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心療整形外科

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2024年 07月 01日

慢性痛対策の必要性


3か月連続して、あるいは断続的に続く痛みを慢性痛という。

強い痛みならもっと早く慢性痛になると思われる。

不安、完璧主義、こだわりが強い人ならもっと早く慢性痛になるだろう。

損傷を思わせる出来事もなく、炎症疾患でもなければ当初より慢性痛なのだろう。これを中井吉英先生は「急性期慢性痛」といっている。

どちらにしても最初から痛みそのものが治療の対象なのだ。

急性痛の場合、組織損傷が付随していることがある。その組織損傷が今回の出来事に関係しているのか、以前からあったものか見極める必要がある。

「いつのまにか骨折」という骨粗鬆症のコマーシャルがあったが同じことが半月板や腱板や椎間板ヘルニアにもある。これらは痛みに無関係だ。

慢性痛=痛みの治療

急性痛=痛みの治療+今回の出来事によって生じたと思われる損傷の修復

整形外科医は修復の専門家であって痛みの専門家ではない。しかし、常識レベルで痛みについて知っている必要がある。




# by junk_2004jp | 2024-07-01 01:36 | 慢性痛
2024年 06月 30日

周回遅れの日本の痛みの医療

慢性痛とは3か月以上連続あるいは断続して続く痛みと定義されている。

痛みそのものが治療の対象となる。何かを治すと痛みが治るというものではない。

日本では成人の4~5人に一人が慢性痛をもっている。特に腰、膝が多い。

国民病といってもよい。

心理・社会的疼痛症候群。

Functional somatic syndrome (機能的な身体の症状=心身症=いろいろな条件で生じる身体の症状

慢性痛は中枢性感作が本態だ。痛みの悪循環が続き脳に痛みの情報がくり返して入力されると脳はそれを記憶してしまう。パソコンの閲覧履歴のようなものだ。逆認知症といってもよいか。

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グリア細胞の活性化によって痛みが広がっていくことがある。
反対側にも(ミラーペイン)

「神経が圧迫を受けると痛みやしびれが生じる」「老化した軟骨や椎間板、半月板、腱板は痛みの原因となる」という考えは生理学で説明ができない。またこれらは中高年の健常者に頻繁にみられる。

ケガによって「組織損傷」と「痛み」が生じるが「組織損傷(骨折、肉離れ、腱・靭帯断裂)の修復と「痛みの治療」は別問題だ。





# by junk_2004jp | 2024-06-30 12:14 | 慢性痛
2024年 06月 29日

私の患者さん説明用のファイル



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# by junk_2004jp | 2024-06-29 21:12
2024年 06月 28日

医師が知らない(習わない)筋肉のコリ、攣り、張りの痛み・しびれ

筋骨格系の痛み、しびれのほとんどは筋のコリ、攣り、張りのためです。これを筋筋膜性疼痛症候群Myofascial Pain Syndrome(MPS)という。

そうでないものは→炎症性疼痛、侵害受容性疼痛

  • 炎症性疾患の自己免疫疾患である「関節リウマチ、脊椎関節炎など、リウマチ性多発筋痛症」、
  • 炎症性疾患の代謝異常の「痛風」「偽痛風」
  • 炎症性疾患の感染症

  • 特殊なものとして帯状疱疹後神経痛、CRPSⅡ(幻肢痛など)、糖尿病性疼痛→神経障害性疼痛

椎間板ヘルニア 、脊柱管狭窄症 、坐骨神経痛 、頸椎症 、椎間板症 、神経根症 、すべり症 、分離症 、肩関節周囲炎、腱板損傷、頸肩腕症候群、胸郭出口症候群、テニス肘、手根管症候群、肋間神経痛、変形性関節症、半月板障害、アキレス腱周囲炎、腱鞘炎、足底腱膜炎、シンスプリント、などと言われている疾患の痛みやしびれはMPSです。

上記のようにいろいろな保険病名が使われていますが、本態は筋肉のコリ、攣り、張りです。これらは慢性化しやすく、早期に適切な治療が必要です。慢性化したもの→痛覚変調性疼痛

最初は侵害受容性疼痛で中枢性感作が起きると痛覚変調性疼痛になる。侵害受容性疼痛と痛覚変調性疼痛の要素をもったものを混合性疼痛という。

医師はこれを習っていないと思われる。私は習わなかった。

習わないだけではなく間違ったことを習ってしまった。

  • 間違い1 神経が圧迫されると痛みやしびれが生じる。
  • 間違い2 軟骨や椎間板、半月板、腱板が老化すると痛みが生じる。

症例を紹介する

60歳代、看護師。右臀部と右下腿に痛みとしびれが出現。MRIで脊柱管狭窄症と診断された。「放っておいたら治る」といわれ、いつの間にか治ってしまった。

ところが最近また同じ症状がでてきた。今回は2週間たっても治らない。
当院を受診した「多分、ストレスが関与したMPSでしょう。狭窄症は何の意味もない変化です。」

狭窄しているものが開いたり閉じたりしません。狭窄が原因なら放っておいても治るわけがないですね。前医も不思議と思いつつMPSを知らないのでそういう表現になったのでしょう。

MPSを知らないからムダな検査をして画像所見を痛みやしびれの原因と誤診するのでしょう。



# by junk_2004jp | 2024-06-28 13:44 | MPS
2024年 05月 24日

専門医の「昔ながらの間違った説」を変えるには?


Aさんは一か月前より、右臀部~右下肢に痛み出現した。思いあたる誘因はない。

Bクリニックで外側ヘルニアと診断、硬膜外ブロックを受けるも改善せず。神経根ブロックのできる病院に紹介される。神経根ブロックを受けるも改善せず。

以前に当院で頚痛を治療してよくなったことを思い出して来院する。

殿筋、腸腰筋、大腿や下腿の筋肉にできた圧痛点に0.5の局所麻酔を1~2㏄ほど注射した。

足首が進展しにくいのが心配だといわれた。前脛骨筋の圧痛点に注射」で改善した。

ヘルニアが神経を圧迫して痛みやしびれが生じることはない

筋肉の強い緊張が痛みを作っている。

原因はフィジカル、メンタルの両面が考えらえるがこのように急に痛みの部位が広がっていることを考えるとメンタル>>フィジカルが想像される。

仕事が超多忙だった、それが終わったとたん痛みに襲われた。

このような患者さんは珍しくはない。

ヘルニアや狭窄症の手術をしたが痛みが取れない。全国から来院や相談がある。

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# by junk_2004jp | 2024-05-24 18:46