2004年 11月 26日
圧痛点が痛みの起きている場所です。あたりまえのことなのに、根性痛とか、根由来の関連痛とか、仙腸関節由来の疼痛とか、椎間板性疼痛とか空想上のことを考え出すから迷路にはまり、結局は説明に矛盾を来すのです。 最新の疼痛治療戦略 これはH16年5月第77回日本整形外科学会学術集会LUNCHEON LECTURE(昼弁当を食べながら受けるレクチャー)のもので、東京大学大学院医学系研究科 生体管理医学講座麻酔学教授 花岡一雄先生の講演です。 神経根やヘルニアやその他の構造上の破綻の話題は出てきません。最新の疼痛治療戦略にはそのようなファクターは含まれていないわけです。これはもっともなことで、痛みとそれらの関係はないということです。 交感神経ブロックや硬膜外ブロックなどでインパルスの入力を抑制する、上位中枢へのルートを切断する、痛みの認知を抑制するといったことが必要となる 神経ブロックの意味はこういうことです。痛みの悪循環を遮断することによって痛みを終息させようとするのです。 トリガーポイントブロック:しらみつぶしゲリラ一掃作戦、簡単、痛くない。発痛物質の物理的な洗い流しも期待できる。 神経根ブロック:一ヶ所集中待ち伏せ作戦、ABCDE点で起きた痛みが全部その神経根を通るとはかぎらないので確率わるい。透視をしながら行う。ブロック治療に痛みや恐怖感を伴うことが多いと聞く。発痛物質の荒い流しは期待できない。私はなぜわざわざするのかわからない。 硬膜外ブロック:広範囲待ち伏せ作戦、広範囲に神経根に薬液がいきわたるのでその量やブロックする時の体位が影響か。発痛物質の荒い流しは期待できない。 医師は神経根に原因があると思っているので神経根ブロックや硬膜外ブロックを行うことが多いが期待するほど効果があがっていないようだ。わざわざ、痛みの通るであろう神経根に待ち伏せして攻撃しなくてもよさそうなものに。 #
by junk_2004jp
| 2004-11-26 17:20
| ヘルニア脊柱管狭窄症の矛盾
2004年 11月 24日
Aさん(50歳代、男性、会社員)はぎっくり腰のたびに来院されます。今回は昨日(勤労感謝の日、休日)家で庭仕事をしていて急にギクッと腰にきました。これで十数回目だそうです。不思議なことにいつも休みの日に家にいるときに起こるそうです。会社で仕事をしているときにはなったことがありません。このようなことも、物理的な原因というよりか心理的な原因を示唆します。ストレスから解放されたときが危険な時間帯です。 Bさん(70歳代、女性)は1ヶ月前より左膝が痛くなりました。正座はできません。「前に右膝が痛くなって頭がパーになって計算もできなくなった時、先生になおしてもらいました。」(本人談)私は忘れていましたのでカルテを探してみました。 H12年5月来院。1月に右膝をひねってより痛む。右膝には水が溜まっていました。眠れない、食欲ない、疲れる、外出したくない、といった症状がありました。「うつ状態」に伴う関節炎と診断し、抗うつ薬投与とともに関節炎の治療をして約4ヶ月でほぼ治癒。 今回は右は全く痛みはない、左膝内側に圧痛点、水はたまっていない。圧痛点をブロックするとすぐに膝痛はとれてしまい正座ができるようになりました。 病名は前回も今回も「変形性膝関節症」とつけましたが、前回と今回とでは大きな違いがあります。大きなストレス(情動的)が関節炎を起こし水がたまるのではないかと考えています。今回は膝周辺の筋筋膜痛(心身症レベル)ですぐによくなると思われます。 #
by junk_2004jp
| 2004-11-24 18:17
| 症例
2004年 11月 23日
