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心療整形外科

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2005年 02月 05日

顎関節症

60歳、男性、1W前より右顎が痛くて口を開けることが困難。2~3ヶ月前より右耳で音が聞こえにくい。耳鼻科で水が溜まっているといわれ薬を飲んでいるがあまりよくならない。
顎関節症_b0052170_12511737.jpg


顎も耳も同じことが原因だと思われます。図のような圧痛点がありました。ストレス→交感神経緊張→血行障害→痛み

耳の後の部分の圧痛は難聴の原因、顎のところの圧痛は顎痛の原因になっています。

1ポイントに1ml弱の局所麻酔を注射してレーザーをあてました。口は開くようになりました。
耳のところの治療はついでにというところです。

1W後受診(今日です)

耳は聞こえるようになった。顎は60%になった。顎の圧痛点2ヶ所をブロックする。治療後は痛みなく開口できるようになる。

次回の来院はいつにすればよいか、あと何回必用か?

個人差があってわかりません。数日後に数回ということですね。だって、ついでにした耳は1回で治ったのです。私の娘も顎痛になりましたが1回で治りました。

私のところではたま~に顎関節症の方がおみえになりますが、うつや不安症がない場合はだいたいすぐに治ります。

# by junk_2004jp | 2005-02-05 14:27 | 症例
2005年 02月 04日

痛みやしびれ

①痛みやしびれは交感神経の過度の緊張と関係しているのを否定する医療者はいないでしょう。ストレスが交感神経を緊張させます。

http://www.tvk.ne.jp/~junkamo/new_page_367.htm

全般性不安障害」や「うつ状態」にも痛みやしびれを伴います。

「痛みやしびれ」といえばストレス、不安、うつを思いうかべるべきなのです。これはもう誰もが認める常識です。それを知らないのは常識がないということになります。

痛みやしびれは筋肉を緊張させますから、体が歪む(傾く)ことがあります。結果的に傾いているのです。

痛みやしびれは治療ですぐにとれてしまうことなんてよくあることです。交感神経の緊張を取ってやればいいのですから。腕の良い治療者なら誰でも経験していることだと思いますよ。

私の武器はトリガーポイントブロックです。これは保険診療の枠内でできますのでね。鍼灸を武器にしても可能でしょう。指圧やマッサージなども有効な武器です。

ストレスで起きている交感神経の過緊張を修正してやりストレス対策をやればいいのです。


②一方、痛みやしびれというとすぐに「神経が押さえられている=ヘルニア」とか「骨盤がずれている」ということを思い浮かべる人たちがいます。むしろ、こちらの方が世間的にはポピュラーかもしれません。しかし、医学的には証明されていないことで、実はまだいろいろ議論のあるところなのです。

このようなことを信じている医師はその場で痛みやしびれが取れるような体験をしたことがないでしょう。体験をすべきなのです。頭を使って考えるより体験です。


______

「痛みやしびれ」は①の場合も②の場合もあるのではありません。どちらかが正解でどちらかが不正解です。私はもちろん①が正解だと思っています。

①だとするといろいろな謎が解けてきますね。痛みやしびれは社会・心理学的な疼痛症候群なんです。

いや①の場合も②の場合もあると思っているあなた、二股をかけて治療すればいいのです!もちろん常識となっている①のほうからですよ。こちらのほうが安くつきますし危険もありませんからね。

# by junk_2004jp | 2005-02-04 22:08 | ヘルニア脊柱管狭窄症の矛盾
2005年 02月 03日

民間療法

民間療法_b0052170_13485523.jpg自然良能会の五味勝先生「http://www.kuhee-kotuban.com/aboutryounou.shtml

第1章 椎間板ヘルニアの不安と悩みは間違った常識を信じたところから
第2章 病院ではすぐに手術をとなるが治る保証はまったくない
第3章 椎間板ヘルニアは手術なしで治る秘訣をここに証明する
第4章 誰にでもできて効果のある骨盤調整法を図解で
第5章 長く苦しい戦いの果てに骨盤調整でようやく快癒した
第6章 腰痛を自分で治すバラコンバンドの実践的活用法
第7章 確実に問題を解消する治療法だから「治ります」というしかない




民間療法_b0052170_13525486.jpg中川式ストレッチの中川卓爾先生http://www.health-care-system.com/profile.html


私は延べ30万人位の患者(あらゆるレベルのスポーツマン、あらゆる職業、老若男女)を診てきました。私の体験から創り出した中川式ヘルスケアシステムで1人も安静にすることなく、身体のアンバランスを見出し整え強化することで治して来ました。特に腰痛に関しては腰椎椎間板ヘルニアの患者を1000人近くこのシステムで治してきました。


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私はこれらの療法についてインターネット情報ぐらいの知識しかありませんが、いずれも不安の除去と安静の排除(ストレッチ)がキーポイントではないかと思います。

私にとって、痛みや治癒に対する理論は必ずしも賛成できるものではありませんが、行っていること自体(不安の除去とストレッチ)は理解できます。このような民間療法に科学的な考察を加えて、ヘルニアの痛みと言われているものの実態を考えてみるべきだと思います。

民間療法は「やった→治った」から始まりあとからその理論体系を作ったものと思われます。

一方、医師は「やった→治った」をきらう傾向がありますから、いろいろ検査をし理論付けをしますが、いまだにうまくいっているとは思えません。神経根に炎症があるからという理論なら、安静や薬が効果的でしょうが現実は違っています。痛みは他の疾患と違って、除外診断の次は治療的診断しかないように思います。

ヘルニアに関して、私は民間療法を推薦するものではありませんが、現状の病院での一般的な治療も必ずしも満足のいくものとは思っていません。

専門医は民間療法を無視すべきではなく、そこから得られた知見をフィードバックして「痛みの理論」を構築していかなくてはなりません。

民間療法の手法は偶然でしょうが「慢性疼痛の認知行動療法」に近いものです。

# by junk_2004jp | 2005-02-03 16:48 | ヘルニア脊柱管狭窄症の矛盾
2005年 02月 02日

脊椎すべり症?

