心療整形外科

junk2004.exblog.jp
ブログトップ

<   2018年 03月 ( 11 )   > この月の画像一覧


2018年 03月 30日

間欠性跛行=心身症=Functional somatic syndrome

心身症とは条件、状態、環境によって症状(痛み)が変化する身体疾患のことです。

不安障害やうつ病は心身症ではありません。身体疾患ではないからです。精神疾患ということになっています。

脳という身体の疾患という考え方もあります。医学の進歩によって概念が変化してくるでしょう。

英語では Functional somatic syndrome (機能的な身体の症候群)ということになります。

日本語の心身症は誤解されることが多いですね。

骨折は心身症ではないですが骨折に伴って起きた痛みは心身症ということになります。(禅問答のようですがw)

間欠性跛行とはしばらく歩くと下肢などに痛みやしびれが強くなりしゃがみ込んで休むとまた歩かれる状態のことで、脊柱管狭窄症の重要な症状と言われています。

休むとよくなるのですからまさにこれは心身症ですね。

テニス肘の人が重いカバンを持っていたら数分で痛みが出てきたので持つのをやめたら痛みが収まってまた持てるようになった。(間欠性カバン持ち)

これと同じことです。「クビの脊柱管狭窄」と診断する医師はおそらく一人もいないでしょう。ところが下肢となるとほとんどの医師が「腰の脊柱管狭窄のせいだ」というのです。

医師は記憶力よい、想像力悪い、といったところでしょうか。

機能的な疾患に対して「構造的」な病名を付けるのはセンスが悪いのです。

構造的な病名を付けることは悪影響を及ぼす可能性があります。

休んだらよくなるのは決して神経の病気ではありません。

休んだら治る(回復)するのは筋肉の症状です。筋膜の症状ではありません。

「しびれ」は血圧計を腕に巻いたとき、綱引きのあと、重い荷物を持っていると、鉄棒にぶら下がっていると、正座、の時に感じる「ジンジン」した感覚をいいます。

筋肉の緊張や圧迫で毛細血管、静脈などが圧迫された状態だと思われます(うっ血)。神経が圧迫を受けた状態ではありません。

痛みは心身症なのです。

我が国では痛みに対して構造病名を付ける悪しき習慣があります。それが、大事にしよう、なるべく動かさないようにしようとと間違えるのです。

どうしても構造病名をつけたいのなら並記すればいいです。

「変形性関節症、筋筋膜性疼痛症候群」のように


[PR]

by junk_2004jp | 2018-03-30 13:50 | ヘルニア脊柱管狭窄症の矛盾 | Comments(3)
2018年 03月 27日

ドクターガラパゴス

戸田克広氏のツイートより
学術集会で何度か線維筋痛症を発表したが、「そんなインチキな疾患は存在しない」といいう趣旨の質問(非難)を面と向かって私に行ったのは全員整形外科医であった。それも全員大学病院勤務の医師であった。他の診療科の医師は、少なくともそのようなことはしなかった。
痛みはexperience(体験、経験)と定義されている。形を修復する外科、整形外科からは痛みは最も縁遠い問題。痛みを整形外科医が診るということに問題がある。

つまり門外漢なのだが、専門医のようにしているところに問題がある。痛みと構造は分けて考える習慣を身につけるべきだ。

大学病院では、脊椎、肩、膝、股関節、手、足などそれぞれの専門医がいる場合があり全体的に診る習慣がない。

開業医のように自分で看板を背負っていない。

大学病院こそ新しい医学を勉強して我々を啓発すべきだ。

なぜ痛みが起きるのか、なぜ痛みが慢性化するのか、たずねてみたところで答えは間違っていることだろう。

そしてMRIで痛みやしびれを診断して無駄な手術をしている。

痛みは広がっていくことがあるので線維筋痛症は最も広がった状態なのだ。

その手術が広がっていくきっかけを作るかもしれない。

慢性痛=中枢性感作=可塑的変容=神経障害性疼痛

なぜ日本では「心因性疼痛」という概念が根強いのか考えてみよう。

b0052170_13214828.jpg
b0052170_13215761.jpg

[PR]

