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心療整形外科

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2019年 03月 12日

痛みの生理学の発展と臨床の変化

「痛み」が定義されたのが1986年です。

An unpleasant sensory and emotional experience associated with actual or potential tissue damage, or described in terms of such damage.

不快な感覚性・情動性の体験であり、それには組織損傷を伴うものと、そのような損傷があるように表現されるものがある。

それ以前は「痛み」の定義はなく、痛みの生理学も極めて貧しいものだったのです。

臨床医学では、古くからの言い伝えで次のように信じられていたのです。

「神経根が圧迫されるとその神経の支配領域に痛みや痺れが生じる」

「椎間板や関節軟骨、半月板などが老化変性すると痛みが生じる」

1980年代中頃(35年ほど前)痛みの生理学は爆発的な発展があり詳しく分かってきました。

その10年ほどあとに(25年ほど前)、マルチメディア・キャンペーンがオーストラリア・ビクトリア州とスコットランドで行われました。


私の家にインターネットが来たのは2000年です。2001年にホームページを作りました。

ポリモーダル侵害受容器、痛みの悪循環、中枢性感作、生物・心理・社会的症候群、筋筋膜性疼痛症候群などのキーワードは当時、ネットで検索したり、書物で調べたりできました。

そのころはまだこのような情報は一般的ではなかったのです。ネットも今ほど発達していませんでした。

現在、整形外科の部長や教授になっている人の年齢を50才ぐらいとすると30才前後のことです。ヘルニアの手術など勉強されて今日の地位を築かれたのです。

それを根本から否定されるのは辛いことでしょう。不運だった。

私の世代は団塊(71才)はもはや第一線を退いた人が多いのではないでしょうか。逃げ切り世代。

次の世代に期待。

最近になって日本もようやく「慢性痛」という概念が語られるようになりました。

慢性痛とは中枢性感作が生じている痛みです。

日本の痛み医療は20年遅れていると言われるのはこのような歴史があるからです。

私は幸運にもかなり早くから、古い考えは矛盾が多いことに気づいていました。

手術をしてもよくならない人がいる。
手術をしなくてもよくなる人がいる。
硬膜外ブロックよりも圧痛点ブロックをしたほうが確実に効く。
痛みは心理的な要素がかなり強い
軟骨が減っていても痛くない人がいる。

現在の保険病名、診療報酬、労災や交通事故の補償など、まだ古い痛みの概念を引きずっています。



# by junk_2004jp | 2019-03-12 01:51 | Comments(0)
2019年 03月 09日

医師の再教育、病名の統一

筋骨格系の痛みに関しての医療は、現状はとてもまずい。

医師数が増えて、MRIが増えると、当然医療費が増えて、それに伴い恩恵を受ける人が増えればいいのだが。

現状ではかえってマイナスに作用している。

医師の再教育は絶対必要だ。特に、整形外科専門医、脊椎外科専門医。

医学生には徹底的に教える。これにより、医療費の削減と慢性痛に悩む人は減るのではないか。

そんなに難しいことではないので、家庭医でも十分活躍できる。

柔道整復師、鍼灸師、理学療法士などとチームプレーが可能だ。

大学病院などに勤務していると慢性化したものばかりなのでかえって理解できないのではないか。おまけに、腰専門、膝専門など細分化されていることもあるので関連性まで思いつかない。

とにかく慢性化する前が勝負だ。

「脊柱管、ヘルニアが神経を押さえているので痛いのだ。」
「軟骨がすり減っているので痛いのだ。」
「すべり症がある。」
「椎間板、半月板が・・・」

このようなことがあたかも痛みの原因のように説明される。

これは生理学的に正しくない。また引導を渡すようなことになり悪影響となる。

とりあえず、下記の項目を1時間ずつぐらい勉強してみる。

痛みの生理学は1985年ごろ爆発的な発展があった。今から35年ほど前だ。オーストラリアやスコットランドで臨床に応用され始めたのはその10年ほど後になる。

日本では遅まきながらそろそろその波がきている。

① 痛みの生理学

痛みはどうして起きるのか

痛みがどうして慢性化したり広がったりするのか。

② 痛みの心理学(心身医学)