先日、電話で「腰椎すべり症なので腰椎安定化訓練の方法はどのようなことなのでしょうか?」というお問い合わせがありました。たぶんこれをお読みになってのことだろうと思います。
http://www.tvk.ne.jp/~junkamo/new_page_355.htm

比較的近くの方でしたので、来院することを勧めましたところ、いらっしゃいました。
Aさんは私と同年代です。長年腰痛に悩んでいらっしゃいまして、いくつかの病院で診てもらったのですが「腰椎すべり症」という診断でした。これから年齢を重ねていくとともにどうなるのかと不安に思っていらっしゃいました。

レントゲンを見ましたら、私の年齢(Aさんの年齢)ならごく普通のレントゲンでした。それは50歳代になると椎間板の変性はありますから、多少のすべりは見られてもふしぎではないのですがそれが痛みの原因ではありません。将来の心配は全くないこと、自由にのびのびと何でもすること、などをお話ししました。

そのような正しい知識を説明して、いくつかの圧痛点をブロックしました。

数日後、2度目の来院のときは、前回よりも表情が明るくなっていました。腰痛もかなりよくなったとよろこんでいらっしゃいました。薬は処方していません。

正しい知識を得ることが何よりの治療となります。

医学界全体の腰痛に対する広範な意識改革が必要である。
私のHPのトップにはこのような内容の文献がいっぱい掲示してあります。

# by junk_2004jp | 2005-02-02 13:27 | 症例
2005年 02月 01日

プラセボ効果

〔サンフランシスコ〕 当地で開かれた米国整形外科医学会(AAOS)の年次集会で,ベイラー大学医療センター(テキサス州ヒューストン)整形外科のBruce Moseley教授は,変形性膝関節症(膝OA)の患者に関節鏡下デブリドマンや関節内洗浄を行っても,2 年後の予後はプラセボと差がないとする研究結果を発表した。

同研究では膝関節痛がある患者180例に、関節鏡下デブリドマン、関節鏡下膝関節内洗浄、器械挿入または軟骨切除をしない模擬関節鏡下小切開手術が行われた。3群に無作為に割り付けられた被験者は全員がインフォームドコンセントに署名し、同じ外科医の手術を受けた。

同意の手続きで擬似(sham)手術のみを受ける可能性があることを実際に説明した結果、研究参加基準に合致した被験者324例のうち、44%は参加を断った。研究期間中は一貫してどの手術を受けるか被験者にわからないようにした。

2年間の追跡期間で、3群全てで疼痛および膝関節機能の中等度の改善を報告したが、デブリドマン群も関節内洗浄群も、プラセボ群より成績が良いわけではなかった。追跡期間のある時期において、擬似手術を受けた患者の転帰はデブリドマン群より良好であったと報告された。

関節鏡下膝関節手術によりほとんどの患者の疼痛が軽減することが過去の臨床試験で明らかにされたが、実際の手術と擬似手術の比較はされていない。米国では、年間65万例以上の関節鏡下のデブリドマンや洗浄処置が行われているが、その多くは関節症患者で、費用は1回約5千ドルである。

「本研究は、手術方針に重要な関わりを持つ」と同博士は話す。「膨大な利益をもたらす産業を後押しする推進力が全てプラセボ効果であることが判った。医療産業は、純粋に主観症状を軽減する外科処置のプラセボと比較した有効性をテストする方法を考え直す必要がある」


これは我が業界ではかなり有名な話です。手術をする医師以外は手術室の看護師にももちろん疑似手術だということを知らせていません。器械を操作する音なども疑似手術を見破られないように注意しています。結果を調べる医師も疑似手術をしたことを知らせていません。

このような厳重な方法で調べたということです。このような実験は日本では無理でしょう。

このたび脊椎固定術もこのような実験が行われる可能性があるということです。

http://www.tvk.ne.jp/~junkamo/new_page_364.htm

倫理的問題は?

“倫理上の理由により、偽手術については依然として異論があるが、我々は、この手術法[すなわち脊椎固定術]について偽手術を取り入れた無作為研究が正当化されると考えている。なぜなら、生命を脅かす疾患のために行う手術ではなく、主要な臨床アウトカムは主観的であり、合併症の発生率が高いからである”と博士らは述べている。

早い話が命には関係ないし、そんなに成績もいいわけではないからなんです。結果が楽しみですね。でも、固定術で金属をつかったら、レントゲンはどうするのでしょうか。合成写真にするのでしょうか?^^。

理論的にも結果は明らかです。プラセボ効果しかないでしょう。痛みというのは個人的な経験ですから、形とは無関係です。
「あなたの脊椎には大きな金○片とネ○がささっています。これでよく痛くないですね。動きに気をつけなさい。」なんて呪いをかけられた日には、たまったものではないですね。痛みとはそういうものですよ。

# by junk_2004jp | 2005-02-01 15:48 | 慢性痛