by junk_2004jp | 2018-03-27 13:15 | 慢性痛 | Comments(0)
2018年 03月 25日

痛みの「損傷モデル(damage model)」の終焉

軟骨が減っているから痛い。

壊死があるから痛い。

半月板が傷んでいるから痛い。

椎間板が狭くなっているから痛い。

ヘルニアや脊柱管狭窄が神経を押しているから痛い(しびれる)。

腱板が切れているから痛い。

分離症、すべり症があるから痛い。

これらは病院へいくとMRIやレントゲン検査を受けてよくいわれますね。

このような説を「損傷モデル」に基づくと呼ぶことにします。

このような変化は健常人でもごく普通に見られます。

異常がなければ「どこも悪くない」「気のせい(心因性)」などと言われることもあります。

痛みの生理学的にも間違っています。

専門医でさえ間違っているのです。これは伝統的な医学教育の問題だと思います。最近は少しずつ改善しているようですが。

専門医に損傷モデルのレッテルを貼られてしまうと、一生それがつきまといますます悪化してしまうものです。

動作恐怖がつきまとい動くことが少なくなる。これがとても悪影響を及ぼします。

思い切って手術をしたが・・・

「手術は成功、しかし患者はよくならず・・・」このようなことは巷に溢れています。

時に、次の日にもう杖なしで普通に歩かれる、というようなことが起こることがあります。YOU TUBE でみられます。

このような反応は心霊手術の反応とそっくりなのです。つまり儀式的効果、プラセボ効果なのです。

プラセボ効果でもいいというならそれも治療の手段ですが、一生それが続くことは極めて稀で、再発することが多いものです。再手術を繰り返すうちに・・・。

痛みの治療はプラセボ抜きには考えられませんが、ノーシボを与えておいてのプラセボはいかがなものでしょうか。

プラセボを保険診療でというのも気になるところでしょうね。

そして次の名医を求めて患者さんは手術を繰り返す。

何よりも生理学的に間違っていることを患者に告げていることに問題があります。

オーストラリア、イギリスは国をあげてこの問題の解決に乗り出しています。

2001年 オーストラリア


スコットランド


諸外国もこのような傾向にあると聞きます。

だめなのはアメリカと日本らしいんです。

アメリカは銃規制も困難なお国柄・・・利害の対立、ロビー活動、自由診療

日本はアメリカに追従することはありません。

英国在住の知人から送られてきました。



痛みのメカニズムは次の図で端的に表現されます。私作なんですが。

b0052170_12151134.jpg

⭕️やりすぎやケガで痛みを感じるのですが、痛いと感じるとまた痛みが生じます(痛みの悪循環)

⭕️痛みの悪循環の原因は筋肉の緊張、交感神経の緊張です。平たくいうと筋痛です。

⭕️この筋痛が中枢性感作(中枢性痛覚過敏、可塑的変化)を起こしやすいと言われています。炎症性疼痛よりも。

⭕️悪性腫瘍、感染症、リウマチ・痛風系を除外します(画像診断、血液診断)。線維筋痛症、筋筋膜性疼痛症候群は除外診断はありません。リウマチ+MPS、リウマチ+FM、悪性腫瘍+MPS、FM、

⭕️構造の治療と痛みの治療は別問題。骨折の治療と痛みの治療は別のことです。構造が治れば痛みも治るということではありません。その逆もあります。骨はつかなかったが(仮関節)痛みはない、ということもあります。

⭕️3ヶ月以上続く痛みを慢性痛といい、痛みそのものが治療の対象です。(=筋痛=神経障害性疼痛=神経可塑性疼痛)