③ 筋筋膜性疼痛症候群

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病名

現状では病名はバラバラで情報の共有ができない。

椎間板症、椎間板ヘルニア、坐骨神経痛、梨状筋症候群、仙腸関節障害、変形性関節症、肩関節周囲炎、捻挫・・・

こんなの皆同じメカニズムで起きているのだから統一したほうがいい。

皮膚科の病名はどこにできたとしても、「湿疹、真菌症、ヘルペス」。これと同じでどこが痛くても同じメカニズムだ。

リウマチ系、痛風系、感染症、悪性腫瘍は除外する。

五十肩と坐骨神経痛、変形性関節症は同じメカニズムだということを知っている医師は少ないことと思う。

労災、交通事故、身体障害、など書類が多い診療科だが、病名がバラバラなので情報の共有が困難。

「腰部、臀部、左下肢の筋筋膜性疼痛症候群」「左肩関節周辺の筋筋膜性疼痛症候群」

注釈:慢性痛、不安障害、など

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⚫️ 2年前より左下肢痛で歩行困難。大学病院など多くの病院を受診。あらゆる検査を受けたが、わからない。クビからきているのではないかと言われている。

外側広筋にできた数カ所の圧痛点に30G針で局麻を注射、総量5mlぐらい。

すぐに著名改善、付き添いの二人、患者、びっくり、笑顔。

レントゲンもMRIも何もいらない。知識だけでよい。

経過を聞いただけでMPS(筋筋膜性疼痛症候群)しか考えられない。

ただ、そこに至った、心理状態(不安障害とか、定年退職直後の喪失感とか)までは一回の診察ではわからない。

感作の程度、心身医学は今後の経過をみながら。

⚫️ ぎっくり腰で病院にいく。レントゲンを撮り「骨に異常ありません」湿布と薬をもらったが一向によくならない。こんなことだから、医者はバカにされている。

多くのぎっくり腰はその場で解決できる。腸腰筋、脊柱起立筋などの攣りだ。レントゲンは必要ない。

⚫️ 同じ病院で4回腰の手術をした女性、いまだに頑固な腰痛、下肢痛に苦しんでいる。クビや腰の頻回の手術で線維筋痛症(あるいは類似状態)の人を何人も診ている。

痛みのメカニズム、心身医学の知識が0だから手術をしている。かわいそうなことだ。

医師がアスペルガーかサイコパスの可能性がある。医師はこういうことで淘汰されない職業だ。共感欠如、強いこだわり。

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線維筋痛症は筋筋膜性疼痛症候群の延長線上の病態。ボヤ〜大火の関係。ボヤのうちに消火すること。

急性痛、慢性痛に対する治療法はいろいろある。得意な方法で。安全で安上がりで繰り返してできるほうがよい。

急性痛の場合は組織損傷が伴っていることがある。組織損傷の治療と痛みの治療は別々のことと考えたほうがよい。痛みの治療は時間的要素があるのでとても重要。



# by junk_2004jp | 2019-03-09 04:53 | Comments(0)
2019年 03月 07日

Choosing Wisely(チュージング・ワイズリー、賢明な選択)


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以下、「おとなの週刊現代より
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医療経済ジャーナリスト 室井一辰氏

チュージング・ワイズリー

2012年から、米国内科専門医認定機構財団が米国の医学会を巻き込んで始めた全米キャンペーン

特徴は医師たちが自ら必要でない医療を特定している。

なかでも「やるべきでない手術」としてまず挙げられるのが腰痛だ。手術をした結果、むしろ症状が悪化することもままある。

「チュージング・ワイズリーでは、腰痛への医療行為は慎重にすべきだというのが共通認識になっています。実際に手術をしても痛みが治らず、結局、歩けない、座っていても辛いということになるケースもあります。脊柱管狭窄症と椎間板ヘルニアの手術がその代表です。」


そもそも腰痛は手術をしたところであまり効果が期待できないと語るのは加茂整形外科医院院長の加茂淳氏だ。

「神経が圧迫を受けているために痛みやしびれが生じる」という考え方自体が間違っています。現代医学では、そのような慢性の痛みは、中枢性の痛覚過敏だと言われています。

痛覚過敏はたとえるなら、火災報知器の故障のようなもの。火災報知器が過敏になってしまって、タバコに火を点けただけで火災報知器が鳴ってしまう。痛覚がそのような状態になったときに、慢性痛が起こる。

「痛いからと、整形外科にいくと、レントゲンやMRIを撮られてしまいます。60代、70代の高齢者がMRIを撮れば、健康な人でも、60〜70%は脊柱管が狭くなっていますし、同程度の人がヘルニアだと言われています。それで無駄な手術を受けさせられ、症状が悪化してしまうのです。」

さらに恐ろしいのは予後がよくないために手術を重ねることだ。「2回以上手術を受けた人は全身に激しい痛みが生じる繊維筋痛症の症状が出ることがあります。手術をすればするほど痛覚が過敏になり、痛みの範囲が広がっていくことがあるのです。」


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このことは患者さんにとっては、心身的、経済的、時間的に大きな負担になっています。

医師からすれば、プライドの問題があります。どちらの言っているのがより正しいのか。

限られた医療費のパイの分配に不公平を感じています。厚労省は生理学的に考えられない治療や検査は保険から外すこと。


# by junk_2004jp | 2019-03-07 22:01 | Comments(0)
2019年 02月 21日

脊柱管狭窄、椎間孔狭窄、椎間板ヘルニアは痛みやしびれの原因ではありません


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# by junk_2004jp | 2019-02-21 22:03 | ヘルニア脊柱管狭窄症の矛盾 | Comments(0)
2019年 02月 15日

福岡県 整骨医学会 2019.3.3

昨年の大阪府の整骨医学会での講演がきっかけになり、福岡県の整骨医学会で講演することになりました。



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数カ所のレジメにQRコードを使って、私のブログやHPにリンクしました。




# by junk_2004jp | 2019-02-15 01:02 | Comments(1)
2019年 02月 08日

神経障害性疼痛の定義の変遷(Neuropathic Pain)

experience(他人の脳内体験)と定義されている「痛み」を分類して定義するのはとても難しい。

神経障害性疼痛の定義も変遷している。

痛風、リウマチ、外傷初期、感染症:炎症性疼痛、侵害受容性疼痛

帯状疱疹後神経痛、幻肢痛、糖尿病性末梢神経障害:神経障害性疼痛

このあたりまでは異論なくいくのだが、長引く腰痛、頚痛、坐骨神経痛、五十肩、膝痛をどう表現したらいいのか。

どのような痛みも下図のように、「神経障害性」「侵害受容性」「心理社会的」要素を持っている。怪我の当初は「侵害受容性」の要素が大きいが慢性化と共に「神経障害性」「心理社会的」要素が大きくなるものと思う。

たとえば、横綱の痛み。

当初は怪我(肉離れ)の痛み:侵害受容性疼痛

慢性化(3ヶ月以上):ズキズキ、ジクジク、ピリピリ:神経障害性疼痛

責任、不安、苦悩:心理社会的
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# by junk_2004jp | 2019-02-08 12:50 | 痛みの生理学 | Comments(0)
2019年 01月 18日

手根管症候群は手術をする必要はありません

手根管症候群は正中神経の圧迫ではなくて筋筋膜性疼痛症候群です。(斜角筋や前腕の筋肉のMPS)





4-1 http://www.round-earth.com/HeadPainIntro.html

肩甲筋の緊張は頭痛の原因になったり、手根管症候群や胸郭出口症候群といわれている痛みを呈することがある。いわゆる手根管症候群の場合は半ダースはあると思われる原因のなかで、手根管をどうこうするのは最後にしなさい。手術をする前にぜひチェックを!・・・・


# by junk_2004jp | 2019-01-18 02:17 | MPS | Comments(3)
2019年 01月 17日

脊柱管狭窄症

中高年の6割以上の人に脊柱管狭窄が見られるそうです。

もちろん無症状の人も多いのです。

脊柱管狭窄が痛みやしびれの原因だとする説は間違いです。

痛みやしびれの原因は筋痛です。

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# by junk_2004jp | 2019-01-17 23:40 | ヘルニア脊柱管狭窄症の矛盾 | Comments(0)
2019年 01月 05日

半月板損傷

半月板の損傷は、膝に日々痛み、うずき、こわばりを持つ人々の63%、
これらの症状がない人々の60%に見られた。

半月板断裂手術、理学療法と同等


無症状膝のMRIにおける異常所見の発生頻度




# by junk_2004jp | 2019-01-05 23:41 | 慢性痛 | Comments(0)
2019年 01月 03日

変形性関節症まとめ


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詳しくは下のリンクをみてください

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# by junk_2004jp | 2019-01-03 19:25 | Comments(0)