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心療整形外科

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2019年 04月 30日

外傷などの早期に局所麻酔注射を!

「痛み止めの注射」と表現されることが多いが、「注射しなくても我慢できる。」「注射するほど痛くない。」「治療ではなく、一時しのぎ。」などと誤解されるかもしれない。

しかし、外傷などに対して局所麻酔を注射することはとても重要な治療だ

私は30Gの細い針で0.5%メピバカインを使っている。3〜5mlでいい。

安全、手技は簡単、治療の恐怖とか痛みは強くはない、痛みはすぐになくなり、組織損傷の治療にも効果がある。治療時間短い。安い。

私は中学生の孫にもしている。

プロやオリンピックレベルの選手もケガに際してすればいい。

足関節の捻挫3例

  • Aさんは当院で治療した経験あり。昨日、足首を捻挫、腫張あり、跛行。強い圧痛の3箇所に注射。弾力包帯で軽く固定。すぐに楽になり、跛行も治る。その後来院なし。
  • Bさんは2週間前に足首を捻挫、腫れと痛みが続いている。注射でよくなる。その後来院なし。
  • Cさんは2ヶ月前に足首を捻挫、スクワットが痛くてしにくい。注射ですぐにできるようになる。1週間後に再診。9割がた治ったとのこと。

追突されて腰痛

  • Aさんは午前中、追突され、午後から、腰が張った感じがして痛くなってきた。「注射をしますよ」というとAさんは展開が想像してたことと違ったのか「?」という感じだった。強い圧痛の部位2箇所に1〜2ml注射した。すごく楽になったと喜んで帰られた。その後、来院なし。
  • Bさんは追突されて腰痛、頚痛。注射を進めたがどうしても「いや」ということで、電気を当てたり、マッサージをしたり、薬を飲んだりしている。2ヶ月ほど経つが一進一退。条件が同じでないので比較できないが・・・

痛みは時間との競争という感じがあり、早い治療ほど効果があるように思う。

五十肩、膝痛、腰痛、肘痛など慢性痛を作らないのに局所麻酔は大いに貢献するだろう。医師、とくに新鮮な症例を診る開業医はそのテクニックを勉強すべきだ。

水泳の選手でターンの時、膝が痛い、ということで膝の治療を続けていたが改善しない。内側広筋の圧痛点数カ所に注射をしたら、すぐに屈伸で痛みがなくなった。

50代、女性、3ヶ月前、肩痛、レントゲン、CTで異常なし。医者は治療よりも検査で収益を確保しているのか。といっても、設備費に消えるのだが。3ヶ月前、当院にきておれば。




by junk_2004jp | 2019-04-30 04:05 | Comments(0)
2019年 04月 27日

日本はなぜ痛みの治療に遅れをとったのか

1980年代中頃に痛みの生理学のビッグバンがあった。痛みが定義され、慢性痛のしくみも分かってきた。

その10年後、1997年にオーストラリアでマルチメディア・キャンペーン「腰痛に屈するな」が行われ成功。

同じ頃、スコットランドでもキャンペーンが行なわれた。「腰痛の考え方を変えてその影響を軽減」

2012年、遅まきながら米国でもChoosing Wisely(賢い選択)というキャンペーンが始まった。


日本でも近年、立て続けに慢性痛の薬剤が保険適応となり、慢性痛に関する関心が高まってきた。慢性痛に関する立法が行なわれつつあると聞く。なにしろ2300万人の痛みの人がいるのだから。

なぜ日本は遅れをとったのか

医師側の問題

  • 科学ではなく、先輩医からの言い伝えを重視。1980年代中頃以前の医学。「御意」体質。
  • 私のようなものは異端児ということになる。
  • 痛みの教育はほとんどされない。
  • 臨床でも基礎でも「痛み」は研究しにくいテーマ。
  • 医師という職業は資格なので社会的に淘汰されにくい。
  • 「脊椎専門」「関節専門」と細分化され、関連性に気がつかない。

患者側の問題

  • 日本人は綺麗好き、時間厳守、ワザや道を極めるという傾向が強い。ということは神経質(不安傾向)→検査好き。こだわり。このことは医師にも言える。
  • 少々の痛みは我慢すべきと思う傾向(痛み止めを嫌う)

保険診療の問題

  • MRIは1日に10人使わないと採算が合わないと聞く。
  • 比較的安価で検査を受けられる。
  • 多くの患者を診て、カルテに記載して、診断書その他の書類を書くということは大変な労働。
  • 検査をして手術をしてリハビリをしないと病院経営ができない。