⭕️損傷モデルに代わって「生物・心理・社会的疼痛モデル」(bio-psycho-scial)ですが、筋痛症モデルでもいいと思います。

⭕️痛みは状況、状態によって変化しますから心身症の範疇です。リウマチも当然心身症です。心身症という言葉には誤解がつきまといます。

⭕️損傷モデルに「虫歯」をあげて反論があります。

「虫歯」を考える時「褥瘡」を対比したらいいです。

虫歯や褥瘡があっても痛いとはかぎません。

虫歯や褥瘡は感染しやすい。感染した虫歯や褥瘡は感染症としての痛みです。

虫歯や褥瘡は痛覚神経が外界に顔を出しているので痛覚過敏になっているのです。




[PR]

by junk_2004jp | 2018-03-25 12:18 | Comments(0)
2018年 03月 22日

質問(トリガーポイントブロックと硬膜外、神経根ブロックについて)

先生が名誉会長をされている 筋膜性疼痛症候群(MPS) 研究会 を拝見させて頂いていますが、多くの病院でトリーポイント注射と神経根・硬膜外のブロック注射をおこなわれているかと思います。
両者では痛みの原因に対する考え方が違うように思いますが・・・(MPSに対して治療を受けても、結局はヘルニアや狭窄、関節の変形などが原因になってしまいそうで、少し困惑してしまします)
先生のブログなどで、 トリーポイント注射と神経根・硬膜外のブロック注射 の治療法との、整合性が書かれているページなどがあればお教えいただけると助かります。
保険診療費

神経根ブロック 15000円
腰部硬膜外ブロック 8000円
トリガーポイントブロック 800円 (何箇所しても)

頚、腰、両膝にトリガーポイントブロックをしても800円では・・・。

医師が悪意をもってやっているとは思いませんが、病院経営の投資、従業員の給料(看護師、事務員など)、ボーナス、退職金などを考慮すると工夫をしないとやっていけないのでしょう。

医師一人で保険診療はできません。

硬膜外+トリガー、神経根+トリガー、はいずれもトリガーは算定されません。

おまけにトリガーは週に何回と決められている地域もあると聞きます。

ブログのどこに書いたは忘れましたが、著書「トリガーポイントブロックで腰痛は治る!」では次のようにかきました。

神経根ブロックはあみだくじみたいなもの。

末梢から痛みの電気信号が神経根を通って脊髄に入り脳にいく。狙った神経根を通るならブロックできる。

硬膜外ブロックはカスミ網みたいなもの。

神経根付近を幅広く麻酔液にひたす。末梢からの痛みの電気信号をカスミ網にかけるようなものです。

ある雑誌で見たのですが、有名な医師(神の手)が次のようにいっていました。

「神経根ブロックが効けば、そこ(神経根部)が原因だったということで手術をする。」

「神経根ブロックが効かなければそこが原因ではない、つまり心因性。」

これは明らかに間違いです。神経根部が痛みの現場ではなく、痛みの電気信号がその神経根を通過したということでしかないのです。

つまり脊柱管狭窄やヘルニアが痛みの原因になることはありません。

神経線維の途中から痛みが起きることはないのです。(針を刺すような人為的以外は)

b0052170_03163515.gif

痛みは痛覚神経(C線維)の先端に付いているポリモーダル受容器でおこり

b0052170_03163970.gif
神経線維を通って(もちろん神経根も通り)脊髄に入り脳に到達します。

どこでブロックしてもいいのですが、圧痛点(過敏になった点)でブロックするのが、最も公平で効果的で危険も少ないと思っています。

ただし、慢性化すると中枢性の痛覚過敏になっているので、飲み薬や認知行動療法や理学療法などを組み合わせる必要がある場合もあります。

[PR]

by junk_2004jp | 2018-03-22 03:26 | MPS | Comments(5)
2018年 03月 21日

「神経障害性疼痛」の誤解

「神経障害性疼痛」を椎間板や脊柱管が神経を圧迫して障害したために起きた痛みと誤解している医師がいる。

痛みの定義

不快な感覚性・情動性の体験であり、それには①組織損傷を伴うものと、②そのような損傷があるように表現されるものがある。

①組織損傷を伴うもの

急性痛=炎症性疼痛=侵害受容性疼痛

リウマチは炎症性疼痛(急性痛)が止まらず続いているもの

②そのような組織損傷があるように表現されるもの(組織損傷がないのに)

