬結に垂直に弾くような触診を加えたり、圧痛点に注射針を刺すことで得られる局所的ひきつり反応 筋肉を引きのばしたり(ストレッチング)、圧痛点への注射により疼痛が軽快する 診断には大基準5項目すべてと、少なくとも1つの小基準を満たすことが必用 _____________________________________ 違った言い方をすれば、線維筋痛症は18か所の圧痛点のうち11か所以上あるものですが、それに至らないものがMPSということです。 _____________________________________ 胸郭出口症候群、仙腸関節障害、梨状筋症候群、椎間関節症、伏在神経絞厄障害、手根管症候群などの絞厄神経障害、オスグットシュラッタ―病、後縦靭帯硬化症、肋間神経痛 このような病名がどういう状態を指しているのか、明らかではありません。 痛み系は独立した系なのです。 構造に従属するものではありません。だからいつも痛みは構造と分けて考えるべきものなのです。 胸郭出口症候群、梨状筋症候群、椎間関節症・・・・どういう状態をそう命名するのか、さだかではありませんが、このように言われている病態の痛みやしびれはMPSです。 伏在神経絞厄障害・・・・・神経線維の絞扼性障害ですから、麻痺です。つまりMPSではありません。しかし本当に正しいのか分かりませんね。 痛みの性状がピリピリ、ビリビリ、ジンジン、重だるい、痛みに波がある、全く痛まない時もある、自発痛、夜間痛がある、ひざが重なると痛い、絞扼点に圧痛(内転筋管出口、膝蓋下肢出口)、このような症状ではMPSとなり、麻痺があればMPSではないということなのですか? そうです。その症状から絞扼性神経障害と診断するのが間違っているのです。MPSそのもので、神経が絞扼されているわけではありません。 手根管症候群などの絞厄神経障害・・・・・手根管症候群は、「正中神経の絞扼性障害」のものとMPSのものが同じ病名が使われていて、話がややこしいのです。参考http://junk2004.exblog.jp/7412543/手根管症候群の多くはMPSだと考えています。だから手術なしでも治るという報告があります。 オスグットシュラッタ―病・・・・・骨端核の使い過ぎ障害です。その痛みはMPSと考えていいでしょう。障害なのか損傷なのかは微妙ですね。私はMPSだと思います。 後縦靭帯硬化症・・・・・後縦靱帯が骨化したことなのですが、無症候なことは稀ではありません。症状がでるとすれば脊髄マヒです。 肋間神経痛・・・・坐骨神経痛でも肋間神経痛でも一般にいわれている病態はMPSです。ただし、帯状疱疹後の肋間神経痛という場合は、神経損傷後の痛みですから、MPSではありません。 ▲
by junk_2004jp
| 2009-12-21 20:06
| MPS
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2009年 12月 20日
このたび、筋筋膜性疼痛症候群研究会(JMPS)のオフィシャル・サイト(ホームページ)ができました。 http://www.jmps.jp/ これから、徐々に内容を充実していきたいと思っています。 筋骨格系の痛みのほとんどはMPSです。しかし、医師にはMPSという概念を習っていないので、この診断に到達することは少なく、意味のない構造的な診断をしてしまう傾向があります。 それが慢性痛の一因になっているように思えます。 ▲
by junk_2004jp
| 2009-12-20 11:04
| MPS
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2009年 12月 18日
ようやく動き始めた。 結局、今までの筋骨格系の痛みの医療は失敗だったのではないだろうか。 慢性疼痛という新しい概念が必要。 急性痛のうちに治すのが最も肝要。 適切な病名がない。どう表現したらよいかわからない。ヘルニアやすべり症や軟骨変性がみられたところでそれが痛みの原因でもないわけだ。 治療法、薬も保険ではうまく行うことが困難。それでも保険診療をしなければならない。病名なんて・・・ 厚労省は早くこの問題を解決すべきだ。それには、従来然とした学者に頼るのはいかがなものかと思う。 多くの患者さんから現実を聞け!! http://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/12/s1210-5.html 近年、人口構造や疾病構造の変化により、慢性疾患を対象とする対策の重要性が高まっている。こうした状況の中、これまで厚生労働省においては、生活習慣病や難治性疾患、腎疾患、リウマチ・アレルギー疾患等の対策が推進されてきた。 しかしながら、必ずしも具体的な対策の対象となっていない慢性疾患も存在するため、本年「慢性疾患対策の更なる充実に向けた検討会」を実施し、その中で、系統的な取組がなされていない代表的疾患として、筋・骨格系及び結合組織の疾患等が挙げられたところである。 筋・骨格系及び結合組織の疾患を中心とする「慢性の痛み」を来す疾患は、疾病を有する者のQOLの著しい低下につながり、就労困難をまねくなど、社会的損失も大きい。 以上のような背景及び問題意識のもと、「慢性の痛み」を取りまく課題を整理し、今後の対策のあり方に資するための検討を、厚生労働省健康局長の下、有識者の参集を求めて行う。 ○ 慢性疾患対策を考える上で、受療頻度の高い疾患に共通する課題として「慢性疼痛」が挙げられ、当該疾病を有する者のQOLに大きな影響を与えている。 慢性化した痛みの診断・治療は容易ではなく、身体面、精神面、社会面からの全人的なアプローチが必要である。 慢性腰痛は人口が多いにも関わらず、現在の治療体系では良くならないことが多い。 ▲
by junk_2004jp
| 2009-12-18 13:52
| 慢性痛
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2009年 12月 12日
2月7日(日)9時からシンポジウム トリガーポイント研究所の佐藤 恒士さんに講演をお願いしました。 約2時間、一般の方を対象にご講演していただきます。 申し込み(予約)は要りません。 開催場所:東京都中央区日本橋本町2-2-6 田辺三菱製薬株式会社東京本社 http://www.mt-pharma.co.jp/shared/show.php?url=../company/map_tokyo.html ▲
by junk_2004jp
| 2009-12-12 23:42
| MPS
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2009年 12月 09日
杉様がヘルニアの手術を3回もしたというエピソードは有名です。私も本に書きました。 その後のことは知らなかったのですが・・・ 先日、遠方から来院された患者さんから聞きました。 この方は脊柱管狭窄症の手術をしたがよくならなかったのですが・・。 「杉良太郎さんが大阪のカイロでよくなったと聞いたので、いろいろネットで調べているうちに先生の所がよいとういことを聞いたもので・・」 ということでした。 そこで 「杉良太郎 大阪 カイロプラクティック」で検索しました。 http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=4933 http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=5510 http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=9171 http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=9376 http://blogs.yahoo.co.jp/acechiroclinic/49642930.html#49647303 ついでにこんなベストアンサーもありました。 http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1431018574 痛みの本態は筋肉のspasm(痙攣)なんです。それがゆるめば治ります。 ヘルニアが原因で痛いわけではありません。 「ミリ単位で背骨のゆがみを治す」・・・これも独特な表現でよくわからないですね。いろいろなテクニックを使って緊張した筋肉を緩めればいいわけです。 筋痛症の治療はいろんな方法がありますが、「信じるものは救われる」です。 しかし構造破たんが原因だという説を信じると何回も何回も手術ということになりますね。 また医師も4回目の手術があるだろうというような予言を患者に与えることによってそうなったときの予防線を張るわけです。 ▲
by junk_2004jp
| 2009-12-09 18:52
| ヘルニア脊柱管狭窄症の矛盾
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2009年 12月 09日
始めまして。 これは存じ上げない方からいただいたメールです。 今のままではますます病人が増えます。痛みに対して正しい教育がされていません。 私は2通の「脊柱管狭窄症の手術承諾書」の写しをもっています。いずれも患者さんからいただいたものです。手術をしてもよくならなかった方なのですが・・。 その内容は、納得できるものではありません。 神経が圧迫を受けて神経障害が生じる、そのため下肢の運動障害、しびれや痛みが生じるというものです。 これは一見、正しい説明のように思うことでしょうが間違っているのです。 上からは変わらないでしょう。下から変えていかなくては。 ▲
by junk_2004jp
| 2009-12-09 00:09
| ヘルニア脊柱管狭窄症の矛盾
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2009年 12月 07日
2009年 12月 05日
御著「TPBで腰痛は治る!」を読ませて頂きました。私は****市在住の7*歳・男性です。 脊柱管狭窄症や椎間板ヘルニアと診断を受けて手術をしたものの改善しない方から、 毎日のようにメールや電話でのご相談を受け、またそのような方が実際に診察にいらっしゃいます。 上はその一つのメールです。 そもそも神経が圧迫を受けるとその先端部で痛みやしびれを感じるという説そのものが理屈にあわないのです。 ▲
by junk_2004jp
| 2009-12-05 19:22
| ヘルニア脊柱管狭窄症の矛盾
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