私はなぜ早くからこの痛みのカラクリに気づいたのか

  • 私の最初の指導医はヘルニアの手術をする人だった。次の指導医は全くしない人だった。手術をしても良くならない患者がいた。なぜだかわからなかったがいい加減なものだと思った。MRIのない時代だった。
  • 硬膜外注射をするより、圧痛点に局所麻酔を打つほうが確実に効くことを経験で知っていた。
  • 心療内科医・中井吉英先生の著書に出会い、よく勉強させてもらった。
  • 20世紀末、心療内科学会に入った。
  • そのころ新聞広告で「腰痛は怒りである」(長谷川淳史、著)を見てこれは正しいと思った。
  • 2000年にインターネットがきた。
  • 2001年から、HPを作りはじめた。インターネットのおかげで知識が膨らんでいった。
  • 2007年の全く知らない人(戸沢洋二氏)が私のHPを参考にして自分の腰痛を治した体験談を本にした。「腰痛は脳の勘違いだった」
  • それがきっかけとなって2009年に「トリガーポイントブロックで腰痛は治る!」を書くことになった。この題は出版社の社長が付けたもの。

今後

  • 慢性化する前に局所麻酔を使用して治療することはとても大切なことだと思う。安全、手技は簡単、副作用極めて少ない、ほとんど恐怖を感じない。慢性化させないことだ。
  • 心身医学は医師の常識となるべき。
  • 慢性化した患者にも患者と二人三脚で努力すべきだ。代替医療も含めて。




by junk_2004jp | 2019-04-27 03:13 | Comments(2)
2019年 04月 25日

タイガーウッズ

Aさんは腰の椎間板ヘルニアの手術を受けようとしていた。知人の勧めで当院を受診。

ヘルニアが痛みの原因ではないことを説明。

腰、臀部、下肢の圧痛点数カ所に1mlぐらいの局所麻酔を注射した。

経過がよく、2〜3回の受診で来院が止まった。

1ヶ月後

「あれから、すっかり良くなって、安心していたら、また痛くなりました。長時間、胡座をかいていたのが悪かったのではないかと思います。」

同じ治療で改善した。

「再発しない方法はないものでしょうか?」

「永平寺(福井県の禅寺)で修行することでしょうか(笑)。タイガーウッズは4回も腰の手術を受けたそうです。あなたは安上がりでいいですね。胡坐が発症のきっかけかもしれませんが、ストレス反応とも考えられます。頭痛や腹痛、寝違えなどもストレス反応のことがあります。」

タイガーウッズは腰4回、膝3回手術をした。

手術はウッズにとって必要な儀式だったのか。一時、大きなストレスを抱えていたのは有名な話だ。

一般人だと、これだけ手術をすると、経済的にも社会的にも立ち直ることは難しい。

そこはさすがにタイガーウッズだ。マスターズでみごと優勝した。

ウッズのようなセレブには優秀な医師などのスタッフがいるのかと思ったがそうでもないことがわかった。



by junk_2004jp | 2019-04-25 03:02 | ヘルニア脊柱管狭窄症の矛盾 | Comments(0)
2019年 04月 24日

昨日香港から、中年夫婦、膝痛

TVを見た、ということで、香港から中年のご夫婦が来られた。

奥様は両膝痛と右肩痛、ご主人は右膝痛。

奥様は内側広筋、外側広筋、棘下筋、小円筋などのMPS(変形性膝関節症、肩関節周囲炎)。右膝は内反変形がある。

ご主人はいわゆる「鵞足腱炎」(MPS)

トリガーポイント注射をした。本日、とてもよくなったとのことだった。

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これが筆談で使ったもの。

「鍼」の字はわからなかった。「針」で通じた。

もちろんプラシーボ効果もあるのだろうが、それも医師の腕の内だ。

多くの患者さんを診てきたが、内反変形がつよく、伸展障害があってもよくなったと感謝されることがある。

逆に内反もなく、伸展もそれほど悪くないのに改善しないこともある。

体重の問題もあろうが、何と言っても「不安脳」が大きい問題のように思う。先読み、完全主義、強い思い込みが痛みの治療にとっての大敵だ。



by junk_2004jp | 2019-04-24 13:17 | 慢性痛 | Comments(0)
2019年 04月 21日

痛みの定義、痛みのメカニズム・まとめ

痛みの定義
不快な感覚性、情動性の体験であり、それには組織損傷を伴うものと、そのような損傷があるように表現されるものがある。
慢性痛の定義
治癒に要すると期待される時間の枠組みを超えて持続する痛み、あるいは進行性の非癌性疾患に関する痛みである。
神経障害性疼痛の定義
体性感覚神経系の病変や疾患によって引き起こされる疼痛

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「慢性痛=神経障害性疼痛」である。痛み系の可塑的変化によって生じる。痛みそのものが治療の対象となる。通常3ヶ月間痛みが続くと慢性痛になる。火災報知器が故障してお湯を沸かした程度で反応するような状態を想像して。

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ポリモーダル侵害受容器はC線維の先端にある痛みのセンサーで図のような受容体がある。ブラジキニンなどの発痛物質がこのセンサーに作用すると電気信号に変換され脳へと送られる。

末梢性感作:ポリモーダル受容器の受容体の数が増える、神経線維が体表に伸びる。
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痛みは悪循環する。その結果、慢性痛となることがある。早期に痛みを止めることはとても重要なことだ。慢性痛は扁桃体が活発になっている。

中枢性感作

  • 下行性疼痛抑制系の機能低下
  • 時間的加算(波の上に波が乗る)
  • 長期増強(痛みの学習、記憶)

痛みは慢性化とともに広がる傾向がある。(グリア細胞)
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痛みが長く続くとだれでもストレスが強くなり不安も大きくなる。もともと不安傾向(完璧主義、先読み)の脳は容易に慢性痛となる。

アダルトチルドレン(小児期のピリピリした家庭)、DV、うつ状態、発達障害などは慢性痛と深い関係がある。

慢性痛=生物・心理・社会的疼痛症候群

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痛みの治療と構造の治療は別の問題だ。

構造が治ったら痛みも治るということはない。

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痛みを止める薬?

痛みを治す薬?





by junk_2004jp | 2019-04-21 01:23 | 痛みの生理学 | Comments(0)
2019年 04月 06日

医師が筋痛症を理解していないための弊害

Aさん(女性、50歳代)は1年半ほど前より腰痛〜大腿部痛。脊柱管狭窄症ということで、消炎鎮痛剤をもらっている。

めまいもあるため耳鼻科にもかかっている。

肩こりも慢性的にもっている。

圧痛点を調べると、線維筋痛症だ。

精神科的に診れば「軽症うつ病」軽いうつ状態だ。

線維筋痛症のステージ1または2、というところだと思う。

このように診察する医師によって診断名が大きく違ってくる。

日本の多くの医師は「筋痛症」を知らないため画像診断をする。そして見当はずれする。




by junk_2004jp | 2019-04-06 03:53 | MPS | Comments(0)
2019年 04月 05日

日本の医師の最大の欠点=筋痛を知らない

筋痛症=筋筋膜性疼痛症候群=myofascial pain syndrome

myofascial pain syndrome で検索してください。たくさん出てきますね。

myo- 筋肉

fascial  筋膜の

myofascial 筋・筋膜性

世界中で有名な最もありふれた痛みの病名です。

触診でどの筋肉が不具合を呈しているのかすぐにわかります。

日本の医師はこれを知らないので触診をしません。

画像診断をして失敗するのです。

Aさんは、右クビが痛い、MRI で頚椎にヘルニアあり。・・・診断「頚椎椎間板ヘルニア」

右背中が痛い、レントゲンやMRIで異常が見られない・・・・診断できない。または「心因性」

右の腰が痛い、レントゲンで「椎間板が狭くなっている・・・・診断「腰椎椎間板症」

ヘルニアおよび脊柱管狭窄症は特異的、それ以外は非特異的だと言っている医師がいるが、それに従えばクビは特異的頚痛で腰は非特異的腰痛ということになる。

そんなバカな話はない。

痛み疾患で特異的というのは、悪性腫瘍、感染症、リウマチ・痛風系 の痛みで血液検査や細胞検査で明らかな異常が見られるもののことです。

それ以外は非特異的。

筋筋膜性疼痛症候群はもちろん非特異的疾患です。

骨折を伴っていたとしても非特異的です。骨折+筋筋膜性疼痛症候群、と考えて、骨折の治療+痛みの治療です。

Aさんの痛みは最長筋の筋筋膜性疼痛症候群です。図の背骨に近い筋肉でクビから腰に伸びています。この筋肉が凝っているのです。

「スジを一本抜いてもらいたいぐらい辛い」とおっしゃっていました。

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原因は労働の姿勢(長時間の固まった姿勢)や外傷など、①物理的なことが原因のこともありますが、慣れない職場や職責のアップなど②心理・社会的なことが原因のこともあります。もちろん①+②のこともあります。

椎間板ヘルニアや椎間板の老化が痛みの原因になることはありません。


by junk_2004jp | 2019-04-05 20:23 | MPS | Comments(0)