慢性痛=神経障害性疼痛=神経可塑性疼痛=心因性疼痛

神経障害性疼痛は誤解している専門医がいるので神経可塑性疼痛の方がいいのではないか。

痛みは悪循環を繰り返し、脳脊髄に痛みの電気信号が入力され続けると次のようなことが生じると生理学で知られている。

⑴ 下行性疼痛抑制系の機能低下(ブレーキの故障)
⑵ 時間的加算 (痛みの増強)
⑶ 長期増強 (痛みの記憶、学習)
⑷ 空間的加算(痛みが広がる)

組織損傷は3ヶ月もすれば治癒する(完全に修復されなくても断端が閉鎖すればよい)。3ヶ月以上続く痛みを慢性痛=神経障害性疼痛といっている。

強い痛みならすぐにでも神経障害性疼痛になるといわれている。

不安障害やある種の精神科的疾患がある時は当初から慢性痛のような痛みとなることがある。

日本には2300万人の神経障害性疼痛を有する人がいるわけだ。

b0052170_10441243.jpg

b0052170_10440872.jpg
もちろん、世界標準が正解だ。

侵害受容性疼痛(急性痛)と神経障害性疼痛(慢性痛)の重なった部分は「混合性疼痛」という。

急性痛と慢性痛の回路は交通しているので実際は混合性疼痛が多いのではないかと思う。

b0052170_10493551.jpg

「Explain pain supercharged」より

最近の慢性痛の話題は脳の痛覚過敏の改善の話題に集中している。

図で「DIMs」はDanger In Me=危険信号、「SIMs」はSafe In Me=安心信号

医師を受診してレントゲンやMRIを撮り不安を煽られればますますバランスが崩れ痛みの永続化になる。

医師の指摘が本当に痛みの原因でもないのに関わらずだ!

2月20日にClubism という雑誌に私が紹介されたが1ヶ月間に「これだ!」と思って来院された方が4人いる。

皆さんに聞いたわけでもないのでもっといるかもしれないのだが。

4人とも経過はいい。

「神経が圧迫されたことが痛みの原因というお医者さんがいまだにいらっしゃいますが、神経は圧迫されたぐらいでは何も起こりません。」と書いてあります。

この事実だけでも知れ渡れば医療費も削減し、痛みに悩む人も減少するでしょう。

b0052170_01512486.jpg


[PR]

by junk_2004jp | 2018-03-21 11:07 | Comments(0)
2018年 03月 17日

英国の病院に貼られていたポスター

英国にいる知人が病院に貼られていたポスターを送ってくれた。

下のリンクはコメント欄で知らせてくださいましたので後で追加しました。




b0052170_00210521.jpg

b0052170_23031440.jpg
b0052170_00211210.jpg

BACK PAIN
MYTH BUSTERS

腰痛神話の崩壊

腰痛神話#1

Moving will make my back pain worse
動くと腰痛が悪化する。


腰痛神話#2

I should avoid exercise,especially weight training.
特にウェートトレーニングは避けるべきだ。

腰痛神話#3

A scan will show me exactly what is wrong.
MRIで痛みの原因がわかる。

腰痛神話#4

Pain equals damage
痛みは損傷(痛みの損傷モデル)

=======================================

日本の大学病院でもこのようなポスターが貼られる日がくるように。

脊柱管狭窄、椎間板ヘルニア、すべり症、分離症、椎間板症、椎間関節症、神経根症などの言葉で表現される病名は痛みの原因ではないということです。

つまり今までの痛みの診断は何だったのかということです。

このような痛み・しびれの診断のもとに手術は絶対にしてはいけないということをいっているのです。

線維筋痛症の患者さんを何人も診ていますが頚や腰の手術を複数回行った人が何人もいます。

線維筋痛症とまではいかなくても慢性痛の患者さんの中にヘルニアなどの手術をした人はいっぱいいます。

腰だけではありません。

頚も肩も膝も股関節も同じことです。

痛みは「主観的な体験」と定義されているのですから、手で押さえて過敏になったポイント(患者が痛いと申告するポイント)をさぐるしかありません。

腰痛の場合は腸腰筋は深いので後方からはわかりにくいことがある。前方の鼠径靭帯のあたりでチェック。


[PR]

by junk_2004jp | 2018-03-17 23:23 | Comments(2)
2018年 03月 16日

慢性痛患者2300万人(日本人の18%)

慢性痛患者が増える3つの理由

① MRIが多すぎ
b0052170_00321144.jpg

「9割の病気は自分で治せる」より


② 安くてどこでも何回でも医師に診てもらえる国民皆保険制度

③ 医師の間違った強い思い込み

❌神経が圧迫を受けるとその神経の支配領域に沿って痛みやしびれが生じる。(椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症)

❌傷んだ椎間板、半月板、腱板、軟骨などは痛みの原因になる。

「軟骨がボロボロ」
「人工関節にしなくてはならない」
「神経が潰れていて歩けなくなる。」

などの脅し文句

一例を紹介しよう。

60歳、4ヶ月前転倒して肩を打つ。肩の腱板断裂の診断で手術をした。1ヶ月半ほど動かさないようにした。

現在は腕の前方、側方挙上ともに30度。リハビリ中。

当院受診は別の愁訴であり、この肩については話を聞いただけ。

私なら骨折や肩鎖関節脱臼が疑われるのならレントゲンを撮るがそうでなければ撮らない。

強い圧痛部位に局所麻酔を数日間連続で打つ。

腱板断裂の有無に関わらず早期に動かす。

4ヶ月もすればほぼ治癒だと思う。

無症候性の肩においても,50歳台では4人に一人、65歳以上ではほぽ半数と高頻度にいわゆる変性断裂が存在することが示された。



今回の転倒強打で断裂したのか、もともと症状のない変性断裂があったのかはわからない。

手術をして縫い合わせるとしばらく安静にしなければならず、その結果がこのようになるのは目に見えている。

腱は修復したが受傷4ヶ月たっても30度しか挙がらないなんて医療は失敗と言えるでしょう。

ここから治すのはとても困難なことだ。

同じことは膝にも腰にも言える。

日本には上記3つが揃っているのだから、これからも慢性痛が増え続ける可能性がある。

痛みの損傷モデルは失敗だった。

痛みの生物・心理・社会的症候群モデル=筋痛症モデルを。

医師のこのような傾向を変えるのはとても困難なことだと思う。強い思い込みと自分の存在意義に関わることだから。

患者さんは「しっかり検査をしてほしい」と思うのも無理のないことだと思うが。





[PR]

by junk_2004jp | 2018-03-16 01:09 | Comments(0)
2018年 03月 12日

全国各地から

雪がなくなり全国(北海道〜九州)から患者さんがいらっしゃいます。

ホテルから通院される方、入院される方、それぞれです。

遠方から時間とお金をかけていらっしゃるのですから、なるべく無駄な医療費をかけないでいい結果がでますようにと治療する方にもプレッシャーがかかります。

症例1:膝痛

「半月板が傷んでいるので手術が必要です。」と言われています。

整体師が私の出演したTVのビデオを見せてくれたのが来院のきっかけです。

内側広筋などの圧痛点(数カ所)をトリガーポイントブロックをするとすぐに痛みがほぼ消失しました。

原因と思われるのはハシゴの登り降りだと思われます。

半月板損傷が痛みの原因ではありません。

中年以降は痛みのない人でも60%に半月板損傷がみられます。

症例2:腰痛〜大腿部痛(両側)

「椎間板ヘルニアが2ヶ所にある。手術が必要。」と言われています。

仙骨ブロックなどを受けたがよくならない。

当院通院したことがある人から聞いて飛行機で来院する。

腸腰筋、臀筋、太もも筋、腰筋の圧痛点数カ所にトリガーポイントブロックをする。

すぐに痛みがほぼ軽減しました。

ヘルニアが痛みの原因ではありません。健常者でもごく普通にみられます。



いずれの症例も筋筋膜性疼痛症候群です。

痛みは悪循環して慢性化してしまうことがあります。

慢性化とは中枢性の痛覚過敏のことです。

神経可塑性、簡単にいうと脳が痛みを学習して過敏になるということです。

圧痛点は過敏になった点でそこと過敏になった脳とつながっています。

ではこのような治療をどれぐらいの間隔で何回続ければいいのか。薬剤は必要なのか。

この問題は個人差が大きくてすぐには答えがでません。

それはいい悪いの問題ではなく脳の可塑性には個人差があるということです。

認知行動療法(大丈夫だ。動こう!)は不可欠です。

半月板損傷、腱板損傷、椎間板損傷、軟骨損傷、椎間板ヘルニアなどが慢性痛の原因になることは決してありません。

すべり症、分離症、脊柱管狭窄が痛みの原因になることは決してありません。

現在の医学教育に問題があるのだろうと思います。

検査をして壊れているものが痛みの原因だ(損傷モデル)という説は世界的はすたれつつあります。

昭和時代のフェイク診断です。

日本はまだそれから脱却していません。

b0052170_21051483.jpg

[PR]

by junk_2004jp | 2018-03-12 21:09 | 慢性痛 | Comments(0)
2018年 03月 08日

急性むち打ち症において全身的過敏性が実証される

「⚪️年前にむち打ちになってからずっと肩こりや頭痛に悩まされている。」

このような訴えの人をしばしば診ることがある。多くの場合は自賠責保険ではなくて社保や国保である。

私の義母は義父の運転する車に乗っていて電柱に衝突して以来、頚痛に悩まされている。

椅子に座って眠っていて転げ落ちて以来、頚痛に悩まされている患者さんがいる。

この方も義母も「いわゆる猪頚」と言われる形態になっている。後部の筋肉がコチンコチンになって頭が前方に突き出ている。
b0052170_17264424.jpeg

「このような感受性の亢進は心理的苦痛とは無関係に起こり、負傷後まもなく明白にみられる中枢性痛覚処理メカニズムの変化の結果と思われる」とSterling博士らは付言している。
次の論文も参考に




頸部損傷が線維筋痛リスクを増加

Medical Tribune [1997年8月21日 (VOL.30 NO.34) p.12]


〔ニューヨーク〕 Soroka医療センター(イスラエル)のDan Buskila博士が率いる研究チームは,頸部損傷を受けた患者は線維筋痛症候群(FMS)を発症するリスクが高くなる、と『Arthritis and Rheumatism』(40:446-452)で報告した。


患者の21.6%が発症


FMSは一般人口の約 2 %に起こり、全身に及ぶ硬直と疼痛がおもな症状として挙げられる。FMSの病因は分かっていないが、新しい知見は頸部損傷が原因の可能性があることを示唆している。


Buskila博士らは,頸部損傷患者102例と脚部骨折患者59例を対象に非関節部圧痛とFMSの有無について評価したところ、事故発生 3 か月後、頸部損傷患者では21.6%がFMSを発症していたのに対し、対照群では1.7%のみだった。


オレゴン保健科学大学(ポートランド)関節炎・リウマチ性疾患科のRobert Bennett部長は「これは非常に興味をそそる重要な報告だ。疼痛は10年、15年またはそれ以上続くことがあり、精神的ストレスの原因となる。しかし、この疾患に対する治療法は現在まだない」と述べた。


ケントフィールド・リハビリテーション病院(カリフォルニア州ケントフィールド)線維筋痛クリニックのPaul Davidson部長は「ストレスはFMS発症に大きな役割を果たしている。ほとんどの人は頸部と肩帯部にストレスを受けているので、もし何かがこの部分を刺激した場合、FMSを引き起こす可能性がある」と述べた。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

多くのむち打ちはしばらくでよくなるが、そうでない場合もある。それは決して患者の責任でもないし、もちろん医師の責任でもないのだが。

私はむち打ちの難治性を煽るものではないが、頚部の外傷に対してわかっていないことがあるように思う。

損保はその辺を十分に考慮してほしい。

ケベックむち打ちガイドライン(1995年)は有名だが、ケベック州自動車保険協会の要請のもとケベックむち打ち症関連障害特別調査団によって作られた点が気になるところだ。

[PR]

by junk_2004jp | 2018-03-08 18:11 | Comments(0)
2018年 03月 04日

二つの慢性痛(=筋筋膜性疼痛症候群)

慢性痛=筋筋膜性疼痛症候群=生物(身体的)・心理・社会的疼痛症候群=炎症性疾患ではない。

リウマチは炎症性疼痛(=急性痛)が続いている、止まらない、管理できない。だからここでは慢性痛にはいれない。

慢性痛は痛みそのものが治療の目的。中枢性、末梢性の痛覚過敏。過敏になった火災報知器。

慢性痛は3ヶ月以上続く痛み。

ということは、急性痛も筋筋膜性疼痛症候群。

急性痛は「組織損傷を伴っている」こともある。

「組織損傷の治療」と「痛みの治療」はそれぞれ別の問題として考えるべきこと。最初から痛みの治療はとても重要。

急性痛(炎症性疼痛)と慢性痛(非炎症性疼痛)は混合していることはよくあること。お互いの交通している。

つぎに2例を紹介するが、いずれも脊柱管狭窄症と診断されていて手術を勧められていた。

脊柱管狭窄症はとてもマズイ診断でよく専門医によって行われている。

「神経が圧迫を受けるとその末梢に痛みやしびれが生じる」という生理学は存在しない。

中高年の60〜70%に脊柱管狭窄がみられるといわれている。無害な老化現象というべきだ。

❶ 「身体的>>心理社会的」という印象が強い。

3年前より腰痛。半年前、ヒールを履いて歩き回ってより痛み強くなり歩行困難。仰向き、うつ向きに寝ることができない。

体は左右に曲がっている。右側が凸。

b0052170_13233968.jpg
右の腸腰筋の突っ張りがつよい。

右の股関節の五十肩といってもよい。この方は五十肩でも大変苦労されたそうな。

約一ヶ月の治療(トリガーポイント注射+マッサージ+運動+薬)で仰向き、うつ向きになることができるようになる。歩行もだいぶできるようになる。体の曲がりはまだ残っているが、よく動いているうちに次第によくなるだろう。

脊柱管狭窄と何の関係もない。手術なんて考えなくてもよい。

❷「心理・社会的>>身体的」という印象がつよい。

2年前右足裏のしびれ、1年前両下腿のしびれ、腰痛。最近両手のしびれ。夜間頻尿。

脊柱管狭窄症と診断されて、手術が必要になるかもしれないといわれている。

b0052170_13375932.jpg

1週間の集中治療で腕のしびれと右足拇指のしびれは改善した。

寝る前にトリプタノール1錠。

脊柱管狭窄症と何の関係もありません。







[PR]

by junk_2004jp | 2018-03-04 13:41 | 慢性痛 | Comments(0)