ヘルニアや腰痛の従来の説明に対して疑問をもつには、ある程度の基礎的な知識が必要です。患者さんが基礎的な知識を持っていることは少ないので患者さんが疑問を持つことはあまりないでしょう。 整形外科医や医療従事者には基礎的知識はあります。整形外科医で従来の説明に何の疑問も持たない人がいるはずはありません。 神経根部にいかなる理由を付けて責任を求めても、圧痛点の説明はできないし、本を読んだだけで治る人がいたり、手術をしても治らない人がいたりする事実をうまく説明できないのです。 インターネットの掲示板をみているとよく言われる言葉は「ヘルニアはいろいろな治療がある。自分にあった治療法をみつけよう。」これは一見バランスのとれた意見のように見えますが、医師が診察室で患者さんに言ったとしたらどう思われますか。 次のようなメールをいただいたことがあります。私がすべてをクリアカットに説明できるはずもありませんが、臨床経験、臨床所見、文献検索、生理学的考察、体験談、民間療法などを総合的に考えると現在のところ私の主張とならざるを得ないのです。 http://junk2004.exblog.jp/d2003-12-12 先生のホームページをみて大変参考になったばかりかいままでもやもやしていた事柄がすっきりいたしました。特にMRI所見と症状・病態との関係が必ずしも一対一対応しない点につき、やはりそうであったか!と気が楽になりました。さまざまな書籍、先生方のお話を聞くよりも勉強になりました。どうもありがとうございました。 先生のHPを拝見していままですっきりしなかったことがよく理解できるようになりました。大学で教えられることと実地の現場があまりに乖離していて何をよりどころに治療していけばいいのか迷っていたところでした。 はじめまして。当方、B県のC整形外科医院の理学療法士をしております、Aと申します。先生のHPを拝見させていただきまして、普段疑問に思っているところを洗いざらい解決するように感じ、うれしさでメールを送らせていただいた次第であります。先生の集められた文献は、ぜひとも多くの痛みに悩む方々に参考にしていただきたいと考えております。 #
by junk_2004jp
| 2004-11-23 01:42
| ヘルニア脊柱管狭窄症の矛盾
2004年 11月 22日
痛みやしびれ(神経原性麻痺のことではないですぞ)に対して画像診断は無意味である。(悪性腫瘍、骨折、感染症の除外診断の意味はある) 画像診断は痛みや痺れに無意味であるをいう時にはこのように但し書きをしなければならないのがややこしいところである。これはもう自明の理であるにもかかわらず、いまだに信奉している人がいることは驚きである。 そのようなことを言っている医師は看護師を雇用するときMRIやレントゲン所見を履歴書に添付してもらわなくてはいけません。分離症やすべり症があるのなら雇用すべきでないかもしれません。またヘルニアの有無も検査しておくべきでしょう。労働のためヘルニアになったといわれるかもしれませんから。画像所見のある人は看護師として雇用するのは不適当かもしれません。 お見合い写真にも添付してもらったほうがよいかもしれません。 保険加入のときも画像所見の有無は考慮されるべきでしょう。 これらはブラックジョークです。人権侵害ですね。画像所見と痛みは無関係です。 「画像所見と痛みは関係ある。」と主張するなら、看護師を雇うとき検査をして、所見がある場合はそれに見合った労働環境にすべきでしょう。 患者自らが先頭にたって「痛みやしびれの原因を構造上の欠点にするな」というキャンペーンをすべきでしょう。上記のようないわれのない差別が生じることも考えられなくもないからです。 #
by junk_2004jp
| 2004-11-22 11:53
| 慢性痛
2004年 11月 21日
今日のファイルより ☆誰か、もっと腰痛の理論を ☆ジョージア州の最新研究は、椎間板に起因する腰痛の診断と治療の不確実性を強調する どうもあちらの整形外科医もあ~のこ~のとよく分からないようだ。痛みの生理学者、脳科学者、心理学者などの意見や知見がでてこない。 整形外科医はもうすっこんでいてもらって痛みの生理学者、脳科学者、心理学者など異なった分野の意見を聞きたいものだ。 脊椎専門医(思い浮かべてごらんなさい!)がどれだけ集まっても参考になる意見は出ないでしょう。 ほとんどの腰痛(非特異的腰痛=骨折、悪性腫瘍、感染症でない)は脊椎専門医の分野ではなく、生理学者、脳科学者、心理学者の分野なのだ。そのことは私とともに1Wも臨床をすれば勘の良い人なら分かると思う。 緊張型頭痛、偏頭痛、群発頭痛が脳外科的ではなく心療内科、ペインクリニック的な問題であるのと同じです。 #
by junk_2004jp
| 2004-11-21 22:44
| 慢性